続きです!

 

また相葉くん視点👀

 

 

相櫻

BL

 

 

自己責任でお願いします🙇🏻‍♀️

 

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松潤が予約してくれたのは意外に大衆居酒屋で、退勤後のサラリーマンで賑わっていた。

仕事終わりでクールビズなスーツ男が5人、なんとも不思議な感じがする。

 

 

「松潤くんならもっとオシャレな店かと思った〜」

 

 

呑気な大野くんがふにゃっと笑って言う。

依頼を通して松潤と大野くんの距離は縮まっているようで、初対面の頃よりもずっと雰囲気は和やかだ。

 

むしろ気まづいのは

 

 

「相葉さん。飲むペース考えた方がいいですよ。」

 

「え?」

 

 

店についてから何杯目か分からないハイボールを飲み干してグラスを置いた。

 

 

「相葉くんって確かお酒強くなかったよね?」

 

 

相変わらずイケメンな顔で聞いてくる松潤の横にいる櫻井くんが視界に入って気まづい。

 

どんな顔して会うのが正解なのかわからなくて、手持ち無沙汰にお酒を飲んでしまう。

 

すでに回り始めたアルコールがふわふわとさせて身体が熱い。

 

 

「あ、すいません。お冷ください。

相葉さん今日の昼忙しくてちゃんと食べれてないから空きっ腹なのにそんなピッチで飲んだらダメでしょ?」

 

 

隣のニノがテキパキと取り皿に唐揚げやサラダを取り分けて俺の目の前に置く。

 

 

「お、おぉ、ありがと。」

 

「あはは、二宮くんは相葉ちゃんの彼女みたいだね〜」

 

 

何気ない大野くんの発言に空気がピリついた気がした。

 

 

「ん?俺なんかまずいこと言った?」

 

 

察した大野くんが心配そうに尋ねる。

 

一瞬の沈黙を破ったニノが

 

 

「お、俺はどちらかというと相葉さんの弟ですよ!ほら、しっかり者の弟とダメな兄、的な?ね!相葉さん!」

 

「う、うん。そうそう」

 

 

働かない自分の脳の代わりに場の空気を保ってくれたことに感謝しながら、また目の前のグラスを傾けた。

 

 

「あ、それ…」

 

「え?」

 

 

前に座っている櫻井くんがやっと言葉を発したと思ったら、俺の手にあるグラスを苦笑いで指差す。

 

 

「それ…俺の…」

 

「え!ご、ごめん!すぐ新しいのもらうから!」

 

 

それから店員さんに櫻井くんのお酒を注文して、ニノと松潤中心に進む会話を聞きながらまた気まづさに耐えてお酒を飲んだ。

 

そのうちだんだんと声が遠くなっていく。

 

櫻井くんの飲み物がいつ運ばれたのかは覚えていない。

 

うっすらと聞こえたきた会話は

夢の中なのか、現実なのか。

 

いつの間にか無意識の世界に落ちてしまっていた。

 

 

最近は仕事も忙しくその上櫻井くんのことも気になって、気持ち的に疲れていたからお酒のまわりがいつもより早かったんだろう。

 

 

櫻井くんが目の前で頬杖をつきながら俺を見つめる。

 

それは疲れた身体にアルコールが悪さして見せる幻だろう。

 

 

 

  夢か〜…夢ならいいか〜。

 

 

 

隠すのが難しいほど大きくなった櫻井くんへの感情のタガが外れてしまっても、夢の中だから何を言っても大丈夫。

 

 

「可愛い…」

 

 

机の上で組んだ腕を枕にしながら呟き、驚いた顔を赤らめる櫻井くんを見上げる。

 

 

 

  現実でそんな顔されたら欲しくなっちゃうんだろうな…

 

 

 

「俺のこと、好きになればいいのに…」

 

 

そんな本音を素直に伝えたって夢の中だから、

櫻井くんは嫌な顔をしないのが嬉しい。

 

パチパチと瞬きしてまん丸な目で俺を見るから小動物みたいで抱きしめたくなった。

 

夢だからいいか、と伸ばしたでで櫻井くんの頬を撫でれば少しくすぐったそうにして照れながら上目遣いに見つめてくる。

 

その顔にうずく下半身。

夢で興奮して固くなるなんて盛り始めの中学生だな。

 

 

 

もう成人して3年経つんだぞ…勘弁してよ、俺…

 

 

 

 

 

近くにある温い体温と夏の夜風が少し涼しく、アルコールで熱くなった体温を冷ます感覚。

 

少し感じる喧騒から思考は遠くなっていく。

 

 

 

「だ、大丈夫?」

 

 

白い天井と俺を覗き込む櫻井くん。

まだ夢の途中らしい。

背中に感じる柔らかなシーツの感触。

 

 

「み、水、飲む?」

 

 

ペットボトルを差し出され、受け取る感触がやけにリアルだ。

 

 

「なんで、櫻井くんが?」

 

 

掠れた自分の声。

 

 

「その…心配で…」

 

 

耳に届く声はやけに鮮明だが、

櫻井くんが俺の心配なんかするわけないから夢だとわかる。

 

 

ずいぶんリアルな夢だな。

しかも櫻井くんが出てくるなんて…

俺、たまってんのかな?

 

 

「だ、大丈夫?水、飲める?」

 

 

ぎこちなくも優しい声が心地いい。

ずっと聞いていたくなる。

 

俺はこの声をもっと前から知っている気がする。

あの雷の日より前に。

 

優しい眼差しは自信なさげに揺れている。

高校の頃の眼鏡の奥に隠されていた瞳と変わらず綺麗で、愛おしい。

 

 

「櫻井くん…」

 

「な、なに?大丈夫?」

 

「好きだよ。」

 

「っ!」

 

「全部許して、俺のこと好きになってよ…」

 

 

手を伸ばして櫻井くんの頭の後ろに手を添えて、近づける。

夢の中の櫻井くんは都合よく従順で、抗うことなく唇を重ね合わせてくれた。