山また山の山の奥、岡山県の北端、吉井川水系加茂川と岡山県道・鳥取県道6号津山智頭八東線を跨ぐ円形の橋脚を持つ、5径間のプレートガーダー橋「松𡵅橋梁」。

 

 

辞書にない漢字「𡵅」。初見では読めない。

 

 

読みは「松ボウキ橋梁」。

 

 

因美線・美作河井駅と知和駅の間に位置する。

 

 

因美線は鳥取県(因幡)の鳥取駅と岡山県北部(美作)の東津山駅を結ぶJR西日本の路線。起点の鳥取駅で山陰本線、終点の東津山駅で姫新線と接続。鳥取-智頭間を米子支社鳥取鉄道部が、土師-東津山間を岡山支社が管轄している。2016年の路線記号・ラインカラーの制定で、全線を山陰エリアの扱いとして路線記号「B」、ラインカラーは智頭杉をイメージする「茶色」とした。

 

因美線は木造駅舎がいくつも遺っており、春には多くの駅が桜の花に包まれる。

 

 

美作河井駅は1931(昭和六)年9月12日、美作加茂から当駅の因美南線延伸時、終着駅として設置された岡山県の最北端に位置する駅。

 

 

1932(昭和七7)年7月1日、当駅‐智頭間が開通して途中駅となった。

 

 

駅の南西にはかつて使用されていた除雪車用手動転車台があり、2009(平成21)年2月近代化遺産に認定された。

 

 

松ボウキ橋梁は、美作河井駅を出てすぐ。

 

 

橋脚は石造りに見えるが、実はコンクリートに石を貼り付けたもの。

 

 

美作河井駅を発車した気動車は南進、ガタンゴトンと音を立ててゆっくりと桜の中から現れる。

 

 

因美線のダイヤは上下それぞれ6本、合わせて1日12本。

 

 

日中に橋梁を通過するのは津山行の8時台と13時台、智頭行の12時と15時台。

 

 

桜と松ボウキ橋梁を通過する因美線列車。

 

 

そうそうは見られない鉄道情景。

 

◆施設概要

【名称】松𡵅橋梁(まつぼうききょうりょう)

【所在地】岡山県津山市加茂町山下

【所属事業者】西日本旅客鉄道株式会社

【所属路線】因美線

【開業日】1931(昭和6)年9月12日