前回のお話→one - two -three - four -five -six -seven -eight -
LAST song -nine-
<蓮side>
今日、家に帰ると、何故か最上さんが夕食を作って待っていてくれた。
相変わらず・・・・・社さんが気を利かせてくれたのだと思って
うれしい反面、いつも以上に、戸惑った。
その理由は・・・・・
今の、俺の悩みの種。
最上さんの、双子の姉、のこと。
始めてあったあの日に言われた言葉がずっと
俺の心をえぐる。
俺はそんなに・・・・・・ちゃんと笑えていないのだろうか・・・・・??
そして、それ以上に気になったのは、
その日の晩に電話をした際の、あの態度。
俺の・・・・なんとなく言ってみたアレが、もし本当なら・・・・・
あの時会っていた、キョーコちゃんは、いったいどっちなのだろう・・・・・???
最上さんを好きなのは
彼女が”最上さん”であるからで―――――
昔会った、”キョーコちゃん”とは関係ない。
そう、思っていたのに・・・・・・
俺の心の中に、静かに波風が起きている。
最初小さな波だったのが
日がたつにつれ、ドンドン・・・・・大きくなる。
――――――――俺は・・・・・いったい・・・・・どうしたんだ??
*
最上さんと話をした後、彼女をだるまやまで送っていった。
帰りの車の中、彼女は一切何も言わなかった。
・・・・・・・最上さんは、
俺がしつこくコーンのことを聞いていたのに
少しなりとも疑問に思わないのだろうか??
―――――俺には、興味ない、とか・・・・・・??
そんなことを考えて、何気にショックを受けてるなんて・・・・・
情けないな―――――――
帰ってきて、そのままドカッとソファに腰掛けると
ポケットに入れていた携帯をおもむろに取り出した。
”また後でかけなおすから―――――”
・・・・・かけなおして、何を言うつもりなんだ・・・・・??
”キミがキョーコちゃんだったの??”
”俺がコーンだって、いつ気づいた??”
”本当の笑顔って・・・・・・何??”
っくそっ!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・どう言えば、いいだよ・・・・・・・・・・・・
*
<杏果side>
キョーコとの電話を切って、早一時間強、たった。
・・・・・・・待てどくらせど、敦賀さんから電話がかかってこない。
”また後でかけなおすから”
って言ってたじゃないですか???
―――――――――期待してちゃ、ダメってことじゃない。
この前、会えただけでも、奇跡なんだから。
それなのに、その後電話までもらって、
今日も・・・・・声が聞けた。
それだけで、十分幸せなんだよ。
だって、彼は、私とは住む世界が違う人。
この先、ずっとずっと大きな世界で羽ばたいていく人なんだから・・・・・・・
チラリと横目でカレンダーを見る。
――――今は一月の終わり。
来月は、彼の誕生日がくる。
・・・・・・・私は、彼に、どうしても渡したいものがある。
だから、明日からちょっと忙しくなるけど、
どうしても、形として伝えなくてはいけない。
―――――――――私という存在が、居たという記憶を。
私の、想いを――――――――――――
貴方の目に、私が映っていなくても、かまわない。
私は、そんなことを、望んでいないのだから・・・・・・・・・・
結局、その晩は敦賀さんから電話が無かった。
私は、夜中の2時まで起きて待っていたけれど
いつの間にか寝てしまって、起きたときには
学校に遅刻するギリギリの時間だった・・・・・・・
その日の放課後から、私は彼に渡すプレゼントの準備を始めた。
知り合いの人たちに頼んで、もう一度だけ・・・・・・
次の日も、その次の日も・・・・・・・・・
私の電話は、鳴ることは無かった。
そして、プレゼントも出来上がった頃・・・・・・・・・・
私は意識を手放した――――――
つづく。
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今回は、あっさり短めになってしまいましたね。
蓮と杏果ちゃんの、それぞれの心情を表したかったので
短めになってしまいました。
やっぱり、蓮=ヘタレのイメージが強いせいか
彼は電話をかけなおすことができませんでした。
いろいろ考えていたのですが、やっぱりコレが一番しっくりくるのかなって・・・・
そして、これからが本番、ですかね、この話の。
実はこの話、あんまり長くしたくなかったのですが
いつものことで、私はドンドン長くしちゃうんですよね・・・・
今回は、いつもよりかはすっきり(?)さっぱり(?)
しているような気がします。
・・・・・・ふぅ~~、ちゃんと書きたいことが、書けますように。
そして、昨日はオリジナルと銘打った小説をアップさせていただきました。
こっちもまだまだ続くんですが
いろんな人物が登場してくると思うので
皆さんが読みづらくならないようにがんばりたいと思います。
ただ・・・・・・・
オリジナルって付けた割に、どこかで似たような作品、あったなぁ~
とかありましたら、本当にごめんなさい。
本読むのは好きな割に、実はあんまり読めてないので・・・・
知らないところでかぶったりとか、あると思うんですよね・・・・・
どこかでかぶってたら、どうしよう・・・・・
ちょっぴりチキンな作者なのでした。
一応、一日おきにこっちとオリジナルとをアップする予定です。
両方の妄想を書き綴ってかないと、忘れてしまうので・・・・
(小さな脳みそには、二つの話だけでアップアップなのです)
それでは、これからもお付き合いのほどよろしくお願いします^^