2024(令和6)年は辰年ということで「龍」にまつわる場所を紹介。
岡山県は危道王国。それは県北に多いイメージがあるが、県南にも難易度は低い険道がある。
岡山県倉敷市水島と玉野市を結ぶ県道62号玉野福田線の旧道「由加往来」がそれ。
早瀧自然公園の渓谷を抜ける、由加山と早瀧比咩神社を結ぶ狭隘な険道700mの道のりの高低差は85m。
街の近くで秘境、異次元が楽しめる。
あゝそれなのに、トリップアドバイザーの玉野市観光43選中43位。
つまり、べべたこ。
惜しい。
さあ、行ってみよう。
水島から玉野へ向けて走る由加バイパスの先、倉敷市立琴浦小学校前から県道62号を1.4km地点で右折。
旧道を進むと徐々に様相が変化し、市境を越えて玉野市に入ると一気に悪化。
右手の島池と左手の坂川下池の間を抜ける市道。
狭っ!!
これは明治10年以降に開通したもので、それ以前は現在遊歩道となっている池の周囲を巡る道を迂回していたという。
池を渡った先、左手に謎の石段。
その上に市杵島姫命をお祀りする弁天宮。
島池に浮かぶお椀をひっくり返したような島。
ここから急な下り坂になる。
幅員1.8m、自動車1台分。
左は断崖、右は深い谷。危険、落ちたら死ぬ。
深い深い谷に築かれた堰。
満々と水を湛えた早瀧ダム。
危ない。
滝川をに架かる橋。
橋の先に青い建物。
養蜂家が営む隠れ家カフェ「蒼穹珈琲(ブルーコーヒー)」。
川に架かる橋の下に見える石橋。
その昔、熊蔵という力持ちの男がひとりで架けたと伝わる。
かつては由加山さん系や近在の人々がこの橋を往来したことであろう。
蒼穹珈琲の対岸、頭上に見える巨石が「陰陽の石」。
眼下に見える赤い橋。
険道を少し下った左手、奥へと続く参道。
樹々の間から見える滝。
滝川に架かる神橋。
神橋から見る一の滝。
寛永年間の洪水で崩れるまでは、落差10mの大滝だったという。
苔むした木の鳥居。
岩盤の上に覆屋。
「龍神社 龍王宮」本殿。
御祭神は豊玉姫命。
早瀧比咩神社の末社のひとつで、旱魃に悩まされていた村人たちが古くより龍王を祀り雨乞いをしていたと伝わる。
本殿の奥、頭上に大岩。
落ちそうで落ちない「陰陽石。
ありがたや。
根元から分かれた幹に別の幹の枝が途中で結合する現象、連理木が見られる。
この現象は吉兆とされ、「縁結び」「夫婦和合」などの象徴として信仰の対象ともなっている。
地面が滑りやすいので気を付けよう。
参道入口の少し下、今度は右手に看板「天狗の足跡」。
天狗が立ち寄るぐらいだから高くて足元不安定。
昔昔、天狗が上三条の大峰山から下三条の石鎚山に下る途中、ここに立ち寄り岩の上で絶景に見とれて降りるのを忘れていつまでも眺め続けていたという。
ボク、高いところ苦手やぞ。
ここからさらに下ると二の滝・三の滝がある。
公園内で一番落差のある二の滝は、安永元年の洪水で崩れ以前の3分の1の落差になったという。
巨石ゴロゴロでよく分からない・・・
三ノ滝は作庭の技法にされた「水分け石」があり水量によって大きく流れが二つに分かれる。
また、滝壺の畔で水遊びもできる。
たぶんこれ・・・?
終戦後までここの周辺には、高低差を利用した水車が8基あり、精米と穀物類を挽いていた。
住居と水車を支える石垣がほぼ完全な形で遺っているというが・・・
確認するのはかなりタイヘン・・・
滑って転ぶと大怪我するよ・・・
足元注意。
山腹でほほ笑む巨石。
右が恵比寿石、左が大黒石。
そういわれれば見える気がする・・・
この先にも樫の連理木。
結合部は地面から離れた場所が多いが、この木は地面の近くで結合。また、山中で見られることはあるが、道沿いで見られるのは珍しい。
「縁結び」や「夫婦和合」などの象徴として信仰の対象となりこともある。
ありがたや。
そして谷底、早瀧比咩神社。
ここにも「龍」と名の付く巨石あり。
それは次回。
◆概要
名称:龍王宮
鎮座地:岡山県玉野市滝
御祭神:豊玉姫命
境内社:
祭礼日:7月3日
創建:701(大宝元)年※社伝
ホームページ:
駐車場:無
●アクセス
鉄道:JR西日本瀬戸大橋線上の町駅下車約6.3km徒歩90分
バス:JR西日本山陽本線岡山駅下車両備バス [537]岡山駅旭橋線宇野駅前行乗車50分北長尾下車1.7km徒歩24分|両備バス [535]岡山駅渋川線渋川三丁目行乗車50分北長尾下車1.7km徒歩24分
自動車:瀬戸中央自動車道水島ICより岡山県道62号玉野福田線経由約11km15分