前回は、松下幸之助さんの逸話を例に出して、気の流れをよくするための心の持ち方について考えてみました。

今回はその続きです。

松下さんの逸話から、気の流れをよくする心の持ち方のヒントを考えてみると、ひとつは心の焦点を変えることによって一見不幸な状況の中に良い点を見出していくこと、もうひとつは、発想を転換させることによって、自分にとって悪い意味しか持たなかった状況を、良い意味を持った状況に逆転させることがポイントであるように思われます。

よくプラス思考とか光明思想とか言われますが、そのようなメンタリティを身に付けていくには、普段些細なことでもいいから、少しでも物事の良い面を見つけてみるという努力をコツコツ繰り返していくことではないかと思われます。

極めて地道な作業ではありますが、それが習慣化していけば、自然と物事の良い面が見えるようになってきて、人や世界がもっときれいに見えてくるかもしれませんね。

例えば、「あぁ、今日は仕事で失敗して最悪だった…」という場合、失敗してしまったことのみに心の焦点をあわせていると「あぁ、自分はだめだ…」などとつい思ってしまうかもしれません。

そういう時は、落ち込んだ後に少し焦点を変えてみて「失敗はしてしまったけれど、全てが悪かったわけではなくてこの点に関してはうまくいったな…」とか「今日は全て悪かったかもしれないけど、そういえば昨日はおおむねうまくできていたかな…」とか、良かったところに心の焦点を合わせてあげるのもよいのではないでしょうか。

また、「この失敗は勉強するきっかけになったな」とか、「次から同じ失敗をしないための経験値になったな」とか、「これは自分を磨くための砥石である!」などと全く発想を逆転させて、失敗したことそのものに積極的な意味を見出すことができればすごいかもしれませんね。

もちろんこれは、無理に物事を美化して自分の心にうそをつくことではありません。

しかしながら、心にあまりわだかまりをつくらない心の持ち方は、病気を治していく際には非常に大切になってくるのですね。
                                  つづく



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