昨日、私の実家マンションが売却され他人名義となりました。
事実上、実家がなくなったのです。
私は高校から親元を離れました。
両親と一緒に過ごした時間は15年。
離れて暮らした時間のほうがあっと的に長いのですが、
両親が住む家、実家に帰れるが当たり前になっていました。
一年前に母が急死し、当たり前が一つなくなりました。
私と似ていた母とは電話で口げんかばかりでしたが、
いつでも話せる・会えるが亡くなりました。
その後、父は急激に衰え、そして癌を発症し手術。
すっかり気が弱くなり昨年12月に介護施設に入りました。
その時点で、実家は空っぽになりました。
母の一回忌の後、初めて母の遺品整理をして、
改めて母はいなくなったのだなと実感し、
この家もいつまであるのだろうという不安が生まれました。
父が老後の資金のことで子供に迷惑をかけたくないと弟に相談し、
実家のマンション売却の話が進んでいきました。
売却するという話は聴いていましたが、
1月末に売却が決まったと聞いて、
あまりに突然で呆然としていた私がいました。
札幌にあった実家は、家族の中で私が最初に住んだ場所です。
高校入学で親元を離れ、札幌のマンションで暮らし始めました。
近所にいる親戚のおばさんのお世話になりながら高校生活を過ごし、
大学生のときは高校生になった弟と二人暮らしでした。
売却が決まって、もう、あの家に帰れないと実感すると
涙があふれ止まりませんでした。
母がなくなった時より、正直、喪失感がありました。
売却する日までに実家に戻りたい。
しかし、仕事と体調不良で、もう一度実家に帰ることは実現しませんでした。
私のような年齢(58歳)になると、
親を亡くす、実家がなくなるということは
しょうがないことなのかもしれません。
夫は時の流れだよと私に言いました。
誰しも実家がなくなるのは逃れようのない事です。
誰しも年を重ね、老いていきます。
様々な経験をし得るものもあれば、失っていくものも増えていきます。
悲しみが一つ増えても
喜びを一つ見付けられるよう
年を重ねていきたいものです。