2024(令和6)年は辰年ということで「龍」にまつわる場所を紹介する第3弾。

 

本四備讃線(瀬戸大橋線)児島駅は、岡山県側の最南端駅でJR西日本とJR四国の境界駅。

 

 

駅アーケードにぶら下がるジーンズ。

 

 

倉敷市児島は国産ジーンズの発祥地。

 

 

児島駅西口から児島公園へと通じる道にはレンガ風のブロックが敷かれ、その中央部分に児島の民話9話、12面の絵を焼き付けた陶板が点々と配置されている。

 

 

それは「児島民話通り」と名付けられている。

 

 

駅寄りから「七人の王子」「鴻ものがたり」「彦九郎の樽流し」「太閤の二つ岩」「由加の鬼塚」「金浜の伝説」「幽霊船」「くすみの哀話」「金の竜と青い竜」。番外として最後に「宝船」が敷かれている。

 


絵陶板が設置されたのは1987(昭和62)年9月。

 

 

また、民話の碑9基は、翌1988(昭和63)年3月「瀬戸大橋博88岡山」の開幕前に絵陶板傍に設置された。

 

 

その中で龍にまつわる話が「金の竜と青い竜」。

 

 

金の竜と青い竜

 昔々、竜王山に住んでいた青い竜が、度々児島の村々を荒らし回ったので、村の人々は、東の大槌島の神に助けを求めた。

 金の槌をもつ大槌島の神は、金の竜に変身し青い竜と瀬戸内海上で激しい戦いとなった。

 黒雲が渦まき雷光は天を走り、大嵐の中、火を吹き、水をはなち、尾は水面を打ち、戦ったが、金の竜はじりじりと追いつめられ、島にかくれた。いきおいを得た青い竜は、島を十重二十重にぐるぐると巻き、締めつけた。突然、島がぐんぐん膨張し、ついに爆発して、青い竜はバラバラとなって飛び散って行った。

 青い竜の目玉は、竜王山に当たって砕け、水晶となり、今でも時々みつけることが出来る。

 又、竜の体は、島々となったり、骨は海中から引き上げられ、下津井の漁師さんなどこれを削って薬としたそうである。

 又、大槌島には金の槌がどこかにあるということである。

 

以上、碑文全文転載。

 

 

民話通りの正面に聳える「龍王山」が青い竜が住んでいたと伝わる山。

 

 

登山口はいくつかあるが、一番分かりやすいのは「朝日山 観世音菩薩」の参道口。

 

 

そこまでは児島駅から1.5km、徒歩約25分。自動車だと約6分の道のりだが、経路が分かりにくい上に道幅が狭いため要注意。

 

参道口から観音堂までは5分程度で登れる。

 

 

ここでひと息。

 

そしてこの景色。

 

 

児島市街から瀬戸内海、対岸の四国までを一望。

 

 

円錐形のおにぎりのような島は、金の竜に変身した神が住むという大槌島。

 

 

「労少なくして益多し」

 

 

知る人ぞ知る絶景スポット。

 

ここから龍王山頂上まではちんたら登れば25分、キリキリ登れば20分ほどの道のり。

 

ただし、登るルートを違えば少々の苦難を得ることになるかもしれない。

 

堂宇から右回りで登れば道幅が広くて傾斜も比較的緩やか。

 

 

観音岩も見られる。

 

 

堂宇の左に回り込むと狭隘で急な階段、夏場だと茫々の草がお出迎え。

 

 

少し先で右ルートと合流するため大した距離ではないが、ちょっとしたサバイバル。

 

 

登山道は所々岩石が露呈した苦難の道だが、当山を一周するように設定された「西國三十三箇所観世音菩薩霊場」。

 

 

要所要所に石仏が配置されているので、それを巡りながら登れば苦にならない。

 

 

この尾根を越えれば頂上までは8分ほど。

 

 

道程はほぼ樹木に覆われているが、山頂との中間あたりに枝打ちされた展望所が設けられており、ひと息つける。

 

 

遥か眼下に瀬戸大橋線が見える。

 

 

乗換や待ち合わせなど、当駅の発着する時間が集中するので、タイミングが合えば短時間で多種多様列車を見ることが出来る。

 

 

登って、

 

 

登って、

 

 

登り切って、

 

 

樹々のトンネルを抜けると、

 

 

頂上だった。

 

龍王宮の石鳥居。

 

 

龍王宮の石碑。

 

 

さて、本当の頂上はもう少し先。

 

 

一旦下って、また登る。

 

 

ここからも絶景。

 

 

手すりなどない吹きっさらしの岩の上、絶景だが高いところは苦手なので腰は引けたまま・・・

 

 

鷲羽山。

 

 

瀬戸大橋。

 

 

隠れ石仏。

 

 

緑のトンネルの先に・・・

 

 

隠れて鎮座する山の主「龍王岩」。

 

 

隠れ絶景スポット。

 

 

眼下に瀬戸中央自動車道、その向こうに浮かぶ四つの島が濃地諸島。北(画像右側)からイサロ濃地島、細濃地島、太濃地島、上濃地島

 

 

濃地諸島の向こうに見える小さな島々、北(画像右)から大杓島、小杓島、大柄杓島、小柄杓島、水島灘の四つ子島。

 

 

この水島灘での源平合戦で敗れ無念の死を遂げた武者の霊が夜になると水底から「柄杓を貸せ…柄杓を貸せ…」という声を発するという。その声に従って柄杓海に投げ込むと、たちまち柄杓を持った何百、何千の手が現れて船を沈めるという。

 

 

水島工業地帯のコーンビナートも見える。

 

 

そして最終目的地、観音堂からおよそ30分、三角点に到達。

 

 

「二党三角点 龍王山 209.5m」

 

 

ここまでで山を3分の1周ほど、この先の道のりは長い。

 

Uターンして帰ろ。

 

 

下って、下って、帰りは早い。

 

観音堂まで約10分。

 

 

石仏に奇岩に鉄道に絶景。お弁当と飲み物を持って、児島駅から3時間もあれば行って寛いで余裕で帰って来られるお気軽ハイキングコース。地元の人にもあまり知られていない絶景スポット「児島龍王山」。

 

◆概要

名称:龍王宮

鎮座地:岡山県倉敷市児島味野山田町

御祭神:

境内社:

祭礼日:

創建:

ホームページ:

駐車場:5~6台

●登山道までのアクセス

鉄道:JR西日本瀬戸大橋線児島駅下車約1.5km徒歩25分

バス:JR西日本山陽本線児島駅下車下電バス [51]塩生線もしくは[55]古城池線倉敷駅行乗車4分味野元町下車0.7km徒歩10分

自動車:瀬戸中央自動車道児島ICより約2.8km約7分