続きです!
※相櫻
※BL
自己責任でお願いします🙇🏻♀️
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最悪な時間はいつも永遠に長く、終わらない。
父の寝室は家の1番の奥の部屋だが、同じ屋根の下では愛しい弟たちが気持ちよく眠っているという背徳感に襲われる。
「なんでこんなに似てくるんだか…」
「ンッ…やめ…父さ…」
「声出すなよ、冷めるだろ?」
「ンッ…ン…」
何度繰り返されても
慣れることも、慣れたくもない行為。
「お前が俺の言うこと聞いてれば雅紀も和也も不幸にならないからな」
「ンアッ…」
「簡単なんだよ。お前を、雅紀と和也を潰すことくらい。」
父に抱かれる関係を複雑なんて言葉で片付けるのは許せないくらいだ。
気持ち悪くナカに押し込められる質量に初めのうちは我慢できずに吐いていた。
その度に殴られて、腹を蹴られた。
1番最初は雅紀が家を出てから数日後だった気がする。
父さんが俺を部屋に呼んでこう言った。
『おばあちゃんがな、体裁悪いから雅紀とお前を捨てろって言ってきた。』
『え…?』
『出来のいい和だけ残せって。』
『そんな…。俺と雅紀は…?雅紀は中学に入学したばっかりだし、今捨てられたら』
『お前、死んだ母さんに似てきたよな。』
『…と、父さん?』
『捨てられたくなかったら言うことを聞きなさい。』
それ以外の選択は取れなかった。
雅紀と和を守るためには従うしかなかった。
ボロボロの身体をなんとか動かして風呂場に着いた頃、時刻は深夜3時を回っていた。
「…明日も学校なのに。」
雅紀の夢も叶えさせてやりたい、和を1人にすることもできない。
ただ俺が我慢すればいいんだ。
強く握られていた手首に残る手形が赤くなっていて、シャワーでいくら流したって消えてくれない。
「…ウウッ、なんで…こんな…」
鏡に映った汚い身体と母によく似た顔。
苦しそうな自分の表情が最後に見た母と重なって、ズキズキと胸を痛める。
自分の肩を両手で抱いて蹲っても心は冷たく凍りついたままで、シャワーが勝手に温かいお湯を降らしているだけだ。