いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。
素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)
魔人の駄作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。
暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``
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逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11><12><13><14><15>
逃げる彼女をつかまえろ!第16話
「はぁ~~今日も疲れた……昨日は早く寝たのに……。でも、顔合わせって緊張するし、疲れて当たり前かも。私みたいなペーペーからすると、ほぼ全員が大先輩だものね……ふぅ」
独り言で出した大先輩という単語に、ついあの先輩を思い浮かべてしまうのは、久し振りに味わってしまった、ちょっぴり濃いめのスキンシップのせいなのか、はたまた胸の奥に隠した恋心のせいなのか。
(敦賀さんにお会いするのは久し振りだったけど、私の顔は忘れられていなかったみたいよね)
自分の地味な顔などしばらく会わないうちにスッカリ忘れられており、蓮に会っても、へのへのもへじ状態でしか記憶されていないので気づいてもらえないかもしれない!と、妄想としか言えない思いつきに、憤慨していたのは昨晩のこと。
実際には忘れられているどころか、毎日あらゆる記録媒体の己をガン見され、ほぼストーカーされているのに、にぶにぶ乙女は暢気なものである。
(……今日の敦賀さん……なんだか可愛かったかも)
同じ物体を前にしても、社とキョーコでは、随分感想が違う。
(久々にお会いするから、ずぅーーーと続いてる私の失礼に対して大魔王が出ちゃうんじゃないかって、心配してたけど、大丈夫だったし!まぁ、あんな場所でカイン丸になられちゃったのは困ったけど!)
大魔王の降臨はなかったが、最後の方には、羊の皮をかぶったオオカミに、セクハラを受けていた少女。しかし、にぶにぶ乙女は、やっぱりニブイのでまったく気づいていない。
(でも、そのせいで、ある意味冷静に対処できてヨカッタかも?)
カインモード並みの恥ずかしいスキンシップをされても、セツに成ることなく、素で対処できたのは、キョーコ的には喜ばしいことであった。
「成らずに済む程慣れて来ちゃったってのもあるけど……ゴニョゴニョ」
(流石の私も、あんなところでアホ面さらす訳にはいかないものね!)
社からすると、蓮は晒しかけてたらしいが。
(うん、そうよねぇ。カイン丸は世間様にお見せしちゃ駄目よね!可愛いけど……天下の「敦賀蓮」だし?)
あの「危険物と化した敦賀蓮」を、世間様にお見せしちゃうことがあれば、社氏は胃痛で病院送り確実であるが、キョーコはそこまで酷い姿とは思っていない。
キョーコの目から見れば、可愛く思ってしまう捨てられそうな仔犬の様な蓮が、マネージャー社の判断では「危険物と化した敦賀蓮」扱いとなるなど、想像すらしていないのであった。
(今日は久々に抱っこされて……ギュウってされたけど……夜の帝王というより、寂しがりやな子供みたいだったからかしら?そんなにドキドキしなかったわ)
どうやら、キョーコが落ち着いてみえたのはこんな訳だった模様。
(ちょっとキュンとなっちゃったけどっ!私にもカケラくらいは母性愛があるのかしら?いや、違うわ!!そんなものがこの私にあるとは思えないもの!)
必死に言い訳を考えるキョーコ。
(えーーと、そうよ!ちょっと大きいけど、仔犬みたいだったから……)
「うん、この感情は動物愛的なものに違いないわ!」
(その仔犬が可愛いと思っちゃったんだから、仕方ないわよね?ちょっとくらいキュンとしても、可笑しくなんてないわよね?だって。社さんに時間だって言われたときのあの顔とか……)
「ぶふっ!」
あの顔とやらを思い出し、吹き出す乙女。キュンはどうしたのだろうか。
(まぁ、何にしろ、時間内にいつもの敦賀さんに戻ってもらえてよかったわ!)
「ついでにお弁当も渡せたし。皆さんの前では渡せないから、無駄になるかもって思ってたのよね。うん、終わりよければすべてよし、よね!」
本日も、独り言での自身への言い聞かせで1日を閉めるキョーコ。寮生活にも慣れ、その声は若干小さめである。
「明後日からは撮影に入るし、今日はもうちょっと勉強しとこう。目指せストレート合格よ、キョーコ!こんなプライベートな理由で、お仕事中の皆さんにいろんなご配慮をしていただいてるんだから!」
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
「蓮、まだ怒ってるのか?……仕方ないだろ?時間だったんだから」
「折角久々に最上さんを味わっていたのに」
「……なんかその言い方、イヤラシイぞ?」
「そうですか?」
(なに、そのシレッっとした態度は!朝は、あんなにヘタレてた癖にぃ!!子供みたいに、キョーコちゃんに縋ってた癖にぃー!)
あの時。
ソファーでキョーコを抱きしめた蓮に驚いた社。しかし、てっきり大騒ぎすると思っていたキョーコは何故か冷静で。
悲鳴もあげなければ、パニくることもなく……蓮の背中に手を回し、やさしく撫でていた。
冷静なキョーコを見て、しっかりパニくっていた社も正気にかえれた。
もしかして、慣れてるの?こういう蓮に?という疑問が浮かばない訳ではなかったが、社にはマネージャーとして、もっと気にするべきことがあったから、それは頭の隅に追いやった。
蓮の方は、勿論(?)撫でるだけではなかった。
頬やこめかみ、髪、そして腕。
あらゆるところにキスしまくっていた。
膝の上に抱きしめた状態のキョーコの身体。
その体勢のまま届く、あらゆる場所に。
普段は口と服に隠れた場所にもしてるんじゃないかと思ってしまう程、自然に。
爽やかさゼロで、ねちっこい感じなのが、蓮の状態を表していたが。
そして、社は、その過剰なスキンシップを1分ほど(我慢して)眺めたあと、蓮に声をかけたのだ。
「蓮。時間だ。戻るぞ」
その時点で、あの部屋を出て7分が経過していた。ギリギリに戻るわけにはいかないから、すぐにいつもの敦賀蓮に戻す必要があった。
社的には、キョーコの緊急補給は完了。
蓮が満足するまで待っていたら、一生待ちぼうけ!なので、蓮の判断は仰がない。
でも。
(あの時の蓮の顔ったら!!「がーーん!!」っていう効果音をつけたくなっちゃったよなぁ!)
「や、し、ろ、さん?」
「ぶくくく……な、何?」
「その思い出し笑いは何ですか?」
(きゃーー!闇の国の蓮さんがでかかってるぅ?こ、こんなときには、キョーコちゃんの話を!)!
「いや、何でもない。それより、キョーコちゃん、あんなに忙しいのにお弁当を用意してくれてるなんてビックリしたよな」
「///……ハイ」
(あ、ご機嫌が治った?よし、もう一押し!)
「今度の現場も受験応援態勢で、昼休憩も勉強させてもらうから、昼飯を一緒に食べたりはできないって言ってたけど……そんなに大変なのに、今日はお前のお弁当まで……キョーコちゃんは優しいなぁ」
「そうですね。久し振りに彼女のご飯が食べれて嬉しかったです」
(うんうん。抱擁を止めた時、悪化しかけたご機嫌が、あっという間に治るくらい嬉しかったんだよな!)
社の頭の中で再生されるそれ。
キョーコが、蓮を見上げながら言う。
「敦賀さん、体重落ちてますよね?駄目ですよ、ちゃんと食事されないと!今日はお弁当を作ってきたので、ちゃんと召し上がってくださいね?残しちゃ駄目ですよ?」
(あのときのお前の顔ったら!!「ぱぁーーーーー!!」っていう効果音をつけたくなっちゃったよ!って、俺、また思い出し笑いしそうになってるな、危ない、危ない)
「お前、完全に特別扱いされてるよな」
「///そうですか?」
「顔……緩んでるぞ。車の中とはいえ、人の目が皆無な訳じゃないんだから、気をつけろ」
「……はい……」
「明後日から、しばらくキョーコちゃん補給ができるんだから、ちゃんと堪能しておけよ?」
「///……ハイ」
「ただし、勉強の邪魔はするな。スタッフの応援態勢が凄いから、お前と戯れてたりするのを見られたら、キョーコちゃんが気にするぞ?こんなに応援していただいてるのに、皆さんに呆れられちゃう!ってな」
「……はい」
「邪魔にならない程度に、上手く堪能しろ!できるな?」
「はぁ……がんばります」
「よし!」
直接勉強の邪魔はしなくとも、結果的に邪魔になることもある。
というか、そう思われることもある。
そう社が気づくのは、5日後のことで。
今日の時点では、蓮が共演というカタチでキョーコ補給できることを只々喜んでいた。
<17>に続く
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独り言で出した大先輩という単語に、ついあの先輩を思い浮かべてしまうのは、久し振りに味わってしまった、ちょっぴり濃いめのスキンシップのせいなのか、はたまた胸の奥に隠した恋心のせいなのか。
(敦賀さんにお会いするのは久し振りだったけど、私の顔は忘れられていなかったみたいよね)
自分の地味な顔などしばらく会わないうちにスッカリ忘れられており、蓮に会っても、へのへのもへじ状態でしか記憶されていないので気づいてもらえないかもしれない!と、妄想としか言えない思いつきに、憤慨していたのは昨晩のこと。
実際には忘れられているどころか、毎日あらゆる記録媒体の己をガン見され、ほぼストーカーされているのに、にぶにぶ乙女は暢気なものである。
(……今日の敦賀さん……なんだか可愛かったかも)
同じ物体を前にしても、社とキョーコでは、随分感想が違う。
(久々にお会いするから、ずぅーーーと続いてる私の失礼に対して大魔王が出ちゃうんじゃないかって、心配してたけど、大丈夫だったし!まぁ、あんな場所でカイン丸になられちゃったのは困ったけど!)
大魔王の降臨はなかったが、最後の方には、羊の皮をかぶったオオカミに、セクハラを受けていた少女。しかし、にぶにぶ乙女は、やっぱりニブイのでまったく気づいていない。
(でも、そのせいで、ある意味冷静に対処できてヨカッタかも?)
カインモード並みの恥ずかしいスキンシップをされても、セツに成ることなく、素で対処できたのは、キョーコ的には喜ばしいことであった。
「成らずに済む程慣れて来ちゃったってのもあるけど……ゴニョゴニョ」
(流石の私も、あんなところでアホ面さらす訳にはいかないものね!)
社からすると、蓮は晒しかけてたらしいが。
(うん、そうよねぇ。カイン丸は世間様にお見せしちゃ駄目よね!可愛いけど……天下の「敦賀蓮」だし?)
あの「危険物と化した敦賀蓮」を、世間様にお見せしちゃうことがあれば、社氏は胃痛で病院送り確実であるが、キョーコはそこまで酷い姿とは思っていない。
キョーコの目から見れば、可愛く思ってしまう捨てられそうな仔犬の様な蓮が、マネージャー社の判断では「危険物と化した敦賀蓮」扱いとなるなど、想像すらしていないのであった。
(今日は久々に抱っこされて……ギュウってされたけど……夜の帝王というより、寂しがりやな子供みたいだったからかしら?そんなにドキドキしなかったわ)
どうやら、キョーコが落ち着いてみえたのはこんな訳だった模様。
(ちょっとキュンとなっちゃったけどっ!私にもカケラくらいは母性愛があるのかしら?いや、違うわ!!そんなものがこの私にあるとは思えないもの!)
必死に言い訳を考えるキョーコ。
(えーーと、そうよ!ちょっと大きいけど、仔犬みたいだったから……)
「うん、この感情は動物愛的なものに違いないわ!」
(その仔犬が可愛いと思っちゃったんだから、仕方ないわよね?ちょっとくらいキュンとしても、可笑しくなんてないわよね?だって。社さんに時間だって言われたときのあの顔とか……)
「ぶふっ!」
あの顔とやらを思い出し、吹き出す乙女。キュンはどうしたのだろうか。
(まぁ、何にしろ、時間内にいつもの敦賀さんに戻ってもらえてよかったわ!)
「ついでにお弁当も渡せたし。皆さんの前では渡せないから、無駄になるかもって思ってたのよね。うん、終わりよければすべてよし、よね!」
本日も、独り言での自身への言い聞かせで1日を閉めるキョーコ。寮生活にも慣れ、その声は若干小さめである。
「明後日からは撮影に入るし、今日はもうちょっと勉強しとこう。目指せストレート合格よ、キョーコ!こんなプライベートな理由で、お仕事中の皆さんにいろんなご配慮をしていただいてるんだから!」
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
「蓮、まだ怒ってるのか?……仕方ないだろ?時間だったんだから」
「折角久々に最上さんを味わっていたのに」
「……なんかその言い方、イヤラシイぞ?」
「そうですか?」
(なに、そのシレッっとした態度は!朝は、あんなにヘタレてた癖にぃ!!子供みたいに、キョーコちゃんに縋ってた癖にぃー!)
あの時。
ソファーでキョーコを抱きしめた蓮に驚いた社。しかし、てっきり大騒ぎすると思っていたキョーコは何故か冷静で。
悲鳴もあげなければ、パニくることもなく……蓮の背中に手を回し、やさしく撫でていた。
冷静なキョーコを見て、しっかりパニくっていた社も正気にかえれた。
もしかして、慣れてるの?こういう蓮に?という疑問が浮かばない訳ではなかったが、社にはマネージャーとして、もっと気にするべきことがあったから、それは頭の隅に追いやった。
蓮の方は、勿論(?)撫でるだけではなかった。
頬やこめかみ、髪、そして腕。
あらゆるところにキスしまくっていた。
膝の上に抱きしめた状態のキョーコの身体。
その体勢のまま届く、あらゆる場所に。
普段は口と服に隠れた場所にもしてるんじゃないかと思ってしまう程、自然に。
爽やかさゼロで、ねちっこい感じなのが、蓮の状態を表していたが。
そして、社は、その過剰なスキンシップを1分ほど(我慢して)眺めたあと、蓮に声をかけたのだ。
「蓮。時間だ。戻るぞ」
その時点で、あの部屋を出て7分が経過していた。ギリギリに戻るわけにはいかないから、すぐにいつもの敦賀蓮に戻す必要があった。
社的には、キョーコの緊急補給は完了。
蓮が満足するまで待っていたら、一生待ちぼうけ!なので、蓮の判断は仰がない。
でも。
(あの時の蓮の顔ったら!!「がーーん!!」っていう効果音をつけたくなっちゃったよなぁ!)
「や、し、ろ、さん?」
「ぶくくく……な、何?」
「その思い出し笑いは何ですか?」
(きゃーー!闇の国の蓮さんがでかかってるぅ?こ、こんなときには、キョーコちゃんの話を!)!
「いや、何でもない。それより、キョーコちゃん、あんなに忙しいのにお弁当を用意してくれてるなんてビックリしたよな」
「///……ハイ」
(あ、ご機嫌が治った?よし、もう一押し!)
「今度の現場も受験応援態勢で、昼休憩も勉強させてもらうから、昼飯を一緒に食べたりはできないって言ってたけど……そんなに大変なのに、今日はお前のお弁当まで……キョーコちゃんは優しいなぁ」
「そうですね。久し振りに彼女のご飯が食べれて嬉しかったです」
(うんうん。抱擁を止めた時、悪化しかけたご機嫌が、あっという間に治るくらい嬉しかったんだよな!)
社の頭の中で再生されるそれ。
キョーコが、蓮を見上げながら言う。
「敦賀さん、体重落ちてますよね?駄目ですよ、ちゃんと食事されないと!今日はお弁当を作ってきたので、ちゃんと召し上がってくださいね?残しちゃ駄目ですよ?」
(あのときのお前の顔ったら!!「ぱぁーーーーー!!」っていう効果音をつけたくなっちゃったよ!って、俺、また思い出し笑いしそうになってるな、危ない、危ない)
「お前、完全に特別扱いされてるよな」
「///そうですか?」
「顔……緩んでるぞ。車の中とはいえ、人の目が皆無な訳じゃないんだから、気をつけろ」
「……はい……」
「明後日から、しばらくキョーコちゃん補給ができるんだから、ちゃんと堪能しておけよ?」
「///……ハイ」
「ただし、勉強の邪魔はするな。スタッフの応援態勢が凄いから、お前と戯れてたりするのを見られたら、キョーコちゃんが気にするぞ?こんなに応援していただいてるのに、皆さんに呆れられちゃう!ってな」
「……はい」
「邪魔にならない程度に、上手く堪能しろ!できるな?」
「はぁ……がんばります」
「よし!」
直接勉強の邪魔はしなくとも、結果的に邪魔になることもある。
というか、そう思われることもある。
そう社が気づくのは、5日後のことで。
今日の時点では、蓮が共演というカタチでキョーコ補給できることを只々喜んでいた。
<17>に続く
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