だいぶ前のことなんですが、それまで実家の居間にあった壁掛け時計が壊れました。壊れたというより、ついに寿命がきた・・・って感じかな。

止まっているのならすぐに気づくのですが、なまじ動いているものだから、つい騙されちゃうんですよね、時計に(笑)

それも、たいてい遅れている幅が2,3時間。ビミョーです。

ちょっと何かに夢中になっているとわからない。それでいて遅れに気づくと物凄く焦っちゃう。

 

両親に

「この時計、遅れてるよ」

と言っても

「そうなんだよね~」

と言うだけ。

 

電池を変えてみてもダメでした。

父に「もう修理もできないから、買い換えようよ。」と何度も言ったのですが、父は「そうだなぁ~」と言いつつも諦めきれない様子。

また、壁にかかっているとこの時計の差している時刻を信じてしまうので壁から降ろして、代わりに調子よく動いている置時計を食卓の上に置き、「これを見てね」と言っておいても、いつの間にか壁には下ろしたはずの壁掛け時計が復活している・・・ということも何回かありました。

 

一度などはこれまたおそらく自分たちの結婚前から使っていると思われるリュックサックに時計を入れ、「修理に行く」と最寄り駅にある時計屋さんに出かけてしまいました。

しかし、父が行くと言っていた時計屋さんはもうすでになく、このお店がなければ諦めて帰ってくるかと思って実家で待っていました。が、すんなりいけば1時間もあれば帰って来られるはずなのに3時間経っても来ません。もしや迷子になった?と心配になり駅まで捜索に出る羽目になりました。

結局、父は私とは入れ違いに実家に戻っていましたが・・・

 

なぜ父がそこまでこの時計に執着したか・・・

父が言うには、Sさん(母の二番目の姉のT伯母のダンナさん)から結婚祝いにもらったものだそうなんです。

話のニュアンスから「結婚祝い」というのは自分たちの結婚祝いのようです。

が!!父と母が結婚したのって1960年です。

その頃に、電池式の壁掛け時計って、ありえません。

私の記憶では、私や妹が結婚して実家を出るかなり前からこの時計は壁にかかっていたと思われるので、おそらく、今の実家に引っ越した時のお祝いじゃないかと思うのですが、それでも1974年です。

 

今の実家に引っ越してじきの頃からあったと記憶しているので、40年以上使っているはずです。

「もう修理もできないから、買い換えよう」

と何度も説得を試みたのですが、聞いてはもらえず、仕方がないので新品を押し付ける作戦に出たわけです。

 

このとんでもなく長持ちした時計、父はとても愛着を感じているようなので、

「新しい時計に買い替えても、この時計(古い方の時計)は記念に大事にとっておけばいいじゃない?」

と言ってみたら、

「そうだなぁ~。そうするか。」

と意外なくらいにあっさりOK。

ついでに

「こんなに長く使ってたから、きっとSさんも買い換えたのを納得してくれるし、よかったなって思ってくれるよ。」

と付け加えておきました。ちなみにSさん、3年ほど前に亡くなっています。

 

で、次なる段階。

購入する時計の選択。

 

①文字盤が見やすいのはいうまでもないこと。

 

②に実家に行くと、両親にわずかな滞在時間の間に何十回も

「今日は何日?」

とか

「今日は何曜日?」

などと聞かれます。

私がいない時でも、両親が日付や曜日で悩まなくてもいいように、カレンダー機能は必須かと・・・

 

③電波時計

少しでも両親に手間を掛けさせないように・・・。

 

④そのほかの機能はいらない

あっても使いこなせませんから・・・

 

時計屋さんでカタログをもらい、その基準でいくつか選び、その中から父に選んでもらおうとしました。母は最初から父や私に丸投げでした。

が、いくつかの中から選ぶという事さえも、父には大変な様子。

なので、私が勝手に選び、届けちゃいました。

それも、たまたま日にちが近かったので、父の卒寿祝いとして、妹と連名の熨斗紙までつけちゃいました。

 

これで、一連の時計騒動は収束するか・・・な?