7月


宇野side


期末テスト後







「はっ!!」




「千晃??」





答案返却日。


古典の時間に出席番号順で答案を返されてた時に答案を貰った千晃が席で固まってた。







「どうした?」



「取っちゃった…………。」



「取っちゃった?」






もしかして……赤点?!?!







「千晃、大丈夫だって、そんな落ち込まないで。」



「……違う……。」



「へ?」



「赤点じゃ、ない……。」







赤点じゃない??









「えー、今回のテストの最高点は85点が2人。次に80点が1人。」






日高くんの方を見るとちょっとわらって頷いてきたので、きっと分かったんだろう。



おそらく85点組は私と日高くん。



そして……80点は…………









「千晃。もしかして……。」



「どうしよう、宇野ちゃん!!」







千晃が差し出した回答用紙にはちゃんと80点と書いてあった。







「すごいじゃん!?」



「ゔ〜…………。」



「努力した甲斐があったね。」



「うん…………。ぐすん。






前回のテストでは取ることの出来なかった8割を超えるって言って千晃は言葉通り、必死にやってた。


もちろん私も喜んで協力したし、日高くんも同じだった。


まぁ、日高くんは千晃の前ににっしーに色々教えてたからそっちの方が大変そうだったけどね。








秀「何泣いとるん?!あ、もしかして……。」






いつの間にか先生はいなくなってて、周りには男子勢がいた。





宇「見てこれ!!」





自分のことのように誇らしくて、千晃の回答を見せた。






西「80点?!すげーじゃんっ!!」




日「あんなにやってたもんな、さすが努力家。」




千「うん…………!」




宇「ほら、秀太も褒めてあげなよ。」







秀太は少し黙ってからそっと千晃の頭に手を置いた。





秀「頑張ったな。」



千「……うんっ!!」





そんな光景に思わず笑みがこぼれる。








宇「あ、ねぇ、にっしーは大丈夫だった?」



日「宇野、俺の腕なめてんの?俺が教えたらなぁ赤点なんて有り得ないんだよ。」




西「だよ!!」




宇「なら良かった。」




西「平均点には届いてないけど…………。




日「なんか言った?」




西「いえいえ。」




秀「となるとやっぱツートップはここ2人か。」



千「なんか今回はやけに同点が続くね。」



日「まだ現代文が残ってますから。」



宇「まだ英語が残ってますから。」






日高くんがいるからこそ勉強する気がわいてくる。

有難い存在だった。



そんなこと本人には絶対言わないけどね。











真「なぁなぁ!!」



日「賑やかな奴が来たぞ。」



真「なんやねん、賑やかな奴って。」



宇「で、どうしたの?」



日「いや、その前に真司郎はどうだったんだよ。」




真「ふんっ!英語は学年トップや。」



日「いや、そっちは聞いてない。與さん数学苦手でしょ?」




真「……。」




秀「まさか赤点……。」



西「與さんに限ってそんな。」



真「……。」




千「うそ?マジ?」




真「…………なわけないやろ!取ってへんわ、赤点なんて!」



宇「はぁー。良かった。」





一同安心。笑





真「実彩子も信じてくれてなかったん?!」



宇「いや、だって真司郎がためるなんてことしたことないからガチなんだと……。」




日「で、用ってなんだった?」



真「あ、そや。今度な部活で練習試合することになったんや。」




宇「うん。」




真「しかもその相手が去年の甲子園出場校!」




秀「すげー。」




日「よくアポ取れたな。」




真「そやろ。だからちゃんと見に来てや。」




千「もちろん行くけど、本当の目的は私たちの応援じゃないでしょ〜。」




西「どういうこと?」




日「ご飯、だな。」




真「…………にや。



宇「はいはい。ちゃんと作っていきますよ。」



真「やったー!!」




秀「真司郎が練習試合あると毎回宇野ちゃんがお弁当つくって食べんだよ。」





まだ頭にはてなマークがついてるにっしーに秀太が説明をする。






西「あぁー。なるほどね。宇野ちゃんの弁当美味かったもんなー。」




真「え?!なんで知っとるん?食べたことないやろ?」




千「あ、そっか。真ちゃん知らないんだ……。」





日「体育祭の日、練習付き合ったお礼でにっしまにも弁当作ってたんだよ。」





真「はぁ?!にしじまぁー!!」






西「うわー與さん!!」