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ボス猫は鼻から血を流し、のたうち回っている。
それを遠目で見ていた他の猫たちは恐怖のためか身動きさえしない。
そこへ少々年老いた猫がポン太の側へ近寄って来た。
どうやらポン太へ媚を売る気のようである。
近寄る年老いた猫に対してポン太は知らぬ顔を通した。
媚を売るやつは大嫌いなのだった。
シズ婆からキツく教えられたのは勝てなかったら逃げろと言う事だった。
シズ婆は逃げるは恥だが役に立つとかいうテレビが大好きだった。
関係ないと思うのだがシズ婆から決して媚を売って下手に出て卑屈になるなと教えられた。
もちろん人間の言葉は分からない。
それは犬たちの行動を指差しながら、シズ婆が手をバッテンにしてポン太に言い聞かせていたのだ。
ポン太は媚を売る猫を横目で見ながら知らん顔で、土管に入って寝た振りをした。
集まっていた猫たちの安堵のため息がポン太に聞こえてきた。
これでこの土管はポン太へと所有権が移行した。
それからも集会所は普通に皆の集まりに利用されていた。
ある時可愛いメス猫がポン太へと近づいてきた。
ポン太は何事かとじっと見つめていたが、どうやら自分の家へのお誘いのようである。
ごちそうに有りつけそうな気がしてポン太はいそいそと出かけて行く。
まさに思った通りご馳走三昧のご飯が待ち受けていた。
「お~。みこちゃん、どうしたのかな?おや?お友達かい?」
「にゃぁ」
「そうか、そうか・・・じゃあ、ごちそうを用意してあげるね。」
飼い主らしき人物が声を掛けている。
ポン太はシズ婆の家との違いに驚いていた。
入り口は猫専用の小窓みたいな物が付いていて、ドアや窓は締め切ってある。
入り口からちょっと行くと専用のトイレまであった。
庭で用を足していた自分とは大違いであった。
みこちゃんと呼ばれたメス猫はどうやらポン太に好意を持っているようである。
しきりに躰をこすりつけてくる。
ポン太は実は経験がないのでドキドキしていた。
しかし・・・時期は真冬でメス猫はまだそういう気分までにはなっていないようだ。
出された豪華な食事に満足してポン太はお礼に一鳴きしてその家を辞去した。
「ニャァ・・・・。」
「おお、お気に召したかな?また遊びにおいで。」
家人はとても穏やかで良い人のようだった。
みこちゃんもポン太が帰るときに見送りに出てくる礼儀の良さだ。
ポン太は密かに春が待ち遠しくなった。
いよいよ魔法使いから卒業できそうなのだ。
ウキウキしながら自分の土管へと帰るポン太であった。
土管に帰りつくと集会にあつまるメス猫の別の1頭が待ち構えていた。
いきなりポン太へ猫パンチが飛んできた。
これにはポン太も不意を突かれて、マトモに食らってしまった。
「ふんぎゃぁ!」
驚くポン太を尻目にネス猫は威嚇している。
「しゃぁ~~~~~!!!」
ポン太は初めてメス猫が怖いと思った。
どこの世界も女の嫉妬は男にとって厄介なものであるらしかった。
「にゃあ・・・」
ポン太は何故自分がメス猫に「猫なで声」を出しているのか分からなかったが、とりあえず機嫌を取るのが上策だと判断したのだ。
気を良くしたメス猫はポン太にスリスリして来た。
ああ・・・春が待ち遠しいポン太であった。
続く
(日曜日 短期連載)
★追記★
三浦春馬さんのご冥福をお祈り致します。
ワタクシとしては珍しくとってもお気に入りの俳優さんだったので、昨日の急報に驚きを隠せません。
若者よ~、死んじゃダメだよ~😭😭😭😭😭
★各カテゴリー一覧★
(クリック・タッチでJUMPします)☆各カテゴリー最新順になっていますので最古記事が初回になります☆
☆ショート・ショート
ショートショート
ベリーショート
ノンフィクションショート
☆長編・連載
はぶてとらんもん! 連載
I'mソーリー 連載
時の片~かけら 連載
誰かがそばにいる 連載
終末の予定 連載
幽霊が好き と君が言ったから 七月十日は幽霊記念日 連載
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(有)AKB探偵社・不動産(シリーズ)
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メイド喫茶
悪夢
☆寓話
寓話 読み切り連載
☆官能小説
官能小説 読み切り
☆幻想小説
幻想小説
★★★★ ★★★ ★ ★★★★ ★★★★
ボス猫は鼻から血を流し、のたうち回っている。
それを遠目で見ていた他の猫たちは恐怖のためか身動きさえしない。
そこへ少々年老いた猫がポン太の側へ近寄って来た。
どうやらポン太へ媚を売る気のようである。
近寄る年老いた猫に対してポン太は知らぬ顔を通した。
媚を売るやつは大嫌いなのだった。
シズ婆からキツく教えられたのは勝てなかったら逃げろと言う事だった。
シズ婆は逃げるは恥だが役に立つとかいうテレビが大好きだった。
関係ないと思うのだがシズ婆から決して媚を売って下手に出て卑屈になるなと教えられた。
もちろん人間の言葉は分からない。
それは犬たちの行動を指差しながら、シズ婆が手をバッテンにしてポン太に言い聞かせていたのだ。
ポン太は媚を売る猫を横目で見ながら知らん顔で、土管に入って寝た振りをした。
集まっていた猫たちの安堵のため息がポン太に聞こえてきた。
これでこの土管はポン太へと所有権が移行した。
それからも集会所は普通に皆の集まりに利用されていた。
ある時可愛いメス猫がポン太へと近づいてきた。
ポン太は何事かとじっと見つめていたが、どうやら自分の家へのお誘いのようである。
ごちそうに有りつけそうな気がしてポン太はいそいそと出かけて行く。
まさに思った通りご馳走三昧のご飯が待ち受けていた。
「お~。みこちゃん、どうしたのかな?おや?お友達かい?」
「にゃぁ」
「そうか、そうか・・・じゃあ、ごちそうを用意してあげるね。」
飼い主らしき人物が声を掛けている。
ポン太はシズ婆の家との違いに驚いていた。
入り口は猫専用の小窓みたいな物が付いていて、ドアや窓は締め切ってある。
入り口からちょっと行くと専用のトイレまであった。
庭で用を足していた自分とは大違いであった。
みこちゃんと呼ばれたメス猫はどうやらポン太に好意を持っているようである。
しきりに躰をこすりつけてくる。
ポン太は実は経験がないのでドキドキしていた。
しかし・・・時期は真冬でメス猫はまだそういう気分までにはなっていないようだ。
出された豪華な食事に満足してポン太はお礼に一鳴きしてその家を辞去した。
「ニャァ・・・・。」
「おお、お気に召したかな?また遊びにおいで。」
家人はとても穏やかで良い人のようだった。
みこちゃんもポン太が帰るときに見送りに出てくる礼儀の良さだ。
ポン太は密かに春が待ち遠しくなった。
いよいよ魔法使いから卒業できそうなのだ。
ウキウキしながら自分の土管へと帰るポン太であった。
土管に帰りつくと集会にあつまるメス猫の別の1頭が待ち構えていた。
いきなりポン太へ猫パンチが飛んできた。
これにはポン太も不意を突かれて、マトモに食らってしまった。
「ふんぎゃぁ!」
驚くポン太を尻目にネス猫は威嚇している。
「しゃぁ~~~~~!!!」
ポン太は初めてメス猫が怖いと思った。
どこの世界も女の嫉妬は男にとって厄介なものであるらしかった。
「にゃあ・・・」
ポン太は何故自分がメス猫に「猫なで声」を出しているのか分からなかったが、とりあえず機嫌を取るのが上策だと判断したのだ。
気を良くしたメス猫はポン太にスリスリして来た。
ああ・・・春が待ち遠しいポン太であった。
続く
(日曜日 短期連載)
★追記★
三浦春馬さんのご冥福をお祈り致します。
ワタクシとしては珍しくとってもお気に入りの俳優さんだったので、昨日の急報に驚きを隠せません。
若者よ~、死んじゃダメだよ~😭😭😭😭😭
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