その昔、女性誌の編集をしていたころ、占い師の先生方にお世話になった。
そんななかでも、オフィスが永田町にあり、政財界のトップの方々をクライアントにされているという業界ではご高名な占い師の方もいらっしゃった。

アメリカでは政治家に専属の占星術師がいるらしいが、大昔は中国だって日本だって、戦さには占いがつきものだったことを考えると、「ビジネス」という戦さに占いがあってもおかしくはない。

私が知る限りの例でいうと、新社屋や工場などを造るときなど、日本の上場企業社長や会長も、かの占い師の先生に「おうかがい」をたてていた。
といってもすべてが決定しているので、占い師の先生も「やめなさい」とはいわない。
「いつ」「だれと」「どのように」というような点をサジェスチョンして、あまりよくない年まわりだったりするとお祓いやら、お祈りやら、する。

社長といえども人の子。
冒険やチャレンジやイノベーションをするときに「絶対に大丈夫」と思っていても、最後の最後には神様に「OK」を出してもらいたくなるらしい。
大きな会社になればなるほど、周辺の人々に対して疑心暗鬼になり、結局は占い師か銀座のママにしか心を開けないという経営者もいる。

うちの会社の近所に「運命学」を教える大先生がいらして、その先生に言わせると、中国の占いによると人間の運命はみんな決められているという。
決められた運命を読むためのガイドとして、生年月日が目安になり、どのような運命の星の下に生まれたのかを知ることができるが、運命は決して変えることはできないという。
「占いというのは、当たるか、外れるか、2社択一しかない。つまり、○か×のどっちかなのだということを知ることがたいせつ」と、その先生は言う。
「迷うくらいならやらなければいい。やると決めたら迷わなければいい」というのがその先生の説。

しかし、悩んでしまうのが凡人だし、社長だって悩むこともある。(というか、たぶん、悩んでばかりいる社長って多いと思う)

「社長はタロットを勉強するといいですよ」という先生もいる。
たとえば、「社長」であっても「教皇」タイプと「皇帝」タイプがあり、また「キング」もある。
教皇は精神的な部分が多く、皇帝は派手で力技でいく。「皇帝」が全世界を統治するのに対して、「キング」は領地のなかでのトップ。
そのなかで、自分がどのタイプのリーダーであるかを見極め、相性や運がいいカードに相当する人材で組織づくりをしていくと間違いないという。

私はといえば、どういうわけか周囲に占い師や超能力者や霊能者がたくさんいて、困ったことがあるとどこからか誰かがふらりとやってきてはご神託を残していってくれる。自分で探したり、求めたりしなくても、だれかが来てくれるというのはありがたいことである。

しかし、どんな占いも、運命学も、要は「自分」。
そして、吉運を見につけるには「掃除」と「整理整頓」につきる。

一般的に、成功しているベンチャー企業はステキなオフィスで、インテリアなども凝っていたりするが、「専門の風水師」に相談している社長もいるという情報もあり。

ちなみに、私の場合は整理整頓も掃除も苦手で、きっとその分逃している運気があるに違いないと思ったりもする。