リリーッス!サオリリスです。
その結果、数人がつられて『龍馬伝』を観はじめました。そして集まっては『龍馬伝』の話で盛り上がるのです。Huluには大変感謝しています。
私たちの中では、龍馬よりも弥太郎が人気です。弥太郎は三菱の創始者で、元は下士で身分は低く、とても貧しい家庭に生まれました。そのことを悔しく思い、商売で金儲け、大儲けすることを目指します。
『龍馬伝』は、この弥太郎が語り部となり物語が進みます。なので、弥太郎のエピソードもたくさん登場するわけです。
弥太郎は龍馬のような天才ではありませんでした。龍馬と自分を対比し、自覚し、龍馬に嫉妬しました。自分も大きなことをしたい、龍馬に勝ちたいと願うのに、なかなからうまくいかず、苦労しました。
弥太郎の人生はとても泥臭さく、全くスマートではないのです。龍馬亡き後、年号が明治に変わり、弥太郎の三菱は、弥太郎の目指した通り、大会社になるのです。三菱のマークには、そんな弥太郎の人生の歴史と想いが込められているそうです。
というような話(あくまで『龍馬伝』の弥太郎は…で、実際は龍馬に嫉妬心を抱いたりしなかったとか、そもそも龍馬については謎が多い)を、夜な夜なバーでしたりします。
今現在『龍馬伝』についてここまでの情熱を持っている人は、私たち以外にいるのでしょうか?いや、いないでしょう。
しかし『龍馬伝』は終わりました。とっくの昔ですけど、終わったのです。そして、私たちも勢いよく全話を観終えてしまいました。
今は、龍馬ロスで心わびしく、『龍馬伝』にかわる何かを探し求めているところです。ブレイキングバッドも、ハウスオブカードも、『龍馬伝』の面白さには敵わないので、気持ちが続きません。
それでも私には観はじめたものがあります。『ゲゲゲの女房』です。これもまた5年前の朝の連続ドラマシリーズ。映画版だけ観ていたんですが、Huluで全話配信されているのを機に、観はじめたのです。
水木しげるの奥様の自伝が原作で、奥様の幼少期から水木しげるとの見合い、その後の結婚生活をドラマ化したものです。
水木しげる役の向井理、奥様役の松下奈緒も、本人に比べると美男美女すぎるけど、観てるうちに気にならなくなるもんです。妖怪がアニメーションになって実写と混じったりして楽しいし、何より、水木しげると奥様のエピソード自体が、とても愉快です。
『龍馬伝』のような緊張感あるおもしろさ、続きが気になって仕方ないおもしろさとは違うけど、『ゲゲゲの女房』はこれはこれで、ほのぼのとしておかしくて思わず笑みがこぼれるような、おもしろさがあります。
というような話を、『龍馬伝』ロスのTにしました。『龍馬伝』ロスは想像以上にさみしいので、とにかく救ってあげないと、協力していかないと、たまらないのです。
T「最近何か観てます?」
私「ゲゲゲの女房観てるよー」
T「おもしろいですか?」
私「おもしろいよ。水木しげる、おもしろいし」
T「どんな感じっすか?」
私「(上記したようなことを散々話す)~だよ」
T「へ~え…」
Tは『龍馬伝』ロスを相当こじらせているようで、私がいくら『ゲゲゲの女房』がおもしろいと話をしても関心を持とうとしません。
「でも、どうせ『龍馬伝』の方がおもしろいでしょ?」という空気を放ってきます。でも、その気持ち、痛いくらいにわかってしまうのです。
私「へ~えって…」
T「それ、どんな気持ちで観るんですか?」
"それ、どんな気持ちで観るんですか?"!?
私「ど、どんなって…」
T「どんな気持ちですか?」
私「どんなって…どんなだろう…」
少し考えて、「ボーと観るのにいいよ…」と言いました。Tはきっと、『ゲゲゲの女房』を観ることはないと思います。ちなみにあの日から私も、『ゲゲゲの女房』を観てません。
こんな私たちの心の穴を、どうか誰か埋めてやってください。お願いします。