さて、怒涛のエジプト旅も残り数日、となりました!

混沌としたカイロでマフムッドやマンフレッド(双子の如し)、
そして偽妊婦まで登場した前回のブログですが、
気を取り直して、
多少はカイロの文化を感じていただこうと思います(笑)。

カイロに戻って二日目、さて、何をしよう…。
すると、マフムッドが
「スーフィーの旋回舞踏は見たことあるかい?」と。

スーフィーって何? 

と思う方も多いと思うので、簡単に説明しますと、
トルコを主として、イスラム圏で男性たちがグルグルと廻り続ける旋回舞踏です。

トルコでは、真っ白な衣装に身を包み、
神聖かつ厳かな雰囲気でクルクルとひたすら廻ります。


トルコにいた頃にコンヤで見たスーフィー。白装束の親父さんたち
が永遠に回転!! 場面転換がないため、眠くなります(-_-;)

コンヤのセマー2

コンヤセマー

トルココンヤセマー


セマーゼンという位の高い方ともツーショット!(トルコにて)

トルコのスーフィー


イスラム神秘主義、スーフィー教とも呼ばれていますが、
基本的にいわゆる現代のイスラム教とは異なる
独自の教義を持っていて、
自らが旋回し、我欲を無くし、宇宙や大地、森羅万象すべてと
「合一」をはかることを目的にしているそうな。

「自らが体験することで我執を消し、
この宇宙と一体感を得る」


簡単に言えば、これです!!

え? 全然簡単じゃない?


要は、

「体験至上主義」

「知識より体験」

「とにかく廻れ!

廻れば悟れる(笑)」

なのです。


彼らに以前取材したことがあるのですが、
回転することで一種のトランス状態になるらしく、
まったく疲れないし、辛くないそうな。

基本は女人禁制ですが、ごく一部の団体では女子もOKだとか。

まぁ、やりたいか、と聞かれれば、

「いや~、それほどでも。
山田部長、お先にどうぞ!!」


となるかもしれませんが(笑)。

それに、未来永劫グルグル廻っていると、
三半規管にかなりのダメージがきそうです(-_-;)

おっと、マフムッドに聞かれたときに時間の針を力づくで戻します。

「もっちろん、スーフィーを知らないわけがないやんか! 
わてが昔どこに住んでいたと思っているんだね。
スーフィーのお膝元、トルコにいたんだから」
…と豪語してしまいました。
(後でエジプトのそれとは大きく異なることを知る)

過去、トルコに滞在していた私はイスタンブルや
コンヤでもスーフィーの旋回舞踏を生で見ていますが、
いや~、すぐに飽きて眠くなる(笑)。

とりわけ、コンヤはスーフィーの聖地というか、
総本山的場所のため、かなり真面目にセマーゼン(踊り手)たちが
セマー(=スーフィー)を行っています。

今でも文化センターなどに行けば、
無料(当時は無料でしたが、今は要確認!)で本格的な
旋回舞踏を鑑賞することが出来ますので、
ご興味あれば是非!!

さらに脱線大魔王として追記すると、
コンヤには1メートルを超えるとんでもない長さのピザがあります(笑)。
トルコ語ではピデというけど、相当衝撃的なので、
一度はお試しあれ(^o^)/
しかし、一人旅にはTOO MUCHなボリュームなので、
その辺をブラブラしている暇そうなトルコ人と
一緒に食べるとよいでしょう(笑)。

ちなみに、スーフィー(セマー)は、
日本でも「神聖舞踏」として知られていますが、
実際は舞踏でなく、宇宙と繋がる一種の儀式のようなものです。

このときの私は、「神聖なもの=エンターテイメントに非ず」
と思い込んでいましたが、
エジプトで見事に裏切られることになるとは…。

そう、神聖なものを楽しんではいけない、とは自分が勝手に
そう決めつけていたのです。

しかし、エジプトルールでは、
神聖なものもギャグになってしまうとです(笑)。


「エジプトでもスーフィーの有名なショーがあるんだよ。
ちょうど今夜あるから行こうよ」とマフムッドに誘われ、
毎回行き当たりばったり、ノープランな私たちは無論YES!

そしてその日の夜、ハーン・ハリーリという超巨大な
バザールにあるスルタン・ゴーリーのウィカーラ(隊商宿)へ向かいました。

ここが会場です!

いや~、相当に古い建物で、雰囲気も満点。

しかし、スーフィーなんてお客さんが今でも来るんだろうか、
と内心甘く見ていたのですが、何とまぁ、驚くほどの長蛇の列!!!

それも、よく見ると、ほぼエジプト人(笑)。そして、多少の中国人…。

エジプトのスーフィーをあなどっておった。
めちゃくちゃ大人気らしい。

席も辛うじて見つけましたが、ほぼ満席。

それもエジプト人は身体がデカいし、
女性はスカーフ被って頭が3倍くらい肥大化しているし、
何だか舞台がよく見えません(-_-;)

始まる前から意味不明な盛りあがりを感じ、ちょっとワクワクして
きました。


待ち時間には路地裏でチャイ(エジプト語ではシャイ)。
この雑多で小汚い感じが三度の飯より大好物の私(^o^)/

待ち時間にチャイ


で、いよいよ、始まりました!!!

え~!!! 何これ!!!

トルコのセマー(スーフィー)はとにかく真っ白白助の衣装で、
静寂かつ荘厳。
しかし、エジプトのそれは180度違うのです!!

カイロのダンス

軽快でエキゾチックなアラブミュージックの生演奏が始まり、
皆、ノリノリです(笑)。


そして…、
白装束の凄いオジサン
登場!!


セクシーなおじさん

繊細かつしなやかな動きで
クネクネとジル(金属製のカスタネットみたいな打楽器。
よくベリーダンスで使用するものです)を鳴らしながら、
華麗なステップを踏んでいきます。

セクシーダンス

おぉ~、凄すぎる。この動き。

中途半端なベリーダンサーなんて目じゃありませぬ(笑)。

ダンサーよりも官能的かつ女性的。
エロくないのにエロいのです。

この動き…、
現代女性で一体何人が出来るだろうか。


エジプトのオジサンに出来て、
何故、私に出来ないのだろうか…。

どうでもいい反省をしながらも、
グイグイと舞台に惹きこまれていきます。

いやはや、もうこの世で女性の出番はない、くらいの
高等テクニックを見せつけられました。

「動画禁止」(ワイロ渡せばほぼOKのゆるいエジプトでも
ここは本当に動画厳禁で、
チェッカーマンが会場内で目を光らせていた)なので
撮影出来なかったけれど、これは必見です!

もしもカイロに行く用事があれば
(駅前のライフやダイエーで買い物くらいに思っている)、
是非ここにも寄ってみてほしい。

そして次のオジサンが登場です!



サイケデリックな原色のコスチュームが現れ、
いよいよ、メインディッシュ(?)のスーフィータイムです!

えーー? 
これがスーフィー?


絢爛豪華


そう、このオジサンこそ、
AKB48で言えばセンター!


他の親父ダンサーたちを率いる
核弾頭だったのです。


あのトルコでの神妙で厳かな雰囲気は何だったのか?

親父さんたちの回転を見ているうちに自分が眠くなって
催眠状態になるようなあの舞踏がこんなことに?

とにかく、AKBのセンターを張れるだけあって、
オジサンはとんでもないエンターテイナーだったのです。

万華鏡のように色彩が瞬時に変わる百花繚乱の極細美が
舞台を彩り、これでもか、これでもか、
と観客を引き込んでいくのです。

カイロのセマー


さざえさんのエンディングの如し、ぱかっと人間が出てきます(笑)。

カイロスーフィー

カイロスーフィー2

う~ん、これは凄い。完全にマーベラス!!

THE エジプトの
底力をみたり!!


いやはや、楽しすぎるショーでした。

マフムッド、ありがとう!!

マフムッドが言わなかったら、恐らく、
エジプトでスーフィーなんて観なかったと思いますが
(トルコの白装束のイメージが強すぎて)、本当に見てよかった。

親父ダンサーズ全員と写真も撮影したかったのですが、
その日はエジプトのお偉いさん方が鑑賞に来ていたらしく、
一般の客はすぐに外に追い出されてしまいました(笑)。

しかし、マフムッドの顔で、何とか、
AKBセンターのおじ様やらその他の楽団員の兄貴たちと
ツーショットでも写真を撮影することが出来ました!

音楽団の一人と


↓これが核弾頭のメインダンサーのおじ様です!! ええ顔してはります~。
放つオーラも凄かった!! 

セクシーおじさんと3ショット

おっと、ちなみに、マフムッドの本職(何と彼は仕事をしているのです!
ブラブラしている人ではなかったのです)は美術館のキュレーター。

カイロ市内での古代エジプト展とか色々な企画展などの
お仕事を結構やっている人なので、彼がいなかったら
多分オジサンとも撮影出来ていなかったと思われます。

出待ち(笑)しているとオジサンが登場したのですが、
衣装を脱いで普通の私服になっても、何か強烈なオーラを放っておりました!

一角の人間はやはり無意識にオーラが出るんだな、とつくづく。

このオジサン(名前を失念)は実は有名人で、
世界中に招聘されて、このスーフィーダンスを披露しているそうです。

いや~、これは招聘しちゃうわ(笑)。
だって、本当に凄いんです。

まさかの大幅期待値越えを果たした、
エジプトのスーフィーショーを堪能した後、
マフムッドと我々はブラブラと夜のカイロを歩きながら、

「いやー、素晴しかった。ところで、腹減ったよね?」

ということになり、
マフムッドおすすめのショルバ(スープ)を出すレストランへGO!!

↓「やっぱビールがないとねぇ…」というぼやき中!!
酒はなし

チョルバ

やはり、藝術よりも食欲だな…。

煩悩は何にも勝る(笑)。

そのショルバもかなり美味で大満足!!

しっかし、もっと町中で簡単にビールが飲めたらなぁ~(-_-;)

ステラビールというエジプトビールがあるのに、
なかなか町のレストランで見当たらず…。

そして、我々はマフムッドと別れた後、スーパーで
缶ビールを購入し、
あの官能的なオジサンのダンスに思いを馳せながら、
安宿で一杯(笑)。

あ~、エジプトともそろそろお別れです!!

次回のキーワードは
「砂嵐」!!!

最後までエジプトはやってくれます(^o^)/






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