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LAST song -five-


<蓮side>


社さんに連れられて、入った場所は、ラブミー部室。

その中には・・・・・・・


黒いロングヘアの最上さんが、二人・・・・・???



「敦賀さん、社さん、おはようございます。」



二人の最上さんのそばにいた琴南さんが、俺たちに向かって挨拶をした。

すると・・・・・・・



「えぇぇぇっ!!!!!!キョ・・・キョーコちゃんが・・・・・・ふたりぃぃぃぃぃ~~~~?????」



目の前にいる社さんが、大声で叫んでいる。


その声を聞いて、一人の最上さんは、思い切り目を見開いてビックリしているけれど

もう一人の最上さんは、俺と社さんの前に立ち



「敦賀さん、社さん・・・・・おはようございます。

今日はお忙しい中、お呼びたてして、申し訳ありませんでした。」



こういうなり、綺麗にお辞儀をした。



「・・・・・・キョーコ、ちゃん??

君のほうが・・・・・キョーコちゃん、だよね?!

あ・・・・頭上げて、ね??

彼女、紹介してくれるかな???」



深々とお辞儀をしていたほうの最上さんに近寄って

社さんは頭をあげるように言っていたけれど・・・・・



「・・・・・・・・・・・・・・・社さん。

彼女は、最上さんじゃないですよ??」



「えっ???」



俺の言葉に、社さんは固まってしまった。

すると・・・・・



「さすが、敦賀さんですねっ!!!!」



挨拶をしなかったほうの最上さんが、こういうなり

頭のウィッグをとり、こちらに近づいてきた。



「挨拶が遅くなり、すいませんでした。

敦賀さん、社さん・・・・おはようございますっ!!!」



ニッコリと花が咲いたような笑顔で言う最上さんは、

相変わらず可愛らしい。



「うん、おはよう。」



俺と最上さんのやり取りを見ていた社さんは、

俺たちを交互に見ながら、いまだに戸惑っているようだった。



「(チッ)・・・・・・やるわね。」



「へぇ~~~・・・・・・」



端から眺めていた二人(琴南さんと、何故かいる知らない男)の

呟きには、あえてスルーをしておくことしよう。


・・・・・きっと、琴南さんが考え付いたことだろうと思うし・・・・・・



「それにしても、敦賀さん。

よくわかりましたね!!!

あ、紹介しますね?!


この子が、私の双子の姉の”瀬戸杏果”ちゃんで

壁にいる彼が、杏果ちゃんの付き添いできてる

弟くんの”瀬戸龍生”くんです。」



「・・・・・・・・・どうも。」



こういいながら軽く頭を下げたのは、

壁際に寄りかかって立っていた、男の子のほう。


最初に、俺に最上さんみたいに挨拶をしてきた彼女のほうを見てみると

俺をジッと見ていて、何も言わなかった。



「俳優の、敦賀蓮です。

今日は、遠いところをわざわざ会いに来てくれて、

ありがとうございます。」



ニッコリと微笑みながら挨拶をすると

男の子のほうは、ちょっと顔を赤らめているのに対し、

最上さんのお姉さんは・・・・・

先ほどと変わらずに、いまだに俺をジッと見つめてた。



「・・・・・・杏果、ちゃん??」



何も言わない彼女に、不安に思ったのか

最上さんが彼女の顔を覗きこんで様子を見ていた。


二人で小声でなにやら話し込んでいるときに



「あっ!!!!!も・・・・・もしかして・・・・・・・」



いきなり大きな声をあげたのは、社さんだった。



「・・・・・どうしたんですか???」



「ほらっ、蓮。

前に、俺録ったCD渡しただろ??

キョーコちゃんの声そっくりの、あの今話題の歌手っ!!!

名前が、”キョーカ”って言わなかったっけ?

だから、もしかして・・・・・・彼女じゃないのか???」



今、業界内で噂になっている歌手。

”キョーカ”と名乗り、たった一曲だけだけど

綺麗な歌声と、感情のこもった歌い方。

何より、本人が作ったと思われる歌詞が

心に響いてくる。


しかも、彼女がデビューもしていない

インディーズで活動すらしていない人だからと

いろんな芸能事務所やレーベル会社が

躍起になって彼女を探している、ということらしい。


もちろん、ここLMEでも・・・・・

社長をはじめ、歌手部門の人間は本腰で探し始めているって

聞いていたから・・・・・

もし本人なら、ちょっと聞いてみたほうがいいのかな??

・・・・・・でも、それは俺の仕事の範囲外、だな。



「蓮??話、聞いているのか???」



「あっ、すいません。

ちょっと考え事をしていたもので・・・・・

なんでしたか??」



「あっ、もし本当に彼女が、あの”キョーカ”なら

ちょっとデビューするつもりが無いか、聞いてみたほうがいいのかなって

言ってたんだけど・・・・???」



「・・・・それは、社さんにお任せします。」



「・・・・・それは無理、ですよ??」



えっ??


声をかけてきたのは、彼女の弟くん、だった。



「杏果は・・・・・

体が弱いから、芸能活動なんて、無理なんです。

彼女に・・・・・変なことは言わないでください、ね???」



軽く睨まれながら言われ、

彼が、彼女のことを家族として心配しているのが、よくわかった。



「あ・・・・そ・・・・・そうなんだね。

知らなかったから、ゴメンネ。」



やんわりと社さんが謝ると、彼は



「・・・・・別に、いいよ。」



こういって、プイッと顔を背けてしまった。


ははっ・・・と、二人で苦笑いをしていると



「あのぉ~~~、敦賀、さん???」



最上さんが遠慮がちに声をかけてきた。



「なんだい?最上さん・・・・・」



軽く微笑みながら言うと、最上さんの後ろにいた

お姉さんが、微かに”ウッ”っとなったのがわかった。


・・・・・彼女は、俺のファンだから会いにきたのじゃなかった、のか??


――――――怖がってないか?????



「杏果ちゃんが、ぜひとも敦賀さんにお会いしたいといって

せっかく会いにきたのですが、いざ会ってみると

緊張してうまく話せないようなんです。


だから・・・・・・怒らないでくださいね??」



「・・・・・・・えっ??別に何も怒ってないよ???」



本当に、怒ってるつもりなんて無かった。


それなのに、彼女は、最上さんの後ろに隠れて

微かに・・・・・・震えているようだった。


―――――――――なっ???



「だぁ~、かぁ~、らぁ~・・・・・・・

それ(似非紳士スマイル)が、杏果ちゃんには怖いそうなんですっ!!!!!」



「・・・・・・それって・・・・・???」



最上さんが言う、それが何のことなのかわからずに

少し考えていると、最上さんの後ろから、チラリと視線を感じた。


その視線のほうへ目をやると、彼女と目が合う。


彼女は、ジッと俺を探るように見つめると

最上さんの後ろから出てきて、俺の前に立った。


すると、ニッコリと笑いながら



「始めまして、瀬戸杏果と申します。

先ほどまで、失礼な態度でゴメンなさい。

せっかくお会いしたので、その・・・・・・」



先を言いよどんでいたので、俺は思わず



「・・・・・何?言ってみて??」



その先を促した。


すると、彼女は上目遣いで、小さな声で



「・・・・・・怒りませんか??」



こう言うから、



「あ、あぁ・・・・(たぶん)」



短く答えると、意を決したのか、短く息をひとつ吐き出してから言い出した。



「テレビの中と同じように、貼り付けたような営業スマイルで

話しかけられても、まるで仕事の一環のようで、いやだったんですっ!!!!!」



っ!!!!!



「初めての人にお会いするときにこういっては失礼だとは思ったのですが

言わせていただきます。


デビューの頃からテレビとかで拝見しておりましたが

あなたの笑顔は、こう・・・・・心の底から笑っているようには感じられないんです。

作り物の・・・・・無理やりな笑顔、というのでしょうか??

だから、実際目の前でお会いしたら、思ったよりも・・・・・・怖くて・・・・・・

ま、まさか、テレビの中だけじゃなく、実生活でもそのようでしたから・・・・・」



俺は、彼女のその言葉に・・・・・・

鈍器で頭を殴られたような、すごい衝撃を受けていた。





つづく。





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杏果ちゃん、暴走、の巻きでございます。

次回、彼女のこの発言の意味(?)が多少わかると思います。


うん、今回も作者の意図から暴走しだしました。

でも、これでいいのかな??



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多少、ブログの紹介文とかを変更しないといけませんね。


目次も・・・・

もうちょっとわかりやすくしなくちゃ。




ではでは、次回もお楽しみにぃ~♪