君の風景は僕の風景 Landscape.26 | 嵐-大宮妄想小説-大宮に恋して。

嵐-大宮妄想小説-大宮に恋して。

某気象系14 ON妄想小説サイト。
成人済み
大人女子
が運営しております。
大人向け限定記事を含む長編、短編、たまにロック画面配信。
Twitterもしてます。
見つけたらお気軽にお声掛けてくださいね‪。.:*☆。.:*☆‬

成人
大人向け
腐女子向け

サクラコ

君の風景は僕の風景 Landscape.26




「あ、ちょっと、失礼」
「電話ですか?あ、では少し休憩しましょうか、
………………大野さん」

何度となく震える携帯に少しばかりの緊急性を感じた。俺の持つ私用の携帯番号を知ってる人間は一度かけて出なかったら『仕事中』か『睡眠中』と理解し、LINEもしくはメールに一言残しこんなに連続してかけてくることはなく、だとしたらこの震えは最近俺の私用の電話番号を知った人間からの電話。

案の定
それは、ほぼ正解で。

「仕事中………だよ、ね、………コン、ごめ、………コンコン、だけど、一応、言っておこうと、……思、ケホッ」
「お前、もしかして風邪引いたのか?」
「少しだよ。あ、会社は休み取ったから、………コン、大丈夫。それにゆっくり、………できるし、コホッ」

その言葉に含まれた矛盾さに俺は直ぐに気づいたが、掛ける言葉に正直迷ってしまった。あいつ対しての想いが残ってないのなら、間違いなく指摘し、最善の場所に戻す事を強引にでもすすめるだろう。でもそれが出来ないのは、

俺の中に
『それ』が、あるから。

「まさか、出てきたのか」
「あは、………ゴホッ、バレちゃった?」
「今、何処」
「言うと、きっと俺、智の事困らせる、から……コン、やめとく」

散々俺の奥底に沈めた気持ちを一気に浮上させておいて今更困らせる?もうとっくに、十分
………………困ってるっての。


「あのホテルか?」
「あそこは会社でもよく使われるから、………ゲホゲホ、違う、とこ」
「あーもういい、しゃべるな。今居るホテルの地図、送っておけ。いいな、絶対だぞ」

 困らせるよ
 俺また、智を
 困らせ、ちゃうよ

互いに互いを困らせてるんだから、仕方ねえだろ、言い方を変えれば、そう言う所までもう来ちまったって事だろ。

出会わなければ、よかった

アイツの幸せを、奪ってしまった罪悪感が容易に襲ってきて、それと同時に俺の気持ちの急激な変化についていけず、そして瞑想する。

「大野さん、そろそろ打ち合わせ始めませんか?」
「わりぃ、仕事だから一旦切るぞ」
「ごめんね、ごめん、智」
………………プツン

「すみません、櫻井さん、
………………行きましょうか」