Sun Life香港ILAS新商品「SunArchitect105」 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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アジアス(ageas)香港の新商品「Oscar」について少し書きましたが、サンライフ香港からも同様にILAS(Investment Linked Assurance Scheme)商品で2014年いっぱいで打ち切りになっていたSunAchiever(サン・アチ-バー)の代替となるSunArchitect(サン・アーキテクト)とが上市されています。

旧商品SunAchiever(サン・アチ-バー)に関しては2013年の2月に投稿した記事を参考にしてください。
http://ameblo.jp/saruahi/entry-11473121617.html


さて、この新商品SunArchitect(サン・アーキテクト)ですが、Architect(アーキテクト)=建築・設計という名の通り、長期の積み立てをしながら資産のポートフォリオを構築していく目的のセービングプランです。

発音はアーチテクトではなくアーキテクトですのでご注意を。

基本構造は、廃版となったサン・アチーバーと同じですが、保険部分が1%ではなく5%になっているので101ではなく、105と呼ばれます。

業法的には香港のHKSARが規制管轄の商品となります。

もちろん証券の発行地は香港で、契約は香港現地でのみ可能。

そこはアジアスのオスカーと同じです。

5%の保険部分があるということは、被保険者=証券保有者が死亡したときには、指定した受取人がその時の時価総額の105%を死亡保険金として受け取ることが可能だということです。

もし、その時の時価総額が[支払総額]-[一部引出額]を下回っている場合には、大きいほうの金額が支払われます。

101では明確になっていなかった生命保険料部分の計算式と費用も明確に表わされています。

その部分も、101と比べると大きな違いです。

もともとサン・アチーバーは共有名義の設定ができませんでしたが、サン・アーキテクトでも共有名義は不可のようです。

サン・アチーバーの時と変わりませんが、最大US62,500ドルのAccidental Death Benefit(事故による死亡時の保障)が付いています。

積み立て期間は5年~25年。

最低積立金額は、積み立て期間が5年~14年までは、US2,400ドル/年。 

15年~25年までは、US1,200ドルとなっていますが、IFAによっては期間に関わらずUS500ドル/月以上という条件が付く場合もあるでしょう。

アジアスと比較すると、サンライフの商品は、サン・アチーバーの時から時価総額に対してではなく、積立額に対して定率の手数料をチャージする方式でしたが、今回も同じような方式です。

サン・アチーバーでは、積み立て契約期間によって最大27か月まで変動する初期ユニット(MCP)の積み立て元本額に対して年4%の手数料が契約期間中発生するというものでしたが、今回のサン・アーキテクトでは、契約期間によって異なる%のAdministration Chargeが契約時の年払いの元本金額に対して、最大12年にわたって発生するというものです。

これは、ちょっと他の商品と異なるのでわかりにくいかもしれませんが、結論としては契約期間が短いほどに、そして運用成績が良いほどに、手数料の負担率は極めて低くなると考えられます。

最初に契約した年間支払額に対してかかる手数料は以下のようになっています。

【積立期間】   

   5年  5%年
6-10年  6%年
11-15年  8%年 
16-20年 10%年
21-25年 12%年


この12分の1が、毎月支払う積立額から差し引かれてファンドに投資されると考えてください。

つまり、25年契約で12%ということは、月1%が積み立て契約額に対して、積み立ていようが停止していようがファンドのバリューから相殺されてかかるということです。

そして、それがチャージされる期間は以下のようになっています。
10年までの契約では契約期間中ずっとかかるが、それより長い積立契約をしても12年以降はかからないということです。


【積立期間】 【チャージ期間】
    
    5年   5年
    6年   6年
    7年   7年
    8年   8年
    9年   9年
10-21年  10年
22-23年  11年
24-25年  12年


上記のチャージ期間は、早期解約ペナルティーが発生する期間でもあります。

早期解約のペナルティーは、初期ユニットの時価総額に対してかかるのが一般的ですが、サンライフのサン・アーキテクトでは、契約時の年払い金額の元本に対してかかる構造です。

契約期間に応じたペナルティー率の表は煩雑なのでここでは割愛しますが、総じて初期ユニットの時価総額に対してかかるペナルティーよりも緩いと考えられます。

特に、契約期間が短いほどに早期解約のペナルティーの少なさが際立ちます。


ほとんどの同類商品(セービングプラン)において、手数料を徴収するための人質になっている初期ユニットは(MCP)はサン・アーキテクトにおいても存在しますが、手数料徴収の母数とはなっていません。

まず、初期ユニット期間(MCP)ですが、以下のようになっています。

【契約期間】  【MCP】
    5年  15ヶ月
 6-10年  18ヶ月
11-15年  24か月
16-20年  30か月
21-25年  36か月

やはり、25年積立だと36ヶ月の初期ユニット期間(MCP)になってしまいます。

手数料の算出母数ではないこのMCP期間は、以下のことができません。

*積立額の変更
*積立サイクルの変更
*積立の停止
*引出し

このあたりを見ても、アジアスの新商品オスカーと同じく、長期積立を推奨しない方向性というのが露骨に見えます。

その他、サン・アチーバーから変わっていませんが、ミラーファンドに内包されるファンドの管理手数料が、MMFで0.5%、その他で1%年間かかりますが表面上はミラーファンドの価格に反映されているためわかりません。

サン・アチーバーでは月US5ドルだったポリシーフィーは月US6ドルになっています。

ボーナスについては、初期ボーナスやロイヤリティーボーナスがありますが、商品の本質とはあまり関係がないので割愛させてもらいます。