これまで東洋医学と西洋医学の違いについていろいろ解説してみましたが、なんとなく違いがおわかりになりましたでしょうか。

ここで、これまでの内容をまとめてみると、東洋医学と西洋医学の違いとしては、まずは身体に対する理解のし方の違いがありました。

その考え方の違いの淵源は、古代のギリシャ哲学と東洋哲学の考え方の違いにあるということでした。

ギリシャ哲学は相互の関係より個としての性質や形態を重視しますので、医学においても体を理解する時は、心臓や肺や腎臓等の部分ごとに分割して、部分部分を個別に理解することで全体を理解しようとしていきます。

それに対して、東洋哲学は個の性質や属性を部分部分で理解していくよりも、相互の関係性や全体の法則性を重視していくので、身体は調和のとれた、分けることのできない統一体であるという理解のし方をするということでした。

次に、病気に対する理解のし方とアプローチのし方にも違いがありました。

西洋医学では、症状のある病変部位を個別に診察して局所の機能を個別に正常化していくというアプローチをとりますが、東洋医学では、必ずしも症状の原因は病変部位にあるとは限らないと考えて、調和をみだす大元を正すことで局所を正常化していくというアプローチのし方をするということでした。

このように、東洋医学と西洋医学の違いは、両医学の根底にある哲学思想の違いによってでてきたものなのです。

何に着目して何を重視していくかという考え方の違いが、結果として、同じ医学でも全く別の体系を作り上げてきたということですね。

ということで、東洋医学と西洋医学についていろいろ解説してみましたがいかがでしたでしょうか。

これから「東洋医学と西洋医学ってどう違うんですかぁ?」という質問に対しては、「身体を細かく部分部分に分けて分析して局所的にアプローチするか、身体を網の目のようにつながった統一体として捉えて全体の機能の調和をとっていくかの違いだよ」というふうにまずは答えていきたいと思います。