直也side






「千晃!!」





相変わらず取り扱い方法の話で盛り上がってたら初期の作成者の声がした。






「あ、宇野ちゃん!!」




宇野ちゃんの後ろには真司郎とにっしー。



おー、やっぱ2人とも似合ってる。

高校生はなんでも似合っちゃうんだよね〜。





直「2人とも似合ってるじゃん。」



西「でしょ、でしょ。」



真「ホンマ?」



宇「さっきからずっとこの調子。ね、みんな真司郎の浴衣似合ってると思うよね?」



千「もちろん。さすが宇野ちゃん、ナイスチョイス!!」



秀「俺もそう思う。」



日「宇野のナイスチョイスだとは思わないけど、似合ってるとは思うよ。」



宇「なんでよ!!」




真「……なら、いいや。」




一つ年下の王子は6人の言葉に納得したご様子。




宇「ってか千晃が可愛い!!いつもとは違う感じ。」



千「なんか宇野ちゃんが大人過ぎて隣に立てない〜!」



日「なんか姉妹っぽいね。宇野がお姉ちゃんで、千晃が妹。」



秀「お義姉さん!!」



宇「千晃と結婚してないでしょ。でも、千晃と秀太が結婚したら、秀太にはそうやって呼んでもらおうかな?」



秀「え…………。」



真「なぁなぁ、早く行こうや。花火、8時からやろ?それまでに屋台満喫せな。」




時間にきっちりな王子がみんなを引っ張る。



末っ子のくせにこういう所は頼りになったりするんだから……。




って俺、完全に親父目線。笑

















このあたりのお祭りは地元民に愛されていて、ほとんどの人が参加すると言っても過言ではないくらい。



屋台も結構出るし、毎回盛り上がる。





千「やっぱり今年も人多いね〜。」



特別にお祭り期間中は歩行者天国になってるけど、それでもやっぱり人は多い。ちゃんと見てないと、見失う可能性がある。



それに、みなさん自分であまり自覚がないみたいなんですけど、美男美女なんですよ。


注目度がすごい!!
(もちろん俺も含めてね。)







秀「心配やけん、ちゃんと捕まっといて。」



千晃の手をとってそう言う生まれは鎌倉の九州男児。



甘酸っぱい青春に先生はくすぐったいです。






宇野さんは…………あ、大丈夫みたいです。

手は握ってないですけど、日高さんの浴衣の裾を握ってますし、隣には西島さんがいるみたいです。




そうなると必然的に……





「王子、迷子になるなよ。」





俺が真司郎を連れることになるのです。






「迷子になんてならんわ!ってか王子ってなんなん?!」




「あ、思わず心の声が。」




「は??」




「いや、だって王子っぽいじゃん。」




「まぁ、それはよく言われるけど。」




「言われるんだ……。いてっ!!」






感心して真司郎の方向いて歩いてたら、西島隆弘の背中に激突してしまいました。





「ちょっとー。」



「ごめんごめん。真司郎の武勇伝に聞き入っちゃって。」




「武勇伝?」




「ええねん!!武勇伝やないし!」





にっしーの前では千晃が綿アメを買ってる。






直「あれ?宇野ちゃんはいいの?」



日「宇野は綿アメ嫌いなんだよ。」




直「え、意外。甘いもの好きだから好きじゃん。」



宇「そうなんだけど、綿アメだけはダメなんだよね。でも、良くなった方なんだよ?前は匂いだけで気持ち悪くなってたから。」







千晃は綿アメをもらって嬉しそう。

そんな千晃をみて、九州男児も嬉しそう。


お祭りって感情を露にしちゃうんですかね。笑





日高と末吉もお好み焼き買ったり、にっしーは唐揚げ食べてたり、宇野ちゃんはりんご飴食べてたり、王子はさすが、かき氷です。

しかもちょっとお高いフワフワのやつ。








直「あ!ねぇ、射的があるよ。やろやろ!!」



千「直也くん、子供。笑」




なんと言われようがやりますよ。




日「誰がやる?」



直「ま、ここは1人1回ずつで、まずは……。」





準備してる人が1人。





直「宇野ちゃんがやるみたいです。」




日「宇野がやった方がいいよ、こういうの苦手だし。」




西「宇野ちゃん、運動神経イマイチだもんね。」





にっしーにひと睨みしてから構える宇野さん。



1等、2等、3等、スペシャルの4つ。


それぞれ何が貰えるかは分からない。
(スペシャルってなんだよ、笑)



でも、結構難しい。



3等ですら、当たるかどうか。





宇「これ、何狙っていけばいい?」



秀「スペシャルでしょ。」



千「確かに気になるね。」



宇「おっけ。スペシャルね。」




宇野さん、狙いを定める時にアヒル口になる癖をもってるみたいですね。笑












………………バンっ!!!






「あっ……!!」



「やったぁー!!!」



「え、すごいよ、宇野ちゃん!!」



宇野ちゃん、見事狙いのスペシャルを倒す。




「マジか!!」



「え、スペシャルってなんですか?」





何故かお店のおじさんはなんだか気まずそう。



宇「1発で当てちゃダメだったんですか?」



「いや、そういうわけじゃなくて……。」





秀「商品を切らしちゃった!」




「そういうわけでもなくて……。」




日「じゃ、なんですか?」




「スペシャルの商品って……これなんだよね。」





差出されたものを見てみると……。







宇「日高屋、ラーメン1年間無料券…………。」






思わず全員日高の方をみる。




日「え?!俺、そんなの知らない!!ってか親父は何やってんだよ!!」




直「アハハっアハハっ。」




なるほど、おじさんも気まずいわけだ。


そりゃ、息子が目の前にいるんだから。





「いや、ノブさんがスペシャル作ろうって言い出したんだよ。それに、奥さんも乗っちゃって……。」




千「ノブさん、可愛い。」




秀「マジウケる!!笑」




他のみんなやったけど、結局ハズレしか出なくて、王道のティッシュをもらった。



そのあと、ツボに入っちゃって抜け出せない俺を王子が引っ張ってくれて、花火会場に向かった。笑