本当の私はどこにいるの────?
宇野side
にっしーや日高くんから私の過去の話を聞いてから、私はずっと泣けずにいた。
これからどうしていいかも分からない。
でも、非情にも時間は過ぎていく。
何も出来ないまま、夏休みが終わりをつげ、新たな学校生活が始まった。
みんなは今までと変わりなく接してくれる。
なのに、私はそれに応えられない。
1人だけ”時間”が止まってるんだ……。
迷惑をかけたくない、その思いから千晃のことさえも避けるようになった。
もうすぐ修学旅行がある。
このまま修学旅行なんて行けるはずない。
楽しむことなんて私にはまだ出来ない。
頭では分かってる。
このままじゃいけないって。
でも
「宇野ちゃん!帰ろ?」
「……ごめん。今日、図書館行くの。ごめんね。」
こうやって逃げてしまうんだ。
「はぁ。」
放課後、屋上に逃げ込むのが日課になっていた。
1人になれる場所が欲しくて、ずっと開かないと思ってた屋上のドアがいとも簡単に開いた時から屋上が私の居場所になっていた。
最近、急に笑わなくなった私を家族も心配してくれてる。
事件を聞いたことをまだ家族にも言えずにいる。
────────ガチャ
え?
ドアが開く音がして私はとっさに物陰に隠れた。
ここで生徒に会ったことはないし、先生だったら、バレたらマズイ。
そっと覗いてみると見覚えのある背中があった。
にっしー?
しかもウェア姿。
さっき日高くんと一緒に部活に行ったはず……。
「宇野ちゃん。」
バレたと思ってにっしーの方を見るけど、気づいている様子はない。
誰もいないところににっしーは話しかけていた。
「いるのは分かってる。やっと見つけた。話がしたいんだ。出てきてくれないかな?」
声で真剣なのが分かる。
このまま隠れてることも出来るはずなのに、私の足は動いていた。
「…………にっしー。」
「……良かった。」
たくさんのコメント、本当に嬉しかったです。
待ってましたっていう言葉、本当に感激しました……。
これからもよろしくお願いします!!