7/1は、映画ファンには待ちに待った映画が公開なのではないでしょうか?


ここ最近、よく映画解説でお邪魔しているTBS「ひるおび」生放送でも

『エルヴィス』の素晴らしさを語りましたが

一等星のような輝きを放つオースティン・バトラーが

エルヴィス・プレスリーに扮し、ショービジネスの光と影に

命を削られたスターの半生を描いた傑作が公開中です。


記事も書いたので是非に。


そして

アカデミー賞ノミネートの頃から、めざましテレビでも語って

注目していた『ドライブ・マイ・カー』の国際長編映画賞の対抗馬だった

『わたしは最悪。』


大傑作で好きで色々と書いてあります。


女性はもちろん、男性にも是非、観て欲しい。


この作家性と映画からのメッセージを読み取ってほしい。

水先案内人伊藤 さとりがセレクト いま、最高の一本 わたしは最悪。
第94回アカデミー賞で『ドライブ・マイ・カー』と国際長編映画賞と脚本賞を競ったヨアキム・トリアーのオリジナル脚本による映画。カンヌ国際映画祭で女優賞(レナーテ・レインスヴェ)を受賞したのは納得の作家性が光る一本。男女平等を願う社会の中で、男性監督のヨアキム・トリアーがひとりの女性の仕事を通しての自分探しに着目し、家庭に収まるのではなく仕事で成功することや、性への解放を描いた脚本は、節々に「人生の主人公になる日」を夢見る人間の本質を描いていた。結婚とはなんなのか。人生を輝かせることは自分勝手なことなのか。子供を持つことが人生の幸せなのか。性別問わず誰にでも当てはまる、自分らしく生きようとする中で誰かと生きることで生じる摩擦。秀逸なセリフの数々と、恋した時の視覚を表現したロマンチシズム溢れる映像。男性主人公であれば当たり前に思える物語も、女性に置き換えることで彼女が奔放に見えるのならば、それはきっと密やかな偏見。そんなことにも気づかされる面白くてセンチメンタルな秀作に酔いしれて。
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さらに

フィリップ・シーモア・ホフマンが好きで

ポール・トーマス・アンダーソン監督を愛する私には

恋しさと青春の痛い輝きを味わった

『リコリス・ピザ』は楽しかった!

水先案内人伊藤 さとりがセレクト いま、最高の一本 リコリス・ピザ
『マグノリア』『ザ・マスター』など、フィリップ・シーモア・ホフマンとも名作を生み出してきたポール・トーマス・アンダーソンが、亡き旧友の息子クーパー・ホフマンとアラナ・ハイムという二人の若者をスクリーンデビューさせ、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされた本作。とにかくこの二人がチャーミングであり、勢いある若さが痛愛おしく、目が離せない。70年代のハリウッドで子役の仕事もしていた高校生ゲイリーと、彼が一目惚れした年上のアラナとの“何者かになるため”への道を描いた青春グラフィティだ。昔も今も「承認欲求」を得るために生きている人間。ただし今と違うのは、ネットの無い70年代で何かを生み出すには、口の上手さと行動力、そして人脈で仕事を得る時代。若い二人が夢を叶えるには大人たちの出会いも必要であり、ベテラン俳優役にショーン・ペン、映画監督役にトム・ウェイツ、映画プロデューサー役にブラッドリー・クーパーとポール・トーマス・アンダーソンだからこそ集められた豪華な顔合わせ。しかも音楽を担当するのは監督作品の常連であり、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『スペンサー ダイアナの決意』も担当したレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。あの頃を音楽で映し出す見事なスコアと、ドアーズの「ピース・フロッグ」や、デヴィッド・ボウイの「火星の生活」他、ビンテージが映画のセンスを良くしている。音楽や映画、ファッションなど、70年代のポップカルチャーが詰まった人間賛歌を堪能して欲しい。
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もちろん、公開中の『ベイビー・ブローカー』も!

水先案内人伊藤 さとりがセレクト いま、最高の一本 ベイビー・ブローカー
今年のカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞をソン・ガンホが受賞し、「内面を描いた作品」を表彰するエキュメニカル賞を受賞した是枝裕和監督。『万引き家族』でパルムドールを2018年に取り、今回でカンヌ国際映画祭コンペティション部門6度目、他部門も入れると8度目で再びの評価。初の韓国映画で作り上げたオリジナル脚本には、名優ソン・ガンホを始め、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナ他、豪華な顔ぶれが出演。物語は、『誰も知らない』のネグレクトを受けた子どもが親になった時にぶつかる子育ての壁、『そして父になる』のように赤ちゃんが育つ環境により幸せは違うのか?というテーマであり、『万引き家族』のように貧困問題を描いていた。熱量のある演技をする韓国俳優たちにより、是枝作品が今まで以上にエモーショナルなものへと進化。カンヌ映画祭、最近の特徴でもある格差社会もしっかり見据えて社会に問う作品に。しかも今までは観客に「この問題をどう思う?」と投げかけるエンディングだったのが、希望を描くスタイルになっているのが最大の変化。より感情を揺さぶりつつ観客を笑顔にさせ、優しい涙を誘う傑作が誕生。
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それと、来日時、私が俳優、是枝裕和監督を

ナビゲートしたLINELIVE生配信

アーカイブで見られます。


短い時間でバタバタでしたが

ソン・ガンホさんも、カン・ドンウォンさんも

IUことイ・ジウンさんも

イ・ジュヨンさんも素晴らしくステキでした!


追伸。


あの残虐なゴア描写がすんごいホラー『コクヒ』が

満席状態だと聞き、びっくり仰天!


私も書いたけど(苦笑)


映画がやたらと面白い夏です。

水先案内人伊藤 さとりがセレクト いま、最高の一本 哭悲/THE SADNESS
ゾンビ映画は全世界共通、ホラーファンのハートを掴む。いわゆるジャンルものでありながら、「走るゾンビ」「感情を持つゾンビ」と進化を遂げている。しかも『バイオハザード』シリーズのヒットにより、ウイルスによってゾンビ化するという定説がコロナ禍でさらに恐怖心を煽る結果を招いているのかもしれない。本作は台湾映画でありながら、監督はカナダ人のロブ・ジャバズ。パジャマ姿の老婆が血に濡れた口を大きく開くビジュアル、イケメン俳優がバイクでゾンビ化した街を滑走しながら愛する恋人を探すロマンスありと、ゾンビ映画と青春恋愛映画が融合されたと思いきや、人間のエゴが剥き出しとなった残虐極まりない行動心理まで描かれているのだからこの監督、タダモノではない。ストレス社会の現代で、人間が凶暴化するとゾンビになるという発想は意外なのに納得出来、映画が娯楽としてだけでなく、人間への戒めとして製作されたことを表している。これもまた社会派エンタテインメントと言えるだろう。
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