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LAST song -nine-




<蓮side>



今日、家に帰ると、何故か最上さんが夕食を作って待っていてくれた。


相変わらず・・・・・社さんが気を利かせてくれたのだと思って

うれしい反面、いつも以上に、戸惑った。


その理由は・・・・・


今の、俺の悩みの種。


最上さんの、双子の姉、のこと。



始めてあったあの日に言われた言葉がずっと

俺の心をえぐる。


俺はそんなに・・・・・・ちゃんと笑えていないのだろうか・・・・・??


そして、それ以上に気になったのは、

その日の晩に電話をした際の、あの態度。


俺の・・・・なんとなく言ってみたアレが、もし本当なら・・・・・


あの時会っていた、キョーコちゃんは、いったいどっちなのだろう・・・・・???



最上さんを好きなのは

彼女が”最上さん”であるからで―――――


昔会った、”キョーコちゃん”とは関係ない。


そう、思っていたのに・・・・・・


俺の心の中に、静かに波風が起きている。


最初小さな波だったのが

日がたつにつれ、ドンドン・・・・・大きくなる。



――――――――俺は・・・・・いったい・・・・・どうしたんだ??







最上さんと話をした後、彼女をだるまやまで送っていった。


帰りの車の中、彼女は一切何も言わなかった。



・・・・・・・最上さんは、


俺がしつこくコーンのことを聞いていたのに

少しなりとも疑問に思わないのだろうか??


―――――俺には、興味ない、とか・・・・・・??


そんなことを考えて、何気にショックを受けてるなんて・・・・・


情けないな―――――――



帰ってきて、そのままドカッとソファに腰掛けると

ポケットに入れていた携帯をおもむろに取り出した。



”また後でかけなおすから―――――”



・・・・・かけなおして、何を言うつもりなんだ・・・・・??



”キミがキョーコちゃんだったの??”


”俺がコーンだって、いつ気づいた??”


”本当の笑顔って・・・・・・何??”



っくそっ!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・どう言えば、いいだよ・・・・・・・・・・・・






 

<杏果side>



キョーコとの電話を切って、早一時間強、たった。


・・・・・・・待てどくらせど、敦賀さんから電話がかかってこない。



”また後でかけなおすから”


って言ってたじゃないですか???



―――――――――期待してちゃ、ダメってことじゃない。


この前、会えただけでも、奇跡なんだから。

それなのに、その後電話までもらって、

今日も・・・・・声が聞けた。


それだけで、十分幸せなんだよ。


だって、彼は、私とは住む世界が違う人。


この先、ずっとずっと大きな世界で羽ばたいていく人なんだから・・・・・・・



チラリと横目でカレンダーを見る。


――――今は一月の終わり。


来月は、彼の誕生日がくる。



・・・・・・・私は、彼に、どうしても渡したいものがある。


だから、明日からちょっと忙しくなるけど、

どうしても、形として伝えなくてはいけない。


―――――――――私という存在が、居たという記憶を。

私の、想いを――――――――――――


貴方の目に、私が映っていなくても、かまわない。

私は、そんなことを、望んでいないのだから・・・・・・・・・・





結局、その晩は敦賀さんから電話が無かった。


私は、夜中の2時まで起きて待っていたけれど

いつの間にか寝てしまって、起きたときには

学校に遅刻するギリギリの時間だった・・・・・・・



その日の放課後から、私は彼に渡すプレゼントの準備を始めた。

知り合いの人たちに頼んで、もう一度だけ・・・・・・



次の日も、その次の日も・・・・・・・・・

私の電話は、鳴ることは無かった。


そして、プレゼントも出来上がった頃・・・・・・・・・・

私は意識を手放した――――――





つづく。





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今回は、あっさり短めになってしまいましたね。


蓮と杏果ちゃんの、それぞれの心情を表したかったので

短めになってしまいました。


やっぱり、蓮=ヘタレのイメージが強いせいか

彼は電話をかけなおすことができませんでした。


いろいろ考えていたのですが、やっぱりコレが一番しっくりくるのかなって・・・・


そして、これからが本番、ですかね、この話の。


実はこの話、あんまり長くしたくなかったのですが

いつものことで、私はドンドン長くしちゃうんですよね・・・・


今回は、いつもよりかはすっきり(?)さっぱり(?)

しているような気がします。



・・・・・・ふぅ~~、ちゃんと書きたいことが、書けますように。



そして、昨日はオリジナルと銘打った小説をアップさせていただきました。

こっちもまだまだ続くんですが

いろんな人物が登場してくると思うので

皆さんが読みづらくならないようにがんばりたいと思います。


ただ・・・・・・・

オリジナルって付けた割に、どこかで似たような作品、あったなぁ~

とかありましたら、本当にごめんなさい。


本読むのは好きな割に、実はあんまり読めてないので・・・・

知らないところでかぶったりとか、あると思うんですよね・・・・・


どこかでかぶってたら、どうしよう・・・・・


ちょっぴりチキンな作者なのでした。


一応、一日おきにこっちとオリジナルとをアップする予定です。


両方の妄想を書き綴ってかないと、忘れてしまうので・・・・

(小さな脳みそには、二つの話だけでアップアップなのです)



それでは、これからもお付き合いのほどよろしくお願いします^^