アルツハイマー型認知症の治療薬として圧倒的なシェアを持つ薬の特許切れに伴い、同じ有効成分を持つ101種類の後発医薬品が販売されることになり、価格が従来の3分の2 と決まりました。

認知症の治療薬「アリセプト」は、年間およそ85万人の患者さんが服用していて、国内では、認知症の治療薬として、圧倒的なシェアを占めています。アリセプトの特許が、今年切 れたのに伴って、製薬メーカー30社から「ドネペジル」という同じ有効成分を持つ101種類の後発医薬品が販売されることになり、28日、薬の価格が公表されました。厚生労働省によりますと、特許が切れた直後に、100種類を超える後発医薬品が出るのは過去に例がなく、価格は5ミリグラム錠で1錠およそ285円と、従来の薬の3分の2となりました。

また、水を飲まずに服用できるものや、甘く味付けたもの、フィルム状にして舌の上にのせれば服用できるものなど、さまざまなタイプがあります。一方、アリセプトもゼリー状にするなど、飲みやすくしたものが出ていて、認知症の治療薬は、価格や服用のしやすさなどを比べて、患者さんが選べる時代となりました。

後発医薬品のメーカーによりますと、後発医薬品の場合、5ミリグラムの錠剤を1日1錠飲むとすると、健康保険の1割負担では年間の自己負担額が1万200円ほどで、従来よ りおよそ5500円安くなるということです。日本認知症学会の指導医で、横浜市総合保健医療センターの塩崎一昌医師は、「認知症の場合、年金暮らしの人も多く、5年10年と長い期間、薬を服用することも多い。価格が下がり、飲みやすい薬を患者が選べるのは、とてもよいことだ」とおっしゃっていました。



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