今年の1月で59歳になった。

 

この59年間、総じて同年代の大方の女性たちとはほぼ違った人生だった。

60手前になった現時点の状況から考えると今では既にどうでもいいことにはなったけど、人と同じような人生を歩めなかったことは私にはコンプレックスだった。

要するに人との縁をガッチリつかめるようなコミュニティーにいなかったということなので昔の縁が非常に薄いのだ。

とはいっても、こんな私にも古い同級生との年賀状のやり取りくらいはあった。
一人は幼稚園から中学卒業までずっと一緒だった幼馴染。
一人は高校3年間を同じクラスで過ごした同級生。
いわゆるこの2人は、若い私達が恥ずかしげもなく「大親友」と呼び合ってはばからなかった部類の青春時代を共に過ごしたベストフレンドなのである。
 
だから、私は今もこの2人を忘れたことはなかった。
最後に会ったのは2人も私の結婚式の頃だったけど、それから四半世紀経った今でも彼女らと過ごしたあの頃をふと思い出すことも多かった。
こんなに思い出すのは、一緒にいた時がよほど楽しかったんだろうな。。。
でも、もう20年以上も年賀状のやり取りだけ。
ここ数年の年賀状では子供が結婚しただの孫が生まれただの書いてあることも多くなった。
当時の私の故郷では、デキのよろしい女子は社会人になった途端にたいてい良い見合いが山のように殺到してさっさと縁談がまとまるか(幼馴染)、もしくは地元のリーダー格のカッチョイイ男子に見初められてさっさと嫁に行く(高校の同級生)かで2人とも結婚がめっちゃ早かったのである。
私は子供もいないので、いつも「お元気ですか?」しか書かなかった。
色々と書きたいことはあったけど、置かれている環境も立場も人生そのものが全然違ってしまっては、もはや何を書いていいのかわからなかった。
毎年彼女らに年賀状を書きながら、お互いに死んだとしても遺族からの喪中はがきでその事実を知って終わりなのだろうな、、今の時代、「親友」の最後なんてそんな感じで知るのが普通だろうな、、と思いつつ、そんなことを考える年に近づいたことに寂しさを覚えていた。