『心機一転・・・?』
『そうだよ。今から心機一転。
これから新たな気持ちで二人で頑張ろうよ。』
『どういうこと・・・?』
『オレはずっと気持ちは変わらないよ。』
『オレと結婚してくれ・・・。』
一気に冷静になった。
今風に言えば、KY だ・・・。
なぜ、こんなときにプロポーズ?
元彼は、以前にも書いたけれど、誕生日とクリスマスには必ずプロポーズしてきた。
今年も、そのセオリーを守ったわけね。
でも、今年は状況が違うと思うんだけど。
『あのね、わかってる?
私には今、好きな人がいて・・・。』
『わかってるけど、それは一時の気の迷いだよ。
キミの事はオレがいちばんわかってるさ。
キミはオレのところに絶対戻ってくるよ。』
コイツはナルシスト・・・?
私はこうやって人に決めつけられることが苦手だ。
誰でもそうかな?
強制されると反発する。
でも、かつてのラブラブの時期のようには反論しなかった。
もう、元彼の秘められた(?)性格はだいぶわかっていた。
元彼は表面では束縛はしないけれど、暗に束縛をしてくる。
もしかしたら、とんでもないヤキモチオトコかもしれない。
それに、自分に相当な自信を持っている。
これはとてもいいことだけれど、時折、自信過剰なところがある。
それが不愉快に感じることも少なくなかった。
元彼の
『キミはどうやって頑張っていても、オレの手のひらから離れられないんだよ。』的な考えが感じられて、無性に腹が立った。
私はあなたの自由になんかならない!
『勝手にそう思わないで。』
私は醒めた声で言った。
こうなったら言うしかない。
『ごめん、私、彼(元夫)が好きだから。
あなたとはもう会えない。』
一気に言った。
元彼は一瞬唖然としていた。
元彼の描いていた筋書きと違ったのね。きっと。
気まずい雰囲気になった私たちは居酒屋さんをあとにした。
そして二人で無言のまま、横断歩道を渡っていた。
いきなり元彼が私の肩を引き寄せた。
そして、横断歩道の真ん中でキス・・・。
『幸せになれよ。ありがとう・・・。』
そのまま、元彼はタクシーに乗った。
残された私は呆然・・・。
元彼なりの演出?かもしれないけれど、三流のお芝居の結末のようで・・・。
結局、元彼はカッコよく去りたかったのね。
それが元彼の精一杯の虚勢だったんだと思う。
でも、全然カッコよくないと思うけど^_^;
なんだか、今思い返しても滑稽な幕切れだった。
このあと、離婚してからまた元彼と再会することになります・・・。
それはまた後日、書きますね。