『川っぺりムコリッタ』を手伝うことになり、
ドキドキしたシーンも含め、
もう一度観ることにした。

それ以外は全部ステキなのに、
たった一ヶ所のセリフ、
私のトラウマが邪魔をする。

そしてそのシーンを観た時、気づいた。
あらかじめこんなシーンがあると分かっていると大丈夫だった。

ムロさん演じる男が年老いたら父はあんな感じ。
そしてあそこで暮らしたように思える。
もっと偏屈でもっと無礼だろうけど。

死の淵を覗いてしまう人に会ったり話したりした時の
静かな表情を今も思い出す。

映画はそんな黄泉の世界の手前みたいな穏やかな作品。

嘘みたいな話をすると、
死んだ父が夢枕に立って黄泉の国を案内してくれたことがある。

父は大きな門をくぐった入り口付近の平家に住んでいて
がらんとした畳の部屋から現世を眺めているという。
良い行いをした人達はもっと奥の建物に住んでいて、
自分は門の入り口の砂利掃除が仕事だと笑った。
レレレのおじさんみたいな木の箒を見せてくれた。
お寺みたいなところだった。

だから私は死後が怖くない、不思議と。