かつて大阪梅田芝田の国道176号沿いにあった瀟洒なビル「阪急百貨店香養会館」。

 

文字通り阪急百貨店が関係するビルだが、その存在を知るのは関係者ぐらいだった。

 

香養会館は、阪急百貨店創立30周年記念事業の一環として、教養課別館跡地に建設されたもので、1978(昭和53)年3月7日に竣工。

 

 

竣工時は研修・厚生施設として、事務所のほか、講堂や教室、体育館や武道場、茶室なども備えていた。

 

30年ほど前に阪急百貨店吹奏楽団の演奏をここで聴いた記憶がある。

 

また、阪急百貨店時代から継続してH2Oリテイリング、阪急阪神百貨店の本社ビルとしても利用されてきた。

 

しかし、阪神梅田本店が入居する大阪神ビルディングと新阪急ビルを一体的に再開発した「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」の完成に伴い、2022(令和4)年9月同ビル14階に本社を移転。

 

このため隣接して所有する立体駐車場と一体で再開発するものと予想されていたが、同年9月30日付で合同会社HNO(東京)に売却された。建物は解体・撤去され地上13階建てのオフィスビルが建設される。

 

◆概要

名称:阪急百貨店 香養会館

所在地:大阪府大阪市北区芝田2-6-37

施工:竹中工務店

構造:RC造

階数:地上8階

敷地:951.3㎡

建築面積:766.9㎡

延面積:4,897.9㎡

各階施設

1階:受付、宿直室、駐車場、運転手控室、電気室

2階:事務所448㎡

3階:事務所557㎡

4階:講堂308席、控室、小教室24人、和室8畳・10畳、茶室8畳

5階:講堂59席、大教室104人、中教室48人、小教室18人

6階:体育館616㎡(バレー、バスケット、テニス、バドミントン、卓球ほか)

7階:観覧席

8階:武道場251㎡、部室3、和室6畳・8畳・8畳、ロッカー室2、脱衣室2、シャワー室2、浴室2

竣工:1978(昭和53)年3月7日

アクセス:阪急大阪梅田駅フェイスティブコート口より徒歩3分、大阪メトロ御堂筋線梅田駅5番出口より徒歩2分、JR大阪駅御堂筋北口より徒歩4分

 

◆参考文献

『株式会社阪急百貨店50年史』 50年史編集委員会 編集 阪急百貨店 発行