千晃side
千「ハッピーバースデー!!おめでと、宇野ちゃん!!」
7月16日。
辛い期末テストを終え、私もにっしーも赤点を取ることなく、幸せな気持ちで無事、宇野ちゃんのバースデーパーティーをした。
秀「おめおめ〜。」
西「おめでとー!!」
宇「ありがと〜!!」
真「Happy Birthday!!」
宇「Thank you!!」
日「またひとつ年取ったな。笑」
宇「いいんですぅー。なんたって華のseventeenなんだから♥」
千「いいなー。私、17歳になって初めての夏休みが受験生だよ?地獄だよ??」
真「そんなんみんなそうやん。宇野ちゃん以外。」
日「確かに俺ら誕生日、秋冬が多いからな。」
このメンバーの誕生日パーティーは毎年やっていて、さすがに日高屋では無理だから、私の家でやることが恒例。
今年はにっしーも初参戦だけどね。
宇「やっぱ千晃ママのケーキ、ほんと美味しい。今度教えてもらお。」
パーティーになるとうちのママがケーキを焼くのも恒例。
宇野ちゃんはママを師匠みたいに思ってるらしく、時々教わってるみたい。
真「千晃も実彩子を見習えや?」
千「分かってるよ。毎回”宇野ちゃんはほんと上手”って言われて続けてるんだから。」
秀「バレンタインとかも頑張っとるやろ?」
宇「そうそう!今年も一緒にやろうね。にっしーも楽しみにしててよ。」
西「もちろん。」
日「なぁなぁ、今年も祭り行くだろ?」
そう言ってだっちゃんが取り出したのは毎年この時期に町内で行われるお祭りのパンフレット。
宇「うん、行く行く。」
千「今年は思いっきりあぞぼ〜!!」
宇「去年が大変だったからね……。」
そう…………あの古典地獄はもう二度と味わいたくない。。
西「お祭り??」
日「このへん一体でやるお祭りで、宇野の家からちょっとまっすぐ行ったところに神社あるだろ?
そこから神輿が出たり、このへん一体歩行者天国になって屋台がでたりして、結構盛り上がるんだよ。」
西「へぇーなるほど。」
真「浴衣買ってこう!!俺も去年行かれへんかったから浴衣ないねん。」
秀「真司郎は合宿と被ってたんだよな。」
宇「そうそう。だから去年は最初は日高くんと秀太と私の3人で。あとから千晃も来たんだけど、なんせ疲れてるから。笑」
真「今年はかぶんないから良かった〜!」
日「でも、その前に試合に勝たないとね。」
真「…………。」
宇「あっいい事思いついた。試合に勝たないとお祭り行けない、っていうのは?」
真「は?!何言っとるん?!去年の甲子園出場校なんやで?!」
日「だからなんだよ。最初から諦めんじゃねぇ!!」
秀「熱血教師風。」
千「あくまで風なのね。」
真「えー。がんばるー。」
真ちゃんがこういつつも毎日必死に頑張ってることは知ってたし、だからこそ勝って欲しいっていう想いも強かった。
千「真司郎が言ってたように、浴衣買おうよ!!」
宇「賛成!!私もそろそろ新しいの欲しかったし。」
真「俺のヤツ実彩子が選んで。」
宇「なんで?!」
真「実彩子に選んでもらいたいねん。」
日「相変わらず宇野っ子だね〜。」
宇「じゃあ私のは真司郎が選んでよ。」
千「だったら、男子チームに私たちの浴衣選んでもらって、女子チームが男子の浴衣選べばいいじゃん!」
秀「えー。なんか言われそう。」
宇「大丈夫だよ、みんなセンスあるし。」
制服だけじゃなくて私服でも何度も会ったことあるからだいたいの好みとかセンスとかは分かる。
千「ウチらは4人分買わないといけないから早速明日行こっか?」
宇「そうだね。」
日「俺らは真司郎の試合終わってからにするか。いつだっけ?」
真「7月28日。」
日「じゃあ、その後だな。」
真ちゃんが勝てますように。
その思いと同時にワクワク感も抑えられない。
16歳最後の夏休み、そして、17歳に向かう夏休みが始まる……。