日本はなぜ幸福度ランキングが低いのか? | OWNDAYSの社長のブログ

日本はなぜ幸福度ランキングが低いのか?

 

前回のブログ「幸せという名の不幸の呪文」

に続けて、もう少しだけ、幸せという不幸の呪文について話したい。

 

世界の幸福度ランキングで日本はすごく低い位置にいる。(156カ国中58位)

 

これだけ豊かで何の不自由もない国なのに、日本人の幸福度はとても低い。

それこそ、前回語った、身近な他人と比較して得られる「幸せという不幸の呪文」

に日本人がみんな囚われてしまっている証拠だ。

 

幸福度の低い大きな原因は

 

「日本が島国だ」

 

ということにあると思う。

日本は国土が他国の国境に接していない。

すぐ隣に自分たちより困難な状況に

あえぐ人たちの国がない。

 

もし北朝鮮がすぐ隣町にあれば

「日本に生まれてよかった」と

ほとんどの人が思うだろう。

 

でも日本人は

自分たちより過酷な境遇に喘ぐ人たちを

すぐ間近で見る機会があまりない。

 

だから既に手にしている豊かさを

実感することができず

「自分たちは不幸だ」

と思い込んでしまいやすい。

 

韓国は北朝鮮と隣り合っている。

国境を越えると

同じ民族が同じ言葉を話しているのに

給料が40分の1になってしまう。

 

自由も奪われ、まともな医療も受けられず

先進国では大したことのない病気でも亡くなってしまう人が大勢いる。

 

韓国人の友人に話を聞くと

「北朝鮮に生まれなくて

韓国に生まれて本当によかった」

と口を揃えて言う。

 

日本人は、自分たちが世界の中で

まだまだ恵まれた環境に住んでいるのに

それを幸せなことだと感じている人が

あまりに少ない。

 

「俺は家が貧乏だから」

 

と言う人がいる。

 

「俺は学歴がない」

 

「家柄がない」

 

と言う人もいる。

 

でも世界中で数十億の人たちは

そんな日本人よりも

遥かにハンディキャップがあって

劣悪な環境にいるのは

揺るぎのない事実だ。

 

「自分たちが手にしている豊かさを実感できない」

 

これはとても不幸な事だ。

 

日本が長年に渡って停滞してしまっている

原因の一つでもあると思う。

 

「幸せ」の本質的な意味

それは「状態」を表すものではなく

個々人の刹那的な「感情」であると

前回のブログでぼくは書いた。

 

そしてそれは、幸福度ランキング

そのものを紐解いていくと

より理解しやすくなる。

 

そもそも

幸福度ランキングにおける各国のスコアは

どんな基準によって決められているのかを

あなたは知っているだろうか?

 

この調査における「幸福度」と言うものは

主に6つの要素により構成されている。

 

1.人口当たりGDP

2.健康寿命

3.社会的支援

4.人生の選択肢の自由 

5.寛容さ

6.腐敗の認識

 

このうち、人口当たりのGDPと

健康寿命の2つの項目以外は

全国民から入手した客観的なデータではなく

手間や費用を省くために

一部の人だけを選んで調べる

「標本調査」によって測られた

個人の主観的な値が使われている。

 

例えば、2019年時点での1人当たりGDPと

健康寿命の客観的なデータだけで

日本と韓国を比較してみると

日本の方が韓国より

上の位置にいるのは確かである。

 

しかし幸福度ランキングを見ると

韓国の方が上に来ている。

 

これは幸福度ランキングの

説明変数のマジョリティを占める

 

「国民の主観や掴み所のないムード」

 

が日本の場合は

マスメディアなどの捻じ曲げられた報道で

圧倒的にネガティブな方に傾いている事に

影響されている気がしてならない。

 

ぼくは何も

 

「幸福度ランキングの評価基準が

間違っているから意味がない」

 

と言いたいのではない。

 

むしろこれらの基準は

 

「幸せ」

 

という言葉の使われ方が

個人の揺れ動く感情であることの証拠であって

 

日本人の多くが必要以上に

ネガティブになってしまっていることの

証明ではないのか?

ということを問いたいのだ。

 

多くの日本人には日本国内しか見えていない。

もしすぐ隣に自分より劣悪な環境で

苦しみもがいている人たちがいたら

 

「せっかく自分は

こんないい環境にいるんだし

もったいないから

諦めずに頑張ってもっと努力してみよう」

 

という気持ちになる人も多いだろう。

 

しかし、自分が既に手にしている

豊かさに気づいていないから

自分の置かれた境遇を必要以上に悪く捉え

 

嘆き、悲しみ、自分で自分の可能性を

殺してしまってるように見えてならない。

 

今の日本人は、日本に生まれた時点で

人生を豊かに生きていく為に

必要な可能性を沢山持たされている。

 

自分たちの両親や祖父、先人たちの世代が

そういう環境を死に物狂いで

頑張って作ってきてくれたのだ。

 

それを正当に評価し

効果的に活かさないのは

すごく勿体無いことだと思う。

 

日本のパスポートを持っていれば

世界中の国々へ気軽に行くことができる。

日本のパスポートの信頼度は単独世界一位だ。

 

でもみんな日本国内から出ていかないから

その有利さにも気づけない。

 

世界を冷静に見渡せば

日本人のぼくたちに

配られたカードはものすごくいい。

 

「衰退する日本の中の日本人」

 

と言われると

閉塞感に支配されてしまいそうになるが

 

「急成長しているアジアの中の日本人」

 

という視点で見ると

日本人が持っている有利さや可能性は

まだまだ山のようにある。

 

だいたい、自分が不幸だと思っていても

何一ついいことなどない。

 

それなのに日本人は

マスコミや政治家などによって

 

「日本は貧しくなっている、高齢化社会に人口減

お先真っ暗で不幸だ。このままでは日本は滅亡する」

 

そんな言説に洗脳されすぎている。

マスコミや政治家はそう言っておいたほうが

得をするのかもしれない。

 

過剰に日本の現状を悪く言って

「見えない敵」を作り出され

そこに向かって先導されてしまう。

これは、すごく危ないことでもある。

 

政治家の山本太郎氏が言っていた

象徴的なワンフレーズがある。

 

「日本の若者の死亡原因1位は自殺だ」

 

というものだ。

 

「日本の若者10代20代30代の

死亡原因の1位はなんだかみなさん知ってますか?

自殺なんですよ!いちばん若い子が死ぬ理由が

自殺だなんてこんな酷い国に誰がしたんだ!」

 

と言って不安と悲しみを声高に煽る。

 

確かに自殺で多くの人が自ら命を経つのは

とても悲しいことだと思う。

 

でもそれを言うなら

若い人の死亡原因1位が何だったら満足なんだ?

 

「若者の死亡原因1位が自殺」

 

という現象は、こういう見方もできる。

 

それは

 

「自らの意思で命を断つ人たちよりも

病気や、事故や、暴力によって、無念の中で

強制的に命を絶たれる人の方が圧倒的に少ない」

 

ということでもある。

 

彼は「死亡率」には言及しない。

日本の乳幼児死亡率は

世界でもぶっちぎりで最低だ。

 

癌や難病に冒されても

日本は所得に関係なく

最先端の医療が清潔で

質の高い医師によって

しっかりと受けられる。

 

戦争もなければテロも起きない。

宗教対立・迫害で殺される人もいない。

 

世界中では、綺麗な水が飲めないのが原因で

体を壊し、赤痢やコレラなどの病気で

いまだに毎年たくさんの子供が死んでいる。

 

フィリピンに行けば

麻薬で死ぬとか拳銃で撃たれて死ぬ人も大勢いる。

 

世界一の経済大国であるアメリカでは

3分に1人が銃に撃たれて死んでいる。

 

中東では空爆や迫害で

今日も大勢の人が死んでいる。

 

そう考えれば

自殺がいちばんの死亡原因になっていることは

他の国の若者からしたら「とても良い国だね」

と言われるかもしれない。

 

日本は銃で撃たれる心配もなければ

戦争もない。

 

街を歩いていて

いきなり襲われたり殺されることもほぼない。

 

ホームレスですら倒れていれば

救急車で運んでもらえる。

 

海外に行くと

ホームレスは「物乞い」をしている。

 

「お金をください」

 

と言って空き缶を置き

地べたに頭をつけている。

 

ところが日本では

ホームレスが

「お金くれ」と言いながら

袖を掴んできたりしない。

 

なぜだろうか?

 

日本のホームレスはお金をもの乞いせずとも

生活できているからではないのか?

 

「日本は貧しい」

と言えば言うほど、得をするのは誰か? 

利権がどんどん増えていくのは誰か? 

 

そこもしっかりと見極めなければいけないと思う。

 

「貧しいから、もっとこれをやりましょう」

「あれをやりましょう」

 

と言えば

どんどん何処かで

誰かの利権は増えていく。

 

国家の責任は

「国民の生命、財産、安全を守ること」

 

そして「教育」だ。

 

今の日本では海外と比較しても

これらは十分に施されている。

 

もちろん

 

「海外に比べて日本は幸せなんだから

文句を言うな!」

 

と言う気は

ぼくも毛頭ない。

 

人間関係や経済的に困窮し

いわゆる「相対的貧困」に悩み苦しみ

自ら命を断つ人たちを救う努力は、みんなでしなければいけない。

 

家庭環境、特に親の問題で

本来、日本人なら

得られるべき権利を

行使できない子供たちも

無視できないほどに増え続けている。

 

相対的貧困に追いやられた親のせいで

人生を棒に振ってしまう子供たち。

 

そういう子どもたちを救う努力は

みんなでしなければいけない。

 

でも、その為に必要なのは

多くの一般的な家庭に育ったみんなが

「幸せ」という尺度の曖昧な基準を追いかけ

いたずらに不幸を叫ぶのではなく

 

きちんと、いま既に手にすることができている

豊かさを実感して

その価値を十分に活用して

さらに豊かさを増やし

 

相対的貧困に苦しむ人たち

特に未来ある子どもたちを

サポートしてあげられるだけの

余裕を持てるようになることじゃないのだろうか?

 

結局、人間は配られた手札で勝負するしかない。

 

それが現実だ。

 

だからこそ、今自分が置かれている状況を

ただ嘆き悲しみ

自分よりいいカードを持っている人を

僻んでもしょうがないし

 

持っていない人を蔑んだり

哀れんでも何も解決なんてしやしない。

 

 

自分に配られたカードの可能性を

最大限に活用して努力をして

自分がいかに成長して

豊かな人生を送れるかを考えた方が

人生は絶対に楽しいし

日本の社会全体も成長し

豊かになっていくはずだ。

 

だから

ことさらに不幸を強調し

不安を煽り

さもあなたに

有利なカードが配られていないかのように

思わせてくる人たちには

騙されないようにしてほしい。

 

 

今回はステマでもなんでもない

4月くらいに発売予定の新刊本に

掲載予定の内容を先に出すことで

どんな反応や感想が寄せられるかを調査する

マーケティングでした。

 

ちょっとそれ違うんじゃない?

もっとこういう書き方の方が良いんじゃない?

ここもっと掘り下げて聞きたいなー

そんな意見をドシドシ募集しとります。

 

次回もベストセラー目指すぞ!

ふんがっふっふ。