西穂独標
山への欲求が高まってくると、ご多分に漏れず、槍ヶ岳や穂高に対する憧れの気持ちが強くなっていきました。
「自分の経験と力量で、果たして登れるのだろうか?」、慎重派の私は、「何とかなるさ!」という大胆な行動がとれません。とりあえず、知識だけでも養っておこうと、調べられることは調べ、聞けることは聞き、その結果、「時期尚早」だと判断しました。山小屋に泊まった経験がないことと、私をリードしてくれる経験者が居ないことが、致命的な問題でした。私には山歩きの師匠が居ません。ずっと自分ひとりで歩いてきました。
槍穂は諦めましたが、その過程で「西穂高岳は危険だけど独標までなら大丈夫」、「独標までの往復だけでも十分に穂高を体感できる」、「岩歩きの入門にもなる」などの、情報を得ることができました。…「よし、まずは独標に行ってみよう!」。
偶然にも、この山行から仲間が加わることになりました。昔、渓を歩き回ったサスケ会の面々が、いよいよデビューしたのでした。
渓から尾根を見上げていた仲間。その同じ仲間で、今度は尾根から渓を見下ろすことになるとは…。何かしらの運命を感じました。
西穂独標(にしほどっぴょう/2,701m)
■2007年8月27日(木)曇り
■日帰り/サスケ会(助さん、格さん、ちゃぱ)
■行程/西穂高口⇔西穂山荘⇔丸山⇔西穂独標
■標高差/546m
■時間/09時00分~15時00分(6時間)
■参考/走行距離(691.6㎞)高速道路(調布⇔松本\7,300)
(トリカブトが綺麗です)
天気の方は霧ばかりで、肝心な景色を見ることができませんでした。ただ、ときおり霧が流れて、ほんの一瞬ですが、西穂高岳や笠ヶ岳が顔を見せてくれました。雷鳥を間近で見ることもできました。独標から先の下りを、みんなで慎重に降りてみました。もう少し経験を積んだら、西穂高岳にも挑戦したいと思いました。
単独登山の私にとって、仲間と歩く山は新鮮そのものでした。例えば、ちょっとした休憩時間に話をする。そんな当たり前のことが、今までの山にはなかったわけです。仲間を得たことで、山の楽しさが増したような気がしました。
■追記/仲間と行く山は、往復の車中が楽しくなり、運転も楽になりました。何と言っても、助さん、格さんは、運転のエキスパートなので…(笑)。