昨日6月4日は、このブログで知り合った乳がんの友達とお互いの寛解を祝った
お祝いなのでちょっと贅沢をして、場所は虎ノ門にある改装してきれいになったホテルオークラ東京のオールデイダイニングにした。
オークラのオールデイダイニングは、とにかく広くて天井が高くてラグジュアリー感溢れていて、それでいてカジュアルな雰囲気も併せ持つ素敵な空間なのだ。
改装後に何度か利用したことがあって、とても気に入っていたので今回のお祝いにピッタリということで、ここに決めた。
今から5年前の2018年、友達は2月に、私は4月に乳がんの手術をした。
手術が終わって病理検査の結果が出て抗がん剤はやったほうがいいね、と医者に言われたとき、私は絶望的な気持ちになったし、抗がん剤の投与が終わるだなんて先の先に思えたし、半年後の自分も想像できなかったし、明日はまた日が昇る、なんてとてもそんな風には思えなかった。
でも、終わってしまえば本当に早くて、それからは1年ごとの検査を淡々と受けていて、、、気がつけばもう5年も経ったのかぁ、、、と時間の流れの速さにただただ驚く。
お祝いのランチの前に2人で乾杯をした。
私はアルコールが飲めないので、こういうときは必ずノンアルコールビールを注文する。
ノンアルコールビールって酔わないのに「飲んだ」って気にさせてくれるところが好き
5年前の2018年に初めて会ったときはたしかお互いにウィッグを被っていたような気がする。
そしてハゲの話をして2人で大笑いしていた。
髪の毛が抜けてしまって悲しい、なんて感想を共有するのではなく、その治療生活すらも笑いに変えて話せる同病の友達ができたことが何よりも嬉しかった。
このへんの感覚が違うと、同じ病気で同じような治療をしてきてもその体験をシェアするのは難しい。
昨日も治療の時の思い出話はほとんどなくて、映画の話とか全然乳がんとは関係のない話が多かった。
お互いにホルモン治療のみになって数年経つので、乳がんの話は再発には気をつけたいね、くらいで終わっちゃうのである。
そして、がんを経験した人が皆そうであるように、毎年の健康診断に精を出している話を始めるのだ
私達は今後も年に1~2回のペースで会いながらお互いの元気を確かめあおうと約束した。
5年前の春までは自分ががんに罹るだなんて思いもよらなった。
がんに罹ったタレントの話を聞いても同情はしても他人事だったし、自分には遠い話だと思っていた。
抗がん剤を打って辛い思いをしている人の体験談を耳にしても実感がなく、自分にはそんなことは起こらないと信じていた。
今は全部自分に身に起きたことなのだ。
乗り越えた、という大それた気持ちは微塵も起きない。
ただ、やらなくてはいけなかった治療をしっかりとこなしていっただけである。
5年経って寛解と言われた今でも、だからこれで安心だとも思っていない。
1度がんに罹ってしまえば今後は再発に気をつけて、もし何かあっても早めに発見できるように怠らずに検査を受けるだけである。
一昨日までは東京は雨だった。
昨日は青空が広がって、私達の寛解祝いを空も祝ってくれているようだった
オークラのランチは雰囲気も味も最高だった。
ただ、オークラのエントランスへ続く小道には蛇がいるそうなので(注意書きの立て看板がある)、次回がオークラになるかどうかは微妙だ
寛解を一緒に祝える友だちができたこと、それだけでこのブログをやっていて良かったって本当に思います。
ありがとう