直也side
なんか廊下が騒がしいなと思って、そっと扉を開けてみると、そこにはなんと西村先生と対峙する千晃の姿があって、驚いた。
物事はハッキリ言う子だけど、まさか先生に反論する日がくるとは。
しばらく気づかれないように見てたけど、さすがにそろそろ出てかないとマズイな……。
そう思ったタイミングで廊下に出た。
援護する形になってしまったけど、俺は正しいと思う方を主張したかった。
でも、正直最後、秀太、西島、日高がフォローしてくれたのは助かった。
とりあえず5人をロビーに連れていく。
千「直也くん……。私、絶対言いすぎたよね……?」
我に返った千晃はさっきからずっと心配顔。
直「うーん……。
なんでも生徒が教師の言いなりになる必要な無いと思うよ?間違ってるって思ったら、そこは反論していいと俺は思う。だから、千晃が言ったことは別に間違ってないよ。」
千「そうかな……。」
宇「私も千晃が言ってなかったら、言ってたよ。まさか千晃が言うとは思ってなかったけどね。」
日「確かにそれはビックリした。先生もビックリしてたしな。」
秀「ちゃんと1度話せて良かったんじゃねぇの?」
西「千晃の言った言葉も西村に少しはとどいたんじゃない?」
千「うん。ありがと。」
直「それにしてもお前ら大人になったな。ちゃんと大人にも主張するようになったし、お前ら3人にまさかフォローしてもらう日がくるとは思ってなかったよ。」
宇「うん。カッコよかったよ、みんな。」
日「宇野に褒められると変な感じ。」
宇「うるさいなぁ、もう。」
直「よし、じゃあお前らも部屋に戻れよ。」
宇「あっ!ちょっと!直也くん本題!!」
忘れそうになった俺への用事もちゃんと済ませて、じゃあ、部屋に戻ろう、となったとき…………。
秀「──────なぁ。鍵は?」
西「へ?」
秀「俺達の部屋の鍵!」
日「持ってないよ?」
西「……俺も。」
秀「……。」
千「もしかして締め出しにあってる?」
日「マジかよ〜。」
秀「ひだかぁ!」
日「はぁ?なんで俺?!」
西「日高、室長だろー?」
日「今、それ関係無いだろ?!」
直「はいはい。フロントに行っといで。」
「「……はーい。」」
宇「あーあ、折角カッコよかったのに。笑」
次の日。
学生の話の回るスピードは本当に早い。
昨日、千晃と西村先生のバトル(?)を見ていた一部の生徒によってその話は広められ、千晃は一躍有名人になった。
1度も話したことがないような生徒にまでありがとうとお礼を言われたり、すごいって褒められたりしてるみたい。
なんか変な感じって千晃は言ってたな。
そんな中、今日は生徒が班で自主研修をする日。
教員も生徒を見守りつつ、行動が自由だ。
その行動範囲の中に俺はどうしても行きたい場所があった。
「こうやって会うのは久しぶりだな。」