蝶ヶ岳
崖崩れで通行止めになっていた烏川林道が復旧しました。これで、蝶ヶ岳の登山口、三股までの車によるアプローチが可能になったわけです。そうなると、もう我慢ができません。気持ちが浮き足立ってきました(笑)。
槍穂眺望の特別席と言われる蝶ヶ岳。これまで、山で出会った方々の誰もが「イチ押し」していた山です。果たして、どんな大パノラマが待っているのか? 否応なく期待が高まります。ただし、特別席に立つまでの道のりは、決して楽ではありません。
蝶ヶ岳(ちょうがたけ/2,677m)
■2007年9月21日(金)快晴/無風
■日帰り/サスケ会(助さん、ちゃぱ)
■行程/三股⇔蝶ヶ岳ヒュッテ⇔頂上⇔蝶槍
■標高差/1,417m
■時間/05時00分~16時30分(11時間30分)
■参考/走行距離(553.3㎞)高速道路(調布⇔豊科\6,150)
快晴無風に恵まれた蝶ヶ岳。その稜線に立ったときのインパクトは、もの凄かったです。溜息が出るような大パノラマと、まったく音のない世界。脳に伝達されてくるのは視覚信号だけ。目の前に展開する圧倒的な景色の画像だけでした。恍惚感に浸りながら、穂高も大キレットも槍も、いつまでもいつまでも眺めていたかったです。あの時、自分の中では、確かに時間が止まっていました。
■追記①/下山途中に小石の怖さを思い知らされました。急斜面のつづら折りでした。踏んづけた小石が地面と靴の間で転がり(石車に乗る)、「あっ!」と思った瞬間、体が斜めに浮いていました。道の下の大岩に、左太腿、左腰、左肩、左側頭部をしたたか打ち付けました。「耳から血が出ていたらヤバイぞっ?」、そんな恐怖心を抱きながら、左耳に手をあててみました。液体にさわった感触はありません。「血は出ていないようだ?」。疑心暗鬼のまま、耳にあてた左手を恐る恐る目視しました。「よかった、大丈夫だ」。頭に異常がないと分かると、思い出したように左太腿が痛みます。かなり痛いです。ズボンの腿のポケットには、デジカメが入れてありました。大岩に打ち付けられたとき、そのデジカメが太腿に食い込んだようです。デジカメ型の青タンがくっきりと浮かんでいました。この体験は滑落です。運が悪ければ…(冷汗)。
■追記②/滑落事件のために時間をとられたので、先行の助さんは、かなり進んでしまっただろうと思いました。ところが、滑落現場から大して離れていない場所で、助さんが立ち往生していました。ナント、道の前方に大ザルが座り込んで、道を塞いでいたのでした。助さんと大ザル君は一対一の関係。きっと、助さんのことを嘗めていたのでしょう。そこに私が合流して二対一の関係に…。「これはマズイことになったぞ?」、そう思ったかどうかはわかりませんが、大ザル君は渋々と道をあけて、森の中に消えていきました(笑)。