とうとうエジプト滞在もあと2日!
まさに「光陰矢の如し」! 
楽しくワクワクしながらの毎日は、
とんでもないスピードで時間が経ってしまいます。

エジプト版のハイパースペクタクルなスーフィーショー
(前回のブログ参照)を堪能した翌日、
ホテルでささやかな朝食を食べて、
さぁ、今日はどこへ行こうかとガイドブック片手に思案中。

やはり旅人のバイブルは「地球の歩き方」。
しかし、ほとんど熟読せずに
現地で知り合った人たちに誘われるまま、何となく移動するのがスタイル(笑)。
決まっていたら楽しくないものね~。

安宿の朝

おじさん天使のマフムッドは、何とその日は仕事があるらしい!
(あまりにもずっと一緒にいてくれたので
有職者であることを忘れがちなのだが、
彼の仕事は美術館キュレーター。
色々な美術館やギャラリーでどうやら仕事をしているらしく、この日はお仕事!)。

「夜にまた会おうね! 六時に集合!」と赤紙召集(笑顔の圧)を
かけておいたので(←何様だ!)、
本日は夜まで二人で行動です。

で、どこに行ったか?

それは、
マフムッドが熱~く熱~く
おすすめしてくれていた、
エジプト考古学博物館!!


やはり、カイロに来たらエジプト考古学博物館は
見ておかねばいかん…らしいです!!

「ベニスを見て死ね」ではないけれど、
カイロに来てエジプト考古学博物館に行かないのは、
東京に来て、浅草寺やスカイツリーを見ないのと一緒。

でも…、そういう人もいるよね(笑)。
さほど手痛いミスではない…。

が、が、キュレーターのマフムッドが
それほどイチオシな博物館ならば、
とりあえず、行っておこう! 

マフムッド曰く
「内部はとんでもなく広いから、
真面目に一点ずつ見たら一ヶ月では終わらないよ!!」
と…(・・;)

マジすか? そんなに広大なの? 

サハラ砂漠よりも茫漠としているの? 

地平線も見えないほどなの? 

水はあるの? オアシスはどこに?? 

行き倒れになるかも…。

灼熱の渇いた大地で
力尽きたラクダの骨のようになってしまうかも…。

お母さーーーん!!


とまぁ、そんな不安がよぎるくらいに
「HUGE(巨大)!!」
な場所であることを強調され、
やや腰が引ける状態で、いざ、ホテルを出発!

外観がすでに巨大な考古学博物館は、
カイロ市内でもシンボリックな建物なので、ほとんど迷わずに到着。

考古学博物館


エジプトのお家芸。外国人を見ると、ワラワラとエジプト人が押し寄せ、
一緒に撮影会(笑)。しかし、一枚も写真が送られてきた試しがない。
今回は予防線を張って、自分のカメラでも撮影!
彼らが何者かは永遠の謎。

ワラワラとエジプト人の女子が


またもや、博物館内にはハトホルちゃんの石像が! 
相変わらずエレガントな微笑みです~。
博物館内のハトホルちゃん

しかし…、何だろう、この厳戒態勢…。

博物館といえば世界で最も牧歌的かつ平和的かつ
インテリ風な匂いを放つピースフルスポットなはず。

ぶっちゃけ、薬にはなっても毒には一切ならぬ場所。

なのに、博物館の入り口には思い切り装甲車が停まり、
いかつい軍人たちが鷹のような眼をして、
「おんどりゃー」的に周囲に睨みを利かせているのです(・・;)

そういえば、2014年にチュニジアのバルドー博物館で
テロリストによる観光客襲撃事件があったことを思い出しました。
日本人3名を含め、20数名の方の
尊い命が失われました。

数年前にチュニジアに行ったとき、
私もバルドー博物館を訪れましたが、ちょうど一部が改装中で、
ほとんど観光客がおらず奇妙に閑散としていたのが印象的です。

モザイク画の展示では世界有数の素晴らしい博物館ですが、
モザイク壁画中心のためか、巨像がボコボコとたくさん
置いてある空間でないので、
あそこで銃乱射が起こったら、本当に隠れ場所がないだろう…、
と当時、報道を聞いたときにぞっとしました。

本当に毎回毎回思うことですが、いつ、自分が何に巻き込まれても
まったくおかしくありません。

あのとき、
あの国で、
あの場所で、
あの時間帯に、
自分がいる、
という可能性は
いつでも十分にあるのです。


テロや事故、事件のニュースを見るたびに、
心から胸が痛みますが、
世界が平和になるしか
根本的解決法はありません。
本当に世界中を誰もが普通に歩ける日が
来ることを願うばかりです。

…、と、場面を考古学博物館に戻しますが、
何故ゆえ、こんなに軍人やら警官が?

「テロでもあったのだろうか?」
「お偉いさんでも来るのだろうか?」

その理由は不明ですが、確かにその一週間前に
、カイロ市内のタフリール広場とカイロ空港で
同時テロ(テロといっても超規模な爆博物が仕掛けてあり、
二カ所ほぼ同時に爆発した事件。死者はなし)があったのですが、
その関係で厳戒態勢になっていたのかもしれません。

カイロには小規模な暴動や爆発が多いらしく、
地元民はほとんど意に介さない…らしい。
なので、私たちもそれほど神経質になっていなかったのですが、
このいかめしい(イカメシに非ず)軍人たちの集団には
ややビビります。

まぁ、彼らはいることで逆に安全、と思い直し、博物館に入りました。

入口では荷物のX線チェックが
お約束通りに行われたのですが、舐めていました(笑)。
たいていの国では担当者たちはくっちゃべっているか、
チョコバーとかに集中しているため、
ほとんど映像を見ずにスルーなのに、
エジプト人監視員はしっかり見ていた(笑)。

さすがファラオの末裔たち(笑)。 
視力も直観力も鋭いのです。

まぁ、こちらも怪しいブツをカバンに入れていたわけでなく、
カメラ(ビデオカメラとデジカメ)が二台入っていたのですが、
美しく画像に現れてしまいました。

やおら荷物検査をされ、
「このカメラを入り口に預けてからもう一度ここを通れ」
とのこと。

博物館内部はすべて撮影禁止なので、やむなしです。
旦那ちゃんがカメラ2台を持って、
一旦入口の預り所にカメラを預けました。
(ここで最後にまたバクシーシをねだられることになる…)

で、やっと、内部に!!

いやー、確かに巨大! 広すぎる!! 
とんでもなく部屋の数が多い! 
こりゃ、マフムッドの話も頷けます。


しかし…、かなりの数の石像が復元されていて、
「前はこんな顔じゃなかったんじゃないか?」、
「もう少し美しい石像だったのでは?」
という不細工なものになってしまっているのです(-_-;) 

ある意味、
ピカソ級の構図です。


私も図工は苦手ですが、
私の方がカリスマ復元師としてイケルんじゃないか、
と無駄な自信すら湧いてきます。

この先の造作が見たいのよ~、と思うのに、
肩からスッポリ腕がなくなっている石像とか、
残念な感じの像も多々ありますが、
これだけの遺跡を集めただけでもかなりの苦労があったでしょうし、
やはり世界に誇る人類の宝物なのだと感じます。

前にも書きましたが、エジプトは長い歴史の中で、
列強国から色々な宝物を強奪されてきた歴史があります。

トルコのイスタンブルで「どんなもんじゃい、われ!」と飾られている
オベリスク(そんな存在感も今はあまりないけど…)だって、
明らかにヒエログリフが刻まれているし、
どう見ても、エジプトから流れてきた(強奪された?)ものだと思われます(-_-;)

今回の旅で何度も感じたことですが、
エジプト人って積年の恨みじっとりメラメラというタイプでなく、
ナイル川のような雄大な懐を持っている気がします。

「たとえ昔がどんなに偉大でも今が大事(今日のパンが大事?)!!」、
「ケ・セラ・セラ~」といった感じです。

語弊があることを承知で書くと、
乾燥地帯の人は心もザックリ&あっけらかん、
湿度の高い国の人の心はウェット
(良い意味でいうと繊細で情緒的)、という国民性があるかも(・・;) 
本当に超ざっくりした分類ですが…。

本当は、博物館内部も撮影したかったのですが、
いかんせん、カメラ2台を押収されてしまっているので、
一切画像はありません(-_-;)

味気ないブログになってしまってすみませんぬ。

実は、博物館で、例の不思議なドイツ人おじさん、
マンフレッド(マフムッドがカイロ空港で善意から拉致した人物)とばったり遭遇!!

彼は、敢えてカイロ市内のホテルではなく、
ギザのピラミッドの近くのホテルにスティしています。

「もう最高!!! 絶対に今度はギザに泊まるべきだぞ!」

とのこと。

ちなみにマンフレッドと遭遇したのはもう夕暮れ近づく午後3時過ぎ。
私たちは巨大な博物館をほぼすべて見終わって
帰ろうかという時でした。が、マンフレッドはまさかのこれから入場(笑)。

マッハな速度で場内を走り回って、
やっとすべて鑑賞出来るレベルです(笑)。
どうやら、まったく真剣に見る気はなさそうです(-_-;)

とまぁ、マンフレッドとはまたドイツで必ず会えるので、一旦お別れ。

話が逸れて逸れてどうしようもありませんが(笑)、
博物館の見所は何と言ってもツタンカーメン様!! 

この部屋はしっかり特別追加料金なり。
それでもここまで来たら見るべし!
いやぁ~、素晴しい神々しさでございました。

残念ながら、ここも写真NGのため画像はなし(-_-;)

そして、もう一つの見所は、
古代エジプトのファラオたちのミイラ展示室!! 
もちろんこの部屋も追加料金です…。

撮影NGのため、無念の画像なし。

本当に何もなくて、すみません!!

とにかく、展示品の数々は本当に素晴らしかったです!!
これは自分の目で見て五感で味わってもらった方が百倍早い!!

修復されて構図がおかしくなった石像の残念ぶりや、
あまりにも無造作に置かれている貴重な遺跡も含め、内容充実! 

マフムッドの言葉にウソはありませんでした(笑)。
是非、カイロに寄ったときは考古学博物館へGO(^o^)/

さぁ、腹も減ったし一旦帰ろうか、と博物館の出口をくぐった瞬間、
異変に気づきました…。

「ん?? 視界は黄色い!! 
あれだけ眩しかった太陽が
肉眼で見えるのは何故だ??」


そう、エジプトの半端ない強烈な破壊力を持つ太陽が、
肉眼で見てもまったく眩しくないのです!

これはおかしい…。

そして、分りました。

突然の砂嵐!!!!

様子がおかしい砂嵐

↓ 皆既日食状態です(笑)。肉眼で安心して太陽を見られるほどの砂嵐!!
日食メガネいらず!!

太陽が眩しくない奇跡

服やバッグはもちろん、
目の中や口の中にも砂がジャリジャリと
急襲攻撃をかけてきます(-_-;)


中国の黄砂を凌駕する、
エジプトのパンチある砂嵐!!


砂まみれな風景


しかし、ひるんではいられない。
とにかく安宿まで急いで帰らねばいけませぬ。

決死の想いでパーカーのフードをかぶり、
出来る限りの防御をして、街へ繰り出しました。

さすがのカイロっ子もこの砂嵐の襲撃には参っている様子で、
皆足早に、背中をまるめ、道を急いでいます。

いやぁ、参ったのズ


街中もゴミだらけ!! あれ? これはいつものとおりか(笑)。
砂嵐&強風の影響か、
日常の風景か、
だんだん分らなくなりました(-_-;)
街中もごみだらけ


しかし、
藝術に触れた後でも、やはり煩悩は強し!!!

砂嵐にまみれながら、開いている食堂を見つけ、
遅めのランチをしっかり取ることを忘れなかったのは
言うまでもありません(笑)。








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