日高side
宇「真司郎、どうかしたのかな?」
用があるという真司郎と別れて5人で家路につく。
秀「直也くんが真司郎のパン食べたとか。」
西「直也くんが真司郎にイタズラしたとか。」
千「…………そんなこと、ある??笑」
宇「うん……。確かに真司郎と直也くんなら有り得るな……。」
確かに、あの2人なら有り得る。
5個以上歳離れてんのに、兄弟の長男と末っ子みたいだし。
でも──────。
今回は重要な件で真司郎は直也くんに話をしにいった気がする。
千「にっしー、宇野ちゃんのことちゃんと送ってあげてね。」
遅くまで学校に残ってたせいで周りは真っ暗。
西「もちろん、もう暗いしな。責任もって送るよ。」
ちょっとだけ西島がカッコよく見てたのは置いといて……。
あれ……。
宇「どうしたの、日高くん。」
日「……なぁ。俺のケータイ知らない?」
ポケットを探してもカバンを探しても見つからない。
千「さっき教室で秀ちゃんと音楽聴くのに使ってなかった??」
秀「そのときお前、机の中置いてたぞ。」
日「もしかして、そのまま……。」
西「ちょっと待って。」
なにやらゴソゴソとしてにっしまが取りだしたのは自分のスマホ。
宇「なんでにっしーのスマホ??」
西「こいつ、ケータイとか財布とかよく失くすじゃん。
だから、個人情報とか入ってるケータイくらいはなくさないようにって、俺と日高のケータイをGPSで繋いで、お互いにどこにあるのか分かるようにしたんだよ。
どちらか片方が検索かけるともう片方のスマホがどこにあるか分かるっていう。
でも、検索かけられたのは相手のスマホにも通知いくから無断でやると怖いけどね。」
千「すごい、そんな機能あるんだ。」
宇「失くしものに関しては日高くんはすごいもんねぇ。」
秀「おい、日高、大丈夫か?お前、西島にストーカーされてないか?通知めちゃくちゃ来てることないか?」
日「実は…………。。」
西「ニヤッ。」
日「あー、やっぱり学校みたい。」
俺のスマホの位置情報が示す場所はやはり学校だった。
宇「この時間ならまだ学校開いてるんじゃない?あっ、でも…………。」
千「1人で大丈夫?だっちゃん、お化け屋敷とか無理じゃん。」
……。
日「……千晃、俺はそれを意識せずに行こうとしてたのにそれ言っちゃう??」
千「エヘヘ。笑」
宇「私だったら絶対無理!!!」
秀太とにっしまはお化け屋敷が強いけど、宇野はからっきしダメ。
俺は…………ノーコメント。
お察しください。
秀「俺ら行こうか?千晃も一緒に。」
千「私は別に構わないよ?秀ちゃん、お化け屋敷強いもんね。」
秀太の助け舟に一瞬揺らぐけど……。
日「いや、時間も時間だから秀太は千晃、送ってあげて。にっしまも宇野のこと、頼んだかんな。」
西「うん、気をつけろよぉー。」
日「途中で真司郎に会えたら連れてくかも。笑」
確か真司郎もお化け屋敷とか大丈夫な方だったよな、そんなことを考えながら、来た道を戻った。
「あ、真司郎と直也くん。」
2人は真剣な顔して、話し合ってて…………
なんてことはなくて2人でじゃれ合ってた。
ほんとにあれ、教師と生徒??
同級生じゃね?
重要な話をしてるんだと思ってたのは俺の考えすぎか……?
直「あれー、日高じゃん。」
真「なにやっとるん?」
いや、それこっちのセリフですけどね。笑
日「ケータイ、学校に忘れちゃって。取りに行くとこ。」
直「なるほどね。頑張って。」
日「いやいや、直也くん、冷たくない?!
」
直「俺、暗い学校とか無理だから。絶対イヤ。」
日「じゃあ……しん」
真「バイバーイ。」
日「バシッ。逃がすわけないだろ?」
真「なんで俺なん~。いやや〜。」
「なんなん、もぉー。っ?!
今なんか音したんやけど!!なんで俺がこんな事せなあかんのー。
いやや〜、早く帰りたい。」
「真司郎、うるさい。」