「東洋医学と西洋医学ってどうちがうんですかぁ?」

大分前にこういう質問を受けたことがあります。一般の方なら誰でも感じる素朴な疑問であると同時に、実際に問われると専門家としてなかなか一言で答えるのが難しい質問でもあると思われます。
実はその時は答えに窮し、一般の方に納得のいくようなわかりやすい説明ができませんでした。

そ・こ・で

これからその時の反省を踏まえ、この素朴な疑問に対して少しアカデミックに、東洋人と西洋人の違いからできるだけおもしろくわかりやすく答えていくことで、一般の方に東洋医学と西洋医学の違いを合点していただきたいと思います。興味のある方は以下おつきあいください。

それでは最初に、東洋医学と西洋医学の違いを考える前に、ざっくりとですが東洋人と西洋人の違いについて考えてみたいと思います。

まずは一般論としてですが、西洋人は個人主義で、お互いの独立を重んじる傾向があるといわれます。個人というものは、一人ひとりが他者とは切り離された個別の存在だという捉え方ですね。
これは、個性や主体性を大切にする価値観につながる考え方のように思われます。

一方、東洋人は一般的に、集団や周囲の他者との協調を重んじる傾向があるといわれます。個人というものは、集団の中で影響を与え合う一員なのであるという感じでしょうか。
これは、個より周囲との調和や関係を大切にする考え方になりやすいかもしれませんね。

このような考え方の違いから、西洋人は相互に協調することよりも、個人活動の自由や個性を重んじるので、自分の意見をストレートに相手に伝えます。

それに対して、東洋人は個人より集団との関係を大事にするため、他人の気持ちを害さないよう、論旨をぼかして言うことで調和を乱さないようにしたり、あまり強い主張をしなかったりすることもあります。

ここで具体例を出してみます。例えば、訪問先の家で食べ物の好みを聞かれた時…

アメリカ人のダニエル君「あぁ、サンドイッチは肉を厚めにしてレタスは入れないでほしいな。 あ、それとコーラはぺプ○じゃないとだめなんだ。」

日本人のみやぎ君「あっ、お構いなく。おまかせしますので。」

極端に言えば大体こんな感じでしょうか。簡単ではありますが、このように考えると、なんとなく西洋人と東洋人の違いというものがわかってくるような気がします。

関係より個を大切にみるか、個よりも関係を大切にみていくかの違いかもしれませんね。

そして、このような考え方の違いの淵源は、古代ギリシャ哲学と古代東洋哲学の違いにさかのぼるようです。          つづく