老いは旅立ちの前の準備
(2009.6.5)



先日たまたまテレビで、樋口了一の「手紙~親愛なる子供たちへ~」という曲を聴きました。もともと、ポルトガル語で書かれた詠み人知らずの原作詩に感動した樋口氏が日本語訳されたものを補足して自ら作曲して発表したという経緯が公式サイトには紹介されています。


歌詞はいずれ誰もが迎える老いに対する不安と、それを支える家族の愛を、年老いていく父親が子どもたちへの手紙という形で表現されています。


その中でも特に印象に残る部分は、


「お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい

あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて

いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを」



老いるということは、決して悲しいことではなく、旅立ちの前の準備と捉え、


「あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように

私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい」


「手紙~親愛なる子供たちへ~」(原作詩:不詳/訳詞:角 智織/補足詩:樋口了一」
より一部抜粋。

と結んでいます。


そんな曲が注目されている折、我が家でも母が自転車で転んで足の付け根の骨を骨折して、三ヶ月の入院生活を経て、ようやく退院することができました。要介護2の認定を受け、ただいまリハビリの生活を送っております。


まだ母が元気な平成七年に建て替えた庫裏は、風呂を二階に作ってしまったのが、今から思えば、「なんで一階に作らなかったんだ」と自分でも恨めしいのですが、その階段をようやく手摺に掴まりながら上がり降りができるようになり、ややほっとしている昨今です