千晃side





お祭り当日。



いつものように、私、秀ちゃん、だっちゃん、直也くんで浴衣の着付けが出来る私の母の元に集合して、後で宇野ちゃん、にっしー、真ちゃんと合流。


宇野ちゃんグループは宇野ちゃんのお母さんが着付けるみたい。




男子メンバーが選んでくれた浴衣は本当に可愛くて、私の好み。





「それな、秀太がそれって聞かなくて。さすが分かってるよな。」




もらった浴衣を見てめちゃくちゃ喜んでる私にだっちゃんが教えてくれた。





「やっぱり、秀ちゃんなんだ……。」





秀ちゃん、だっちゃん、直也くんもそれぞれに本当に似合ってる。


やっぱりみんな元々がいいからなんでも似合っちゃうんだよね。





千「早く宇野ちゃんの浴衣姿も見たいな〜。早く行こうー!!」




直也くんはそうでもないけど、秀ちゃんは新作ゲームに夢中で、だっちゃんは元々時間にルーズ。





日「まだ大丈夫だろ。」




千「いっつもそう言って最後はバタバタしてるじゃん!」




直「そうだそうだ!」




秀「なんか千晃、日高に対する姿勢が宇野ちゃんに似てきたな。」




千「あ、分かる?」




直「なに?似せてんの?」




千「ううん。そういう訳じゃないんだけど。宇野ちゃんにね、だっちゃんの取り扱い方法を教えてもらったの。」




秀「日高の取り扱い方法?」




千「寝坊した時、時間を気にしてない時、遅刻しそうな時……。」




日「宇野のやつ……。」




直「すごいな、それ。」



千「ちなみに真ちゃんVer.もあるよ。」




秀「西島は?」




千「今のところ……ネガティブになった時……、変なテンションになったとき……とか。あ、でも秀ちゃんと直也くんはないって言ってたよ。あのふたりは大人だから私的にはいらないかなって。でも、私にはありそうだな……。」




秀「はぁ?!なんでだよ!」




千「秀太は……ゲームに抜け出せなくなった時。」




直「納得。でも、俺も?」




千「飲みすぎの時。」




日「納得。そもそも飲みすぎない対策法を考えた方がいいんじゃないの?」



千「そっか。じゃあ、飲みすぎそうな時。」




秀「それだ。」




そんな話で盛り上がってたら本格的に時間に追われることになる。




千「ほら、行くよ!!」



まだ若干渋る男どもを連れて、待ち合わせ場所に向かった。




「千晃。」



「うん?」



「似合っとる、それ。可愛い。」



「……ありがとう。」




そんな会話があった事は秘密……。

















宇野side




うわ…………。



着付けが終わった自分の姿を鏡で見る。



やっぱりこの浴衣、めちゃくちゃ可愛い。




「宇野ちゃーん、入るよ?」



「どうぞー!」




入ってきたのはやはりにっしー。


にっしーの浴衣姿を見て思わず……




「「やっぱり似合ってる!!」」




あれ?



「ハモった。笑」



「ほんとだ。笑 あ、でもホントに宇野ちゃん似合ってる。それにして良かったぁ〜。」



「なに?迷ったの?」



「うん。真司郎と日高と3人で散々議論してたよ。女性浴衣売り場で。」




「なにそれ、ちょっと恥ずかしい。笑」




そんな事言ってるにっしーもホントに似合ってた。




「にっしーも似合ってるよ。」



「本当?あ、さっき宇野ちゃんのお母さんに着付けてもらった時、お母さんがさすが実彩子。私の娘だけあってセンスがいい!って言ってた。」



「お母さん、上から。笑」



「あとは真司郎だけだね。」



「でも、他の3人の浴衣姿も早く見たい!結構悩んだからさ。」



「男性用の浴衣って難しいもんね。自分の分はこうやって選んでもらったりするほうが楽。女の子の浴衣を選ぶのは好きなんだけどね。」




「え、にっしーってもしかしてそっち系?」



「どっち系だよ!!違うって!」






すると、必死に否定するにっしーの後ろでひょこっと顔を出した弟。




宇「あ、真司郎、終わった?」




真「終わったことには終わったんやけど……。」




宇「なに?どうしたの?」




真「なんか変な気すんねん。」




真司郎の浴衣は茶色っぽい色で選んだのは私。



似合わないはずはないと思ったんだけど……。





出していた顔を引っ込めて、そろりと出てきた浴衣姿の真司郎は…………。






宇「似合ってるじゃん。」




真「ホンマー?」




似合ってないなんてこと全然なくて、めちゃくちゃ真司郎に合ってる。





宇「うん。もっと自信もっていいだから、真司郎は。」




真「そうかな?」




西「そうだぞ、與さん!」




真「にっしーが似合いすぎやねん。」




宇「なにその嫉妬。笑」




西「真司郎に嫉妬されたの初めて……。」




宇「え、ちょっと今にも泣きそうな顔するのやめてくれる?」





まだ不安だという真司郎と嫉妬されて嬉し泣きしそうなにっしーを連れて、千晃たちのもとへ向かった。