・・・今までの話・・・・

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☆一年生 春☆ no.1no.2no.3






この空の向こうがわ ☆一年生 春☆ no.4




次の日。


教室に着いたなり、友達の美波が私の元へやってきた。



「おはよ、萌香。

今日、放課後付き合ってほしいところがあるんだけど

・・・・・いいかな?」



「・・・・・どうしたの?」



いきなりそんなことを言われて戸惑ってしまった私は

返事をすることなく、逆に問いかけていた。



「あのね・・・・・

昨日、部活に行く前、ちょっと話してたでしょ??

ホントは・・・・・女子サッカー部を作りたいって。


昨日、サッカー部に見学に行ったら

顧問の片桐先生に聞かれたのよ・・・・・


”お前もマネージャー希望じゃないのか?!”って・・・・・

女子がサッカー部に希望するのって、みんなマネージャー希望なんだってっ!!!!

だから、私はサッカーがしたいんだって言ったのよ。

そしたらやっぱり、片桐先生が

”男子の中で女子がするのもなんだしなぁ~・・・・・・”

ってかなり戸惑っていたから、


”ホントは女子サッカー部があるといいんですけど・・・・”

って言ったらさ・・・・・


”じゃあ、作ってみれば?”


って話になったの。


で、片桐先生にいろいろ教えてもらって

とりあえず、生徒会に行って、話を聞いてきたほうがいいって言われて

今日の放課後、早速生徒会室に行きたいの。


・・・・・一人じゃ、ちょっとつらいから

萌香のお兄さん、会長さんでしょ??

だから・・・・・付いてきて、くれない???」



「・・・・・・別に生徒会に行かなくてもいいんじゃないの?

確か、部員5人と顧問の先生がいれば、クラブ活動成立するんじゃないの??」



「・・・・・一応、期限があるらしくって

そこまでは片桐先生知らないんだって。

だから、詳しく聞いてみなさいって、さ・・・・・」



「・・・・・・そっか・・・・・・・

いいよ?!ちょっと話するだけでしょ??」



「っ!!!!ありがとぉ~~~っ!!!!!!

萌香、チョーーーーー助かるよぉぉぉ~~~~~っ!!!!!!!」



こう言って、美波は私に抱きついてきた。


まだ美波との付き合いは一週間ちょっとだったけど

今までは美波は結構クールなタイプだと思っていたのに・・・


想像とちょっと違って、ビックリした。






そして、放課後。


私は美波とともに、生徒会室にやってきた。


ノックをすると、中から”どうぞ”と声をかけられた。



「・・・・・失礼します」



美波はちょっと緊張した面持ちで、生徒会室の扉を開いた。


生徒会の役員さん数人がいる中、会長をしている透唯は、私を見て

ちょっと驚いた顔をしていた。



「あの・・・・・・連条会長、ですね?」



「あ・・・・・あぁ・・・・・何か、用かな??」



透唯は、美波が話しかけている間も、ちらちらと隣にいる私の顔を盗み見ている。

その表情は、”どうしてココに来たんだ?”って言っているよう・・・・・



「えっと・・・・1Cの吉川美波、なんですが・・・・・

実は新しく、”女子サッカー部”を作りたいんです。


そこで、新しい部活を立ち上げるにあたって、何が必要なのか

伺いに参りました。」



「・・・・・・”女子サッカー”・・・・ねぇ・・・・・」



「今、女子サッカーはワールドカップだってありますし

オリンピックだって正式種目なんですよ?!

男子サッカーよりも、女子のほうが日本代表が強いくらいじゃないですかっ!!!!

これからは、女子サッカーの時代なんですっ!!!!!」



こう力説する美波の意気込みがすごかったのか

生徒会室にいた、他の役員さんたちが唖然として美波を見つめていた。



「・・・・・で、萌香は、どうしてココに??

もしかして・・・・・・一緒にサッカー、やるつもりか??」



にやっと笑いながら、私に問いかけてきた透唯。


・・・・・・なんで、私に話を振るのよ?!

まずは、美波に部活の立ち上げについて教えるのが先決なんじゃないの??



「・・・・・ただの付き添い、です。」



「萌香は、運動音痴だもんな・・・・・・

じゃあ、吉川さん、今から書類出すから、待っててくれる??」



「はいっ!!!!」



私はこの後、美波と透唯の話を隣でボーっとしながら聞いていた。


4月中に人数がそろわないと部費が出ない、とか

活動内容が、練習だけではなく対抗試合とかも必要だとか

そんな感じでいろいろ話していたっけ。



「・・・・・ところで、吉川さん。

顧問の先生はあてがあるのかな??」



「はいっ!!!もう昨日、お願いをしてありますっ!!!」



「そうなんだ・・・・・ちなみに、誰か教えてもらってもいいかな?」



「はい。日野先生です。」



っ!!!!



「・・・・・・どうか、しましたか?」



私は、章吾さんの名前が出てきて驚いてしまって気づかなかったけど

透唯までもが、章吾の名前を聞いて、変な顔をしていたようで

美波に、問いかけられていた。



「いやっ・・・・・

確かに、日野先生はどこの部活の顧問をされていないから

大丈夫じゃないのかな??」



ニコっと笑っているのだが、その笑顔は何か都合が悪いときに出す笑顔だって

私は気づいていた。



その後も、少し話をして、生徒会室を後にした・・・・・・







「今から、片桐先生と日野先生に報告に行きたいから

職員室についてきてくれる??」



「・・・・・もう、部活始まってる時間じゃないの??」



「二人とも、私が話し聞いてきてくれるの待ってるって言ってたから・・・・」



私は美波と並んで歩いて、職員室に向かっていた。


このとき、廊下をすれ違った誰かに、ジッと見られているとは知らずに・・・・・・・







「せんせぇ~~っ!!!話、聞いてきましたよぉ~??」



「あぁ、吉川。早かったな!!!」



片桐先生は椅子に座っていて、その隣に立ったまま話をしていた

日野先生のところへ、美波は駆け寄っていった。


私は、美波の後をゆっくりと付いていった。


すると、片桐先生が、私を見つけるなり、驚いたような顔をする。



「・・・・・・っと・・・・・・、吉川の、友達?」



そっか・・・・・片桐先生は確か二年の担任で、担当も二年ばっかりだったっけ・・・・



「はい。美波の同じクラスの連条萌香です。

はじめまして。」



「・・・・・・連条、って・・・・・・・」



「萌香は生徒会長様の妹だから、一緒に生徒会室まで付き添ってもらったんですっ!!!

あっ、もちろん、友達で一緒に行ってもらえば心強かったからってのもありますが・・・・」



ジーッと私を見ながら、何故か納得がいかないような顔を浮かべる

片桐先生。


・・・・・いったい、どういうことなんだろう、と思っているのだが・・・・・



「じゃあ、早速話を教えてくれないか?」



こういって、美波と話をし始めた。


すると・・・・・・・



「・・・・・・連条・・・・・お前、あんまりわかってないのな。」



へっ??


声がしたほうを見ると、ちょっとあきれた顔をした章吾さんがいた。



「・・・・・わかってないって、何がですか?」



いきなり何を言われたのかわからない私は、

そのまま章吾さんに問いかけた。


すると、章吾さんは大きくため息をついて、

私に近づいてきて、小さな声でこういった。



「・・・・・・似てるんだよ。」



「えっ??」



「その制服着てると・・・・・・似てるんだ、あいつに・・・・・・・」



私は、何も言えなくなってしまった。


そして、追い討ちをかけるような言葉を言った。



「・・・・・・わかるやつには、すぐに、バレルゾ??」



私が、この学校に来たことは・・・・・・・・


間違い、だったのかな・・・・・・・・・・・・????





no.5へ、つづく・・・・・





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今回は、部活立ち上げの話で終わってしまいましたね。


でも、このサッカー部は、まぁ・・・・・

あんまり重要にならない、かも??


まぁ、二人が始めてちゃんと話す機会ができたって、だけですかね?!


この話、このままだと、かなり長くなってしまいそうです。


うう~ん・・・・もうちょっと簡潔に書けるようにならなくてはっ!!!