東野圭吾さんの新作。
マスカレード=仮面舞踏会。
劇団四季が好きだとすぐにオペラ座の怪人を連想してしまいますが、何の関係もありません。
ですが、言葉の響きが素敵なので目をひくなあ、と思わず買ってしまいました。
装丁もなかなか素敵です。
以前から好きでよく読んでいる作家さんの一人ですが、ハードカバーを買うのは2冊に1冊ぐらいの割合でしょうか。
最近の東野さんの作品は映像化されることを非常に念頭においていらっしゃるな、という感じがします。
ただ、個人的には映像化された作品はあまり好きではありません。
先に原作を読んでいるので自分で作った登場人物と演じる俳優さんのイメージのズレが気になるのは原作のあるドラマ・映画についてまわる問題で、やむを得ないですが、一番気になるのは毎回おきまりの見せ場をつくるためにキャラクターに特異な色づけをしようとすること。もっと自然にさらっと観たいです。
それは別の好きな作家さん、横山秀夫さんの原作ドラマでもそうでした。
十分にストーリーだけで引っ張れる力があるのに登場人物に色を付けすぎるというか・・・
キャラが変わっちゃってますよ・・・という残念感。
この間放送された宮部みゆきさん原作の単発ドラマもたまたま家族がみていたのを一緒に見てしまいました。。
こちらは時代にあわせるためかストーリーが改変されていて、それも気になってしまいました。
見なきゃいいのに、作家さんが好きだからつい気になる。そして出てる役者さんが好きだったりすると余計気になる。で、観て失敗したと思う・・・を繰り返しです。
なるべく、原作の小説を読んだら映像には手を出さないでおこうと毎回思うのですが。
このマスカレード・ホテル。シリーズ化、映像化する気満々に感じました。
キャラクターの描き方、ストーリー展開、エピソードの盛り込み方。
数ヶ月後にはドラマ化!!という帯がついていそうな感じです。
個人的にはあっさりめに感じました。
読みやすい、読み進めやすい。でももっとガツンとくるものが欲しい、そんな読後感です。
気楽に読むには面白いと思います。
内容が重く、読み進めながら涙がとまらなかったり、登場人物にいらだったりすることもありましたが、秘密、殺人の門、さまよう刃のようなずっしりしたものがまた読みたいなと思いました。