櫻葉の三ツ矢サイダー記念に🙇🏻♀️
私の考えた最強の春サイダー🥤です!
みなさんの春サイダーもぜひお聞きしたく!!
では、温かい目で見守っていただきたい。
※櫻葉
※相櫻
※BL
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満開の桜が春を伝える。
ぽかぽかと暖かく、時折吹く生温い風が心地良い。
子供たちが走り回る公園にひらひらと舞うピンクと白の花びら。
「平和だな〜。」
「なにが?」
ベンチでぼんやり眺めていると横に座って本を読んでいた翔ちゃんが首を傾げて俺を見る。
「昼間からさ、こうして公園で時間も気にせず花見するって平和じゃない?」
「たしかに。休みじゃなかったらできなかったかもね。」
翔ちゃんも桜の木を見上げながら呟いた。
「変わらず忙しいな、なんて思ってたけど、やっぱり時間に余裕ができたんだな〜。」
「フフッ、嬉しそうじゃないね。」
「バレた?時々寂しいなって思っちゃうよ、そりゃ。」
「確かにね。でも、俺は嬉しいかな?」
「なんで?」
「相葉くんと2人っきりで桜見れたから?」
「そんなの前だって見てたくない?」
「2人きりってなかったよ。どうせならってその場にいるみんなに声かけちゃってたからね。」
「あぁ〜言われてみればそうかも。」
「俺としては相葉独占期間で嬉しいよ。」
「なにそれ。じゃあ、俺も櫻井独占期間で嬉しい。」
翔ちゃんは桜を見上げたまま優しく微笑む。
俺はその横顔を盗み見る。
寂しい気持ちはもちろんあるけど、この横顔を独占できるなら案外悪くないな。
「翔ちゃん、」
「ん?なに?」
眉を上げてまん丸な大きな目が俺を見る。
「夏は海いく?あ、花火も見たいね!」
「お前の千葉?」
「俺の千葉。」
2人で目を合わせてクスッと笑う。
「秋は紅葉?」
「もみじ狩りね。翔ちゃんほんとに紅葉狩ったらダメだよ?」
「あははっ分かってるわ!冬はスノボ行きたいな〜。」
「あ、オーロラみたいかも!」
「某倶楽部会員になる?」
「会費高そ〜!」
「そこは全額会長持ちってことで。」
「頼めば出してくれそう。優しいから。」
「ちょっと舐めてるな?」
「あはは、そんなことないよ〜」
2人でこうして一緒にいられるだけで本当に幸せで、楽しくて、不満なんてひとつも無い。
「でも、一回でいいかな〜?」
翔ちゃんが呟きながら、また桜を見上げる。
少し無理をして笑うとき瞬きが増える。
「翔ちゃん…?」
「相葉くんと2人で時間いっぱい使って四季を思いっきり楽しみたいけど、う〜ん、それは一回でいいかな?」
言っている意味がすごく分かるのは俺も同じように思っているから。
死ぬまで2人で一緒にいたいけど、2人だけでいたいんじゃない。
翔ちゃんがいてくれたら幸せだけど、翔ちゃんだけといたいんじゃない。
「来年は、みんなでこよっか。」
俺の言葉はどうしようもなく不確かに聞こえた。
翔ちゃんは目を閉じて深く息を吸って、答える。
「そうだね。最強の春にしたい…あ!」
翔ちゃんは急に立ち上がってベンチの下に置いていたリュックを開けた。
「え?なになに!?」
「忘れてた!」
翔ちゃんはすっかり温くなってしまっているのか水滴ひとつついていないペットボトルのサイダーを2本取り出した。
「うわぁ、もうぬるいや〜」
言いながら翔ちゃんが一本手渡してくれる。
「ねぇ、しかもこれ飲みかけじゃない?」
「そう、冷蔵庫に飲みかけのペットボトル溜まりがちなんだよね〜消費しようと思って持ってきた。2本とも飲みかけ。」
えへへと笑って、また横に座る。
「何で一本あるのに、同じの買っちゃうの?」
「コンビニ行くと忘れて買っちゃうんだよね〜」
「しっかりしてんのか抜けてんのか分かんないよね、翔ちゃんって。」
翔ちゃんは、あははと人差し指でこめかみをかく。
飲みかけのそれは蓋を開けてもプシュッとならなかった。
炭酸が抜けかけているサイダーは微かにシュワシュワと音を立てている。
弾けきれない炭酸と子供の頃から変わらない味がなんだか今の俺らみたいに思えた。
「来年はちゃんと新しいやつ買っていくから。」
翔ちゃんがペットボトルのラベルをいじりながら、はにかんで言った。
「頼んだよ?最強の春サイダーさせてね?」
ふふっと笑ってから、任せてよと片眉をあげて言う。
辛い時ほど笑う人だから心配になる。
誰も傷つかないように、みんなが楽しめるように自分が無理をすればいい。そう考える人だから守りたいと思う。
俺の考える最強の春サイダーは、
桜がよく似合うあなたが桜の下で大好きな人達と無邪気に笑う横顔をつまみにサイダーを飲むことです。
少し冷たくなった風が吹き抜けて、夕方への差し掛かりを感じさせた。
サイダーを飲みながら遊んでいる子供達を優しい眼差しで見ている翔ちゃん。
これからもずっと俺の横にいて欲しい。
俺は本当に、
「翔ちゃんが好きだーーーーー!!」
「ぇ?え?…いきなり、どうしたーーーー!!」
今年は2人で微炭酸なサイダーが丁度いい。
来年はみんなで。