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和人と優子は付き合って3年。

お互いに結婚を意識し始めていた。

そんなある日、和人に栄転の内示が出た。

それを契機に和人は優子にプロポーズをした。

優子もそれを待ち望んでいたかのように、薄っすらと涙を浮かべて快くその申し出を受けた。

無事結婚式も終わり、ハネムーンへと旅立つ。

それまで優子はお酒が飲めないと言い続けて、和人といる時一滴たりとも飲むことは無かった。

しかし・・・ハネムーンと云う事で優子は油断してしまった。

和人から勧められるワインについ手を付けてしまった。

それからは底なし状態である。

和人は驚きを隠せなかった。

まさか優子がこんなに酒飲みだとは予想だにしなかったのだ。

いい気分で飲み続ける二人に宿泊先のホテルが演出をしてくれた。

ホテルのすぐ近くから花火を打ち上げてくれたのである。

和人はその花火に向かって声を出す。

「た~まや~!」

優子はそれをじっと見つめていた。

いい雰囲気だと和人は安心して優子を抱きしめた。

その優子の顔を見つけると・・・目が逝ってしまっている。

これはヤバいと優子を抱き起こそうとすると優子が叫びだした。

「お~!!対空砲火だぁ~~~!!!」

「えっ?」

「いけぇ~~~!!!憎きちゃう国をやっつけろ~!!!」

「えっ?えっ?」

「こら~~!!イージス!!!もっと撃てぇ~~!!!」

「はい?イー??」

「我が国は白村江の戦い以来、ちゃう国に負けた事は無いのだぁ~!」

「はぁ?白村江?」

「こらぁ~~!!!パトリオットはまだかぁ~~!!!」

「ぱ?」

「撃って、撃って、撃ちまくれぇ~!!!」

「いや・・・そんな物騒な・・・・」

「我が領土、尖閣は死守するのだぁ~~~!!!」

「せ・・尖閣・・・ここはハワイだよ?優子?大丈夫か?」

「な~に!ここはハワイなのか!!では今は真珠湾攻撃なのかぁ~!」

「いや・・・あの・・・ほら・・・僕ら二人のハネムーンじゃないか・・・ね、優子。」

そう言って優子を見ると用意したワインをラッパ飲みである。

「いけぇ~~~!!!大和の46センチ砲の威力を見せてやれぇ~!!」

「・・・軍事オタクだったのかぁ・・・」

和人はもはやお手上げである。

翌日。

朝起きると優子が朝食の用意をしていた。

和人は注意深くテーブルへ座る。

「おはよう、和人さん・・・うふ・・・なんだか恥ずかしいわね・・・。」

確かに恥ずかしいだろうな?と思いながら朝食を食べていると、優子が新聞を読みながら言った。

「あら・・・尖閣諸島にちゃう国の船が領海侵犯してきてるって・・・怖いわ。和人さん。」

いや・・・・パトリオット撃ちまくれば良いんじゃないか?


オシマイ