千晃side








直「時間ないからさっさと決めろよ〜!」








週1あるLHRの時間。





議題はもちろん修学旅行のこと。





今日決めるのは自主研修の班決め。




男女混合班で5人から7人。


そうなったら、もう決まったようなもの。








宇野ちゃん、秀太、にっしー、だっちゃん、私。





私たちが組むのはもうみんな分かってるのか誰にも誘いを受けなかった。




断るのも心苦しいから良かったような……ちょっと寂しかったような……?










「暗黙の了解ってやつだな。」






隣の秀太にその話をしてたら、そう言われた。






「あんもくのりょうかい?」





「そう。言わなくてもみんな分かってるってこと。」




「なるほど……。」





「まぁ、俺はそっちの方が変な心配しなくて済むから良いけどな。」






「心配??なんの?」





「何でもねぇよ。ほら、来たよ。」






宇野ちゃん、にっしー、だっちゃんが並んで来る。


宇野ちゃんはあの日から少しずつ私たちと一緒にいてくれるようになった。




きっと、だっちゃんが何かしてあげたんだと思ってたらにっしーだったみたい。





なにはともあれ、とりあえず宇野ちゃんが少しずつ戻ってきてくれてることが嬉しかった。










西「でも、北九州だけってなんか寂しいよな。」




宇「しょうがないよ。地震もあって修学旅行で行けないでしょ。」





西「まぁ、そうだけど。」





日「そういえば、秀太、実家近いんだろ?」




秀「まぁ。長崎。」



千「自主研修のとき行ってみる??」




西「賛成!!」




秀「却下。行くわけなかと。」




千「なんだ、残念。」



秀「みんなはいいけど、西島は無理。」




西「なんで!?」




宇「ねぇ、みんなは体験何にしたんだけっけ?」







そんなにっしーをかるーくスルーする宇野ちゃん。

あぁ、変わらないな……。







日「港釣り。船釣りは酔うからやめろってにっしまがうるさくって。」




西「しょうがないだろ……。」






前に遊園地行った時にアトラクションで酔っちゃってたのを思い出した。


そんなにっしーが船の揺れに耐えられるわけない。









秀「千晃と宇野ちゃんは……なんやったっけ?」




千「秀ちゃんはすぐ忘れちゃうんだから。よもぎ団子作り。」




日「あれ?なんか最初違くなかった?」




宇「そうそう。最初はかから団子だったんだけど、教える人が入院しちゃったみたいで。急遽、よもぎになったの。」




日「あー、そんなこともあるんだな。田舎だもんな、少子高齢化で跡を継ぐひとも減ってるんだろうしな……。」





宇「なんかそういうことも考えさせられちゃうよね。ここではあんまり感じれないし。」





日「確かに。それに……「ストップ!!」



















いきなり始まった秀才コンビの話にストップを掛けてくれたのはにっしー。








西「今、日本の現状の話しなくても!!」




日「いや、逆ににっしまは聞いた方がいい。あとで政治とカネについても議論してやるから。」





西「絶対イヤっ!秀太っ……。」





秀「俺に助けを求めるな。」




西「えぇー!!」








だっちゃんに引きづられていくにっしーとそれを笑って見守る宇野ちゃん。




私はこの画がすごい好き。









「なぁーに、笑っとると?」




「やっぱりこの感じ好きだなぁって。いつまでも続けばいいのに。。」




「現状は続くのは無理でしょ。」




「え?」




「俺らだって卒業が見えてきてる。いつまでも続くものじゃないからこそ今が愛おしいと思うんだよ。みんな今を大切にしようとする。

でも、俺らの関係はずっと変わらない。
そこだけは。
俺は自信をもって言える。」








こういうところもあるのかなぁ。



私が秀太に惹かれた理由。







「────うん。そうだよね。私もそう思う。」