「不安な夜1」
「不安な夜2」
「不安な夜3」
「不安な夜4」


只今「不安な夜1」をリク罠にした魔人的お祭り開催中!
始まりはひとつ、終わりは幾通りも!!な
パラレルエンディング★リク罠 「不安な夜」
続編お披露目特設お祭り会場はこちらо(ж>▽<)y ☆





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「不安な夜5」


「モー子さぁぁあああああああん、久し振りぃぃぃぃぃ、会いたかったぁあああああああ!」

「ちょ、キョ、あんた!!もー!!!急に抱きついてこないでって、いつも言ってるでしょー!もー、離しなさいよっ!」

やわらかな身体に抱きついたままチロリと視線を上げてみれば、目の前に親友の赤くなった耳が見え、投げかけられたキツイ言葉が頭の中で甘いものへと変換される。

(モー子さんったら、ツンデレなんだからーw)

「うふふ、モー子さんとランチデートだなんて、本当久し振りで嬉しくって!!ああ、嬉しい!3か月振りくらい?寂しかったのよ?モー子さんとゆっくり会えなくて」

親友の身体を解放し、自分より少し上にあるその顔を覗き込むようにして、喜びを伝える。

「なっ、なっ、なっ!!あんた、その顔反則っ。もーーー!!(やめなさいって、いつも言ってるのに毎回見せるんだから!)

「えー?そんなに気持ち悪い?でも、嬉しくてどうしてもにやけちゃうんだもの」

「そ、そうじゃないけどっ!も、もういいわ、早く行きましょう!今日はいつもの店の個室の予約が取れなかったから、別のとこなのよ。ちょっと遠いし、時間もないから車でいくわよ。あんた次の仕事は16時からだったわよね?」

「うん、TBKに16時。モー子さん今日は車できたの?まだ運転に自信ないから仕事には使ってないんでしょ?それにもう1時だけど、そこのお店のランチタイムは大丈夫?」
「平気よ、1時半の予約だし、そこはランチタイムって区切りはないから」
「へー、それは嬉しいかも」
「ふふ、こないだ教えてもらったのよ。カジュアルフレンチでお魚が美味しいらしいのよ」

「フレンチなんて久し振りだし、モー子さんが選んでくれたんだから、ヘルシー系なのよね?」
「当然!おまけに美容にいい食材をたんまり使ってるらしいのよ」

「へーーー、それは楽しみ!味を覚えてモー子さんに差し入れできるといいなぁ」
「ふふ、よろしくね。期待してるわよ」

待ち合わせ場所だった「京子の楽屋」を出た二人は、楽しそうに笑い合いながら、階段で移動し、テレビ局のタレント用の出入り口から外に出た。

そして、奏江の愛車に二人で乗込んだのだが。

「どうしたの?」

車が走り出し、テレビ局のゲートを通過したと同時に横から聞こえてきた、大きなため息。
さっきまでのハイテンションはどこへやら。助手席に乗ったキョーコの顔色は冴えない。

「・・・・・・・・・モー子さん、さっき局内を歩いてるとき、なんか・・・・・・視線を感じなかった?」

「え?視線って・・・・・・・・・・・?」
「うん。さっきもなんだけど、最近たまに・・・・・・・・感じるの。こう絡み付く様な?すっごい見られてる感じ?」

「そ、それって・・・・・・・・大丈夫なの?ストーカーとかなんじゃ?」
「うーん。そこまでは行かない感じ?毎日じゃないし・・・・・・・・・」
「それでも嫌な感じよね。ちゃんと椹さんに報告して、移動とかも気をつけたほうがいいわよ」
「うん、そうする・・・・・・・」
「あとの話はランチを食べながらしましょ。まだ運転に慣れてないから、しゃべりながらは怖いのよ」
「はーい」

その後無事予約したお店に到着し、美味しいランチを満喫しながら、モー子さんが仕事場で仕入れたという「危ない人」から逃げる方法などを伝授された私は、モー子さんと別れたあとも、かなりご機嫌だった。

最初はお店で別れる予定だったのに、なんと、心配だからとモー子さんは愛車でTBKまで送ってくれたのだ。なんやかんやいいながらも自分を大事にしてくれる親友の存在に想いを馳せるだけで、幸せな気持ちになれた。

先程まで満喫していた親友とのデートを脳内で再生させながら、仕事場の廊下を歩いていた私の顔はかなりにやけていたのかもしれない。



それが罪だなんて・・・・・・・・・・・思う筈がなかったから。



続く。→「不安な夜6」


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