健康診断などで行う血液検査の感度を従来の100倍に高める新技術を、ノーベル化学賞受賞者で島津製作所フェローの田中耕一さん(52)らが開発し8日、発表した。 血液1滴でがんや生活習慣病などを早期診断したり、画期的な治療薬の開発につながる成果という。

記者会見した田中さんは「今まであきらめていたものが、これで見えてくる。 大きな自信を持って紹介できる」と笑顔で語った。

田中さんらは、病気にかかると体内で新たな種類のタンパク質が作られ、
その発見が診断や治療につながることに着目。人の免疫反応で重要な役割を果たす抗体を使って、
10万種類以上のタンパク質から病気に関係するものだけを素早く見つけ出す方法を開発した。

2本の腕を広げたようなYの字形をしている抗体の中心部に、バネのような構造を 人工的に作製して取り付け、腕が自在に動いて目的のタンパク質を探し出せるようにした。

この抗体を使って検査したところ、アルツハイマーの原因物質とみられるタンパク質を従来の100倍の感度で見つけ出すことに成功した。

田中さんが開発し、平成14年のノーベル賞受賞理由となった質量分析装置でこうしたタンパク質を解析すれば構造が判明し、治療薬開発も期待できるという。

東京大客員教授も務め多忙な田中さんは「まだやりたいことがたくさんある。 実験が好きなので続けていきたい」。日本の科学技術については
「数多くの研究が世界の最先端を行っている。もっと自信を持ってよいと思う」と強調した。



まだまだ未知なる世界が待っている。



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