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只今「不安な夜1」をリク罠にした魔人的お祭り開催中!
始まりはひとつ、終わりは幾通りも!!な
パラレルエンディング★リク罠 「不安な夜」
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「不安な夜22」

キョーコが発した大絶叫のその直撃を受けた4人の女性は、声にならない悲鳴を上げて、その場に踞っていた。

その目の前には、叫び終えたあとも、未だブルブルと身体を振るわせ、茹でダコ状態なままのキョーコが、同じ様な体勢で踞っていたのだが、この災厄の発生源である彼女は当然のことながら、その音によってダメージを受けたわけではなかった。

(嘘、嘘、嘘!!半裸って何?わ、わ、わ、私の、は、は、は、裸を見られたってこと?敦賀さんに?それに、吸い付きって?わ、私のこ、こ、この、こんな場所に?あ、あのひとの口が??ブラの中まで?キスマークって、あのキスマーク??嘘ぉおおお!)

動揺するキョーコの頭の中に浮かびあがったのは、恥ずかしすぎる程まぬけな半裸を晒した自分と、呆れた様な表情を浮かべながら、その自分の貧相な身体を見下ろす彼の先輩の姿だった。

そして、思った。

(そっか・・・・お仕置きの最中に気絶したから・・・・この醜くて馬鹿な後輩に、お前は「女」なんかじゃないって思い知らせる意味で、こんなことを・・・・)

そう考えると、たった今まで沸騰していた頭も冷えてきた。

(そういえば、廊下で会ったときには、私のにやけ顔は人様にお見せするのが罪なくらい酷いって、怒ってたっけ。ドラマのシーンのこともいろいろ言ってたし。・・・・その流れで、いつのまにかこんなことをされちゃう位だから、身体も同じ理由で見せるなってことよね?自覚しろってそういうことなんだ・・・・そっか・・・・)

俯いたキョーコの顔に浮かんだのは、諦めの表情だった。
しかし、寂しげな色を浮かべていたその瞳は、すぐにまた色を変えた。

表情も呆れたものに、そして、怒りを含んだものへと移り変わって行く。

(でも、馬鹿なひと・・・・これって、モー子さんのいうとおり、どう考えても、変態っぽいし、痴漢行為よね?幾ら相手が私みたいな色気のかけらもないお子ちゃまだっていったって、普通なら逮捕されるわよね)

(あ、でも・・・・過剰な程に色気だだ漏れな敦賀さんなら、相手もその気になっちゃうこと確実だし、何したって訴えられることなんてないか)

(でも、でも!!駄目よね。こんなことを只の後輩にしちゃ!幾らモテモテで日常的に女性の裸なんて見慣れてても、仕事でもその手のことをカメラの前でしまくってても!)

漸く離れる決心をしたというのに、何故か向こうから寄ってきて、こんなことをしでかしてくれた先輩の考えはなんとなく推測できても、その行動はキョーコの理解の範疇を越えていた。

ーー実際の敦賀蓮は、すべての「コト」を寝ぼけたまましでかし終え、自分の犯罪を一切記憶してなかったのだが、このときのキョーコはそれをまだ聞かされていなかった。ーー

あの大スターな先輩殿の考えや行動を理解することは、自分の様な一般ぴーぽーには、無理なことなのかもしれない、と、キョーコは彼のことを考えるのをやめた。

いや、やめられるように、必死に別のことを考えだした。

(・・・・私ってそんなに気持ち悪いのかな?・・・でも、京子にはちゃんと仕事のオファーが来てるんだし、世の中の人全員に忌み嫌われてるわけじゃないわよね?だから、仕事はしててもいいわよね?だって私には、それしか残ってないんだし!!)

「あ、仕事・・・・も、モー子さん!!大変!!もう10時過ぎてるぅ!!打ち合わせに行かないと!!」

仕事のことを考えだしたことで、漸く落ち着きを取り戻したキョーコの目に入ったもの。それは午前10時30分を指し示した、己の腕時計だった。



続く→「不安な夜23」

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