宇野side
「失礼しました……。」
にっしーと2人職員室で予想通り校長同席のもと、学年主任の先生に話を聞かれた。
直也くんがいてくれたら、なおさら心強かったけど、その場に直也くんはいなかった。
「大丈夫?」
「うん。教室、戻ろっか。」
今までずっと保健室と職員室にしかいなかったから教室がどうなってるのか分からない。
クラスメイトが私たちのことをどう思ってるのか……。
「にっしーは怖くないの?」
「なにが?」
「日常が壊れちゃうかもしれないこと。」
「そうだね……。怖くないと言ったら嘘になるけど……。日常なんて壊させない。もう絶対に。」
「うん、そうだよね。私たちが弱気になっちゃダメだよね。」
こうしてにっしーに救われるのは一体何回目だろう。
「でも、みんなに迷惑掛けちゃったね。」
「俺もこれからの事は分かんないけど、きっとみんななら……大丈夫。」
「……ふぅ。」
教室のドアの前で一呼吸置いてからドアを開ける……
──────
「宇野ちゃん!にっしー!」
最初に聞こえたのは千晃の声だった。
それだけでなんだか安心して涙が出そう。
「宇野ちゃん、西島、おかえり。」
その隣では秀太も笑ってる。
「宇野ちゃん!」
「にっしー!」
「おかえり!!」
「お前らのせいで俺ら自習だよ〜。」
「授業まともに受けてないやつがよく言うよ。笑」
「ホントだよ。笑」
「うるせぇな、お前らだってよく寝てんじゃねーかよ!!笑」
教室には笑顔が溢れてた。
宇「みんな……。」
「あれ、宇野ちゃん泣いてんの?!」
宇「だって……。」
「泣かしたのお前だかんな!!」
「はぁ?なんで俺なんだよ!!」
「宇野ちゃん可哀想!!笑」
西「ほら、日常なんて他人に壊されてたまるかってな。笑」
宇「うん!」
千晃side
秀「良かったな。」
そう言って私の頭に優しく乗った温かい手に私も泣きそうになった。
千「うん!」
──────
あのとき、秀太が言った私たちに出来ること……。
ふいに秀太が教卓に立って……
秀「なぁ、みんな。
なにも変わんないんじゃね?
過去に何があろうと、今の宇野ちゃんと西島は何も変わらない。
みんなそれぞれに過去があって、今がある。
その過去がどういうものだろうと、今この瞬間、何も変わることはないじゃねぇの?」
…………。
千「……そうだよ。
しっかり者なのに、時々抜けてて、どんなこともちゃんとこなす宇野ちゃんも周りを笑わせてくれようとすらばするほど滑るけど、誰よりもひたむきで……
なにより2人とも努力家で……
2Aに必要なクラスメイト、じゃん。」
「……だよな。ちょっと動揺しちゃってたな。俺ら。」
「末吉と伊藤の言葉で冷静になれたわ、サンキュ。」
そう真っ先に言ってくれたのは私の時も救ってくれた、森山くんと久米くん。
2人の言葉にみんなが頷いてくれる。
良かった……。
「残った俺らは2人が帰ってきて安心できる場所を作る。だろ?」
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森山くんと久米くん、覚えてもらえてるでしょうか??
SHEの事実のときに目撃証言をしてくれたバスケ部の2人です。
SHEの事実11、22に登場しますので、良かったらそちらもご覧ください!!