びわ湖の春 音楽祭2024@滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 1日目 2024年4月27日(土) 京都市交響楽団, 阪哲朗(指揮), 小林沙羅(ソプラノ), 藤木大地/びわ湖の春 音楽祭2024 1日目 オープニングコンサート@滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 小林沙羅(ソプラノ)・園田隆一郎(ピアノ)/山中惇史(ピアノ)/びわ湖の春 音楽祭2024 1日目 ロビーコンサート@滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール

 

4/27(土)は滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールへ『びわ湖の春 音楽祭2024』を観に行きました。びわ湖ホールで毎年春に行われているクラシック音楽祭でした。2日間開催されたうち、1日目の公演を観ました。私的にこの音楽祭は、2020年にチケットを購入したもののコロナ禍での不要不急の外出禁止により断念した経緯があり、2015年のラフォルジュルネびわ湖以来9年ぶりに観に来ました。

会場の滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールへは4か月半ぶりに来ました。JR琵琶湖線 膳所駅から徒歩10分ほどの風光明媚な湖畔に建つ綺麗なホールでした。

曇り空の下、朝会場に向かい、10時過ぎに会場に到着。11時から最初の有料公演のオープニング・コンサートを観るため、大中小の3つのホールのうち、大ホールへ。チケットもぎりの後、大ホール内ガラス張りでびわ湖が見渡せるロビーに入るとNHK大河ドラマ『光る君へ』の等身大パネルが展示されていました。そして客席へ。有料公演は指定席で、1階11列の席に着きました。中央の1段上がったところで、ステージ上の演奏者の目線に近く見やすい場所でした。開演5分前に撮影録音の禁止や、スマートフォンを音の鳴らない設定にするなどの注意事項のアナウンスが流れました。

定刻11時になり、京都市交響楽団のメンバーに続いて、びわ湖ホール芸術監督でマエストロの阪哲朗(ばん てつろう)が入場。前半はチェンバロと弦楽器による編成で、イタリアのオペラの曲を演奏。1曲目は阪哲朗氏の指揮によるオーケストラのみの演奏でグルック作曲の『オルフェオとエウリディーチェ』より序曲。春らしいすがすがしい音色を聴かせました。次にカウンターテナーの藤木大地がグレーのスーツで登場。『オルフェオとエウリディーチェ』より「エウリディーチェを失って」をファルセットを使った女声域のハイノートのソフトな歌声で伸びやかに歌い、拍手喝采を浴びました。歌手が入れ替わり、ソプラノの小林沙羅が淡いグリーンのスカートにトップがピンクの縁や刺繍が入った衣装で登場。ヘンデル作曲の『セルセ』より「オンブラ・マイ・フ」を伸びやかに歌いました。再び歌手が入れ替わり、藤木大地がヘンデルの『リナルド』より「私を泣かせてください」をゆったりとしたテンポでしなやかに歌いました。小林沙羅が加わって2人で『リナルド』より「あなたの面差しは優美に溢れ」。1番はソプラノがメインに歌い出してカウンターテナーが加わってハモり、2番はカウンターテナーがメインに歌い出してソプラノが加わってハモりました。
マエストロと歌手2人が一旦下がり、チェンバロら数名が下がって管弦楽器の人数が増え、後半はドイツ語の歌曲やオペレッタの曲を演奏。まずオーケストラのみでレハール作曲のオペレッタ『メリー・ウィドウ』のメドレーを華々しく演奏しました。次に小林沙羅がミントグリーンにクリスタルや深緑の刺繍を施したドレスに衣装替えして登場し、曲は『メリー・ウィドウ』より「ヴィリアの歌」。ファンファーレのように始まるゆったりとした演奏に、巻き舌を交えた深みのある歌声で、ビブラートを交えて伸びやかに歌い上げました。歌手が入れ替わり、藤木大地が先ほどと同じ衣装で登場。R.シュトラウス作曲の3つの歌曲を歌唱。「万霊節」をゆったりとしたテンポでソフトな声で歌い、コンマスのViolinとハープの演奏とともに「明日こそ」を子守歌のように優しい声で歌い、「献呈」を深みのある声で神聖な雰囲気のなか歌いました。歌い終えると投げキッスをしてステージから下がりました。替わって小林沙羅が登場し、本編最後の曲はJ.シュトラウスⅡ世作曲のオペレッタ『こうもり』より「チャールダッシュ」。緩急をつけた演奏にのって、全身を動かしながら演じるように歌い上げました。
観客のEncoreを求める拍手に応えて、小林沙羅とボトルを持った藤木大地が再び登場し、Encore曲はオペレッタ『こうもり』より「シャンパンの歌」。疾走感のある演奏にのって、1番は藤木大地がボトルを手に歌い、2番は小林沙羅がボトルを手にリズミカルに歌いました。歌手2人はカーテンコールに応えて再び登場し、マエストロと握手をして、観客にお辞儀をし、オープニング・コンサートを締めくくりました。

ホールを出て、湖畔の飲食エリアに行き、昼食をとりました。空は一時小雨もぱらつく曇りでした。気温が高かったので少し蒸し暑く感じ、朝着てきた上着は脱いで過ごしました。

午後は無料のロビーコンサートを観ました。大ホールと中ホールの入口の間のメインロビーの、1978年製スタインウェイハンブルクモデルが置かれた特設ステージ前には200席以上の椅子が並べられていました。12時台の滋賀県ピアノコンクール入賞者の演奏の後、客席が空いたので、5列目くらいのピアノの鍵盤が見やすそうな席を確保。

14時からは小林沙羅(ソプラノ)・園田隆一郎(ピアノ)によるステージ。午前中のステージを終えたソプラノの小林沙羅がクリスタルを施したピンクのドレスで登場。続いて襟無しシャツにスラックスの上下黒い衣装の指揮者の園田隆一郎氏が登場し、ピアノ伴奏を務めました。最初の2曲は手に持ったファイルに入った譜面を観ながら歌いました。1曲目はフォスター作曲の「夢路より」。有名なメロディにのって、深みのある声で1番を英語、2番を日本語で歌いました。
曲間にはハンドマイクを手にトーク。11時からオープニング・コンサートで歌いましたが、午前中から歌うことはめったにないとのこと。音楽祭のテーマは"夢と憧れ"とのことで、プッチーニ作曲の子守歌「金色の夢」をイタリア語で朗々と歌いました。次に加羽沢美濃作曲で"現在2歳の子供が生まれた時に私が詞を書いた"という曲「月夜の祈り」。日本語の詞で伸びやかに歌い上げました。
バーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』より「サムウェア」。英語詞のスローナンバーを徐々に盛り上げながら歌い、サビを力強く伸びやかに歌い上げました。
ヴォルフ作曲でゲーテの詞によるドイツ歌曲「ミニヨン(ご存知ですかあの国を)」。オペラのように身振り手振りをしながら全身で歌い、後半に行くにつれピアノとともに力強く歌い上げました。本編最後の曲はレオンカヴァッロによるイタリア歌劇『道化師』より「鳥の歌」。空の鳥を見上げるように緩急をつけながら歌い、途中跳ねるようなリズムで早口を交えて歌い、後半強く歌い上げました。
観客のEncoreを求める拍手に応えて再びステージに登場。Encore曲はフォーレ作曲の歌曲「夢のあとに」。悲しげな雰囲気で伸びやかに歌いました。歌い終えると2人は握手をして観客にお辞儀をして33分のステージを締めくくりました。

15:20からは山中惇史(やまなか あつし)のソロピアノによるステージ。ラペルの無いジャケットにワイドパンツの上下黒に白のインナーシャツの衣装で登場。
1曲目はヘンデル作曲で自身の編曲による「アフェットゥオーソ」。粒立ちの良い音色のピアノを聴かせました。
曲間のトークで、この日は直前のヴァイオリン伴奏と、このあとのバリトンの伴奏を含めて1日で3公演行うとのこと。

"他の人は楽しい短めの曲を演奏しているけど15~16分の重厚な曲を演奏します。人の生きること、死ぬことの意味が凝縮されている"と言って、J.S.バッハ作曲、ブゾーニ編曲の「シャコンヌ」を演奏。内省的な雰囲気の曲を強弱や緩急をつけながら高音から低音までピアノの音を響かせて聴かせました。
観客のEncoreを求める拍手に応えて再びステージに登場。Encore曲はショパンの「子犬のワルツ」。鍵盤の上を縦横無尽に駆け回るすばしっこい子犬のような指使いでピアノを弾き、綺麗な音色を奏でました。演奏を終えると、満面の笑みで四方八方にお辞儀をして27分のステージを締めくくりました。

目当ての演奏を聴き終えたので、アンケートを記入して回収ボックスに入れ、余韻に浸りながら会場を後にしました。

風光明媚な湖畔で聴きごたえのある歌と演奏を聴かせてくれた音楽祭で、存分に堪能しました。

------------------------------------------------------------
びわ湖の春 音楽祭2024
2024.4.27(Sat)
@滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール

【27-L-1】オープニング・コンサート 11:00~12:06 大ホール
[出演]京都市交響楽団(オーケストラ), 阪哲朗(指揮/びわ湖ホール芸術監督), 小林沙羅(ソプラノ), 藤木大地(カウンターテナー)
[プログラム]
グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』より 序曲 (オーケストラ)
      "エウリディーチェを失って" (藤木大地)
ヘンデル:『セルセ』より"オンブラ・マイ・フ" (小林沙羅)
ヘンデル:『リナルド』より"私を泣かせてください" (藤木大地)
      "あなたの面差しは優美に溢れ" (小林沙羅&藤木大地)
レハール:『メリー・ウィドウ』メドレー (オーケストラ)
               ヴィリアの歌 (小林沙羅)
R.シュトラウス:万霊節/明日こそ/献呈  (藤木大地)
J.シュトラウスⅡ世:『こうもり』より"チャールダッシュ" (小林沙羅)
=Encore=
J.シュトラウスⅡ世:『こうもり』より"シャンパンの歌" (小林沙羅&藤木大地)

小林沙羅(ソプラノ)・園田隆一郎(ピアノ) 14:00~14:33 メインロビー
[出演]小林沙羅(ソプラノ)・園田隆一郎(ピアノ) 
[プログラム]
フォスター:夢路より
プッチーニ:金色の夢
加羽沢美濃:月夜の祈り
バーンスタイン:『ウェスト・サイド・ストーリー』より「サムウェア」
ヴォルフ:ミニヨン (ご存知ですかあの国を)
レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』より 鳥の歌
=Encore=
フォーレ:夢のあとに

山中惇史(ピアノ) 15:20~15:47 メインロビー
[出演]山中惇史(ピアノ)
[プログラム]
ヘンデル (山中惇史編):アフェットゥオーソ
J.S.バッハ (ブゾーニ編):シャコンヌ
=Encore=
ショパン:子犬のワルツ

 

 

〖物販リンク〗

 ▽京都市交響楽団 第600回 定期演奏会CD(2016/12/17リリース)

 

 ▽小林沙羅 2ndアルバム(2016/11/2リリース) 

 

 ▽藤木大地 3rdアルバム(2021/11/20リリース)

 

 ▽山中惇史 ソロアルバム(2023/2/22リリース)