先月末、実家のある長野へ帰ってきた

 

今さらなのだけれど

本が出版されたと親に伝えるためだった

 

 

出版社の人たちは

親は喜ぶから早く伝えなと言っていた

 

 

俺だって喜んでくれると思う。

 

 

タイトルが「売れないバンドマン」じゃなければ…

 

 

売れないバンドマンっていう本を渡された親は

一体どんな反応するのかわからなかったし

 

もしかしたら悲しむんじゃないかとさえ思ってた

 

 

親戚に話すときに

 

「うちの息子の本です。『売れないバンドマン』」

なんて

想像しただけで悲しくて

とても話せなかった

 

でもいい本だし親だけでもわかってくれればいいと思い

意を決して今回帰郷した

 

 

 

 

二日間帰ったけれど

言い出せなかった

 

全然言い出せなかった

 

 

最後の食事の時、一緒にいた彼女にせっつかれて

頑張って口に出した

 

 

俺「実は、本が出版されまして…」

 

母「すごいじゃない！」

姉「えーすごい　どれどれ」

 

俺「…（喜んでくれてる…嬉しい）」

 

姉「あ！ねえ母さん！見て！尾崎世界観だって！！」

 

俺「！！？」

俺「姉ちゃん、尾崎世界観知ってんの！？？」

 

姉「知ってる！！」

俺「まじ？？」

姉「尾崎豊の世界観でしょ」

俺「違う」

 

母「本当におめでとう。」

俺「いやいや…」

母「そんなことより、最近うちのリモコンが壊れてて」

 

俺「うん。電気屋行こうな…。」

 

 

 

母や姉にとっては

きっと俺の音楽活動なんて

壊れたリモコンよりどうでもよいのだ

 

 

ただ、元気でいてくれて

こうしてたまに帰ってきてくれる

 

そのことの方がよっぽど喜んでくれるみたいだ。

 

 

 

それはそれでとても嬉しいけれど。

 

 

早くテレビに出て

周りに自慢させてあげたいなあと思った。

 

 

それまでにはテレビのリモコンが直ってるといいな。

 

 

 

ーーーーーーーーー

▼リリース情報

 

カザマタカフミ 著
『売れないバンドマン』（※書籍）
12月11日（月）発売

四六判／232頁／1,500円（税込）
発売元：シンコーミュージック・エンタテイメント
 

Amazon

→こちら。

 

タワーレコード

→こちら。