「いい加減にしてよ!
玲奈ちゃんが嫌がっているでしょ!」
隣の部屋で話を聞いていた珠理奈が
我慢できずに飛び出してきたのだ。
「え??珠理奈さん・・・どうしてここに?」
坂本は鳩が豆鉄砲を
食らったような顔をした。
「玲奈ちゃんとつき合っているのは私!
あんたなんかお呼びじゃないの!
なに、格好つけてるの!オジサン!」
「お・・・おじさん??」
「自分が若いとでも思ってるの!
このセクハラ&パワハラ親父!!」
珠理奈に圧倒された坂本は言い返せなかった。
「玲奈ちゃん!帰ろう!」
「うん!・・・坂本さんごめんなさい!
私はこの珠理奈が一番大切なんです。
私のことは忘れて下さい。」
玲奈は一礼して、
珠理奈に手を引かれながら店を後にした。
外に出て暫く、歩いてから珠理奈は
立ち止まって口を開く
「ごめん!玲奈ちゃん、
これで仕事いけなくなっちゃった・・・」
珠理奈は軽く頭を下げた。
「いいよ。気にしないで、
私も松本さんがあそこまで嫌な人とは
思っていなかったんでスッキリしたよ。
珠理奈にメチャクチャ言われたときの
坂本さんの驚いた表情おかしかったよ!」
玲奈は思いだし笑いをした。
「さあ、帰ろう!」
玲奈は珠理奈の左手にしがみついた。
二人は笑顔で帰路についた。